3Cとは、企業の経営・マーケティング戦略を策定するために用いられるフレームワークの1つです。Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つを分析することで、企業が成功するための方法を見つけるために使用されます。
マッキンゼーの経営コンサルタントである大前研一氏により考案されたフレームワークです。
経営・マーケティング戦略策定は、「環境分析→戦略立案→具体的な行動計画」というステップで行われ、3C分析はその中の「環境分析」を行うために用いられます。
具体的な分析内容
Customer(市場・顧客)
自社が現在いる、あるいは入り込もうとしている市場がどのような環境なのかを分析するために、主に以下のポイントを調べます。ここの分析をより詳細に行うために5フォース分析というフレームワークを用いることもあります。
・市場の規模
・市場の成長性
・顧客はどのような好みや属性を持っているか
・顧客の購入意欲や頻度はどれほどあるのか
Company(自社)
自社の売上やシェア、市場でのポジションなどを分析します。現状の自社の立ち位置を明確にするために行います。また、自社の状況を経営資源に着目して分析するVRIO分析や、自社の強み弱みと市場の機会に着目したSWOT分析というフレームワークが用いられることもあります。
・商品やサービスの特徴
・売上やシェア
・企業としての理念、ビジョン
・資産
Competitor(競合)
競合している企業の強みや市場でのポジションを分析します。差別化の方法を考えるために重要となります。
・市場でのシェア
・利益
・経営戦略
・その企業ならではの強み
3C分析の実例
ここでは実例として、任天堂が2019年度に発表した経営戦略を引用しながら説明します。まず任天堂は現状の振り返りとして以下のような分析結果をまとめています。
Customer
・スマートフォンの登場によるゲーム人口の増加
・多数のスマートフォンゲームメーカーの出現
・ゲーム開発技術の進化による新規参入の容易化
Company
・有名ソフトやキャラクター
・ゲーム機まで開発できる社内体制
Competitor
・安く遊べるスマートフォンゲーム
・画質や音質に優れたプレイステーションなどのゲーム機
任天堂はこれらの分析結果をもとに、他社にできない戦略として、自社のキャラクターを利用したテーマパークとの提携やスマートフォンゲームの開発委託などを進める方針を発表しています。