「優秀な営業人材の確保が難しい」「育成に時間がかかり、即戦力にならない」「営業部門の体制が整わず、顧客対応に支障が出ている」このような課題を抱える企業は多いのではないでしょうか。

営業活動には多くの手間とコストがかかります。コスト削減や業務効率の改善をしたくても、ノウハウ不足が原因で業務の改善ができず、解決にいたらないことも多いでしょう。

そんな課題を解決する糸口となるのが「営業アウトソーシング」です。

外部の専門企業に営業活動を委託すると、人材採用・育成の負担を軽減し、迅速に営業部門を強化できます。

営業業務のアウトソーシングは、コストや業務効率の問題を解決できるのです。

本記事では、営業アウトソーシングとは何か・料金相場・会社の選び方・導入のメリットデメリット・アウトソーシング会社7社などを、くわしく解説します。

目次

営業アウトソーシングとは

営業アウトソーシングは、営業活動の新規開拓、既存顧客対応などを専門の会社に委託することです。

自社の営業活動を外部に委託し、人材採用や育成の負担を減らし、営業効率を向上させることで、売上アップやコスト削減ができ、営業に関する課題を解決できます。

営業アウトソーシングのサービス形態は2種類

営業アウトソーシングには、大きく分けて「営業代行」と「SPO(セールス・プロセス・アウトソーシング)」という2種類のサービス形態があります。

営業代行

営業代行とは、企業の代わりに営業活動を請け負うサービスです。人材不足やノウハウ不足に悩む企業が、営業のプロの力を借りて成果を出したいときに利用します。

SPO

SPOとは、企業の営業プロセスを外部の専門家に委託し、効率化と売上向上をめざします。営業代行と異なる点は、自社の営業チームと連携しながら、同じチームで営業活動ができます。

営業プロセスの課題を洗い出しや改善策ができるため、「成果を上げるだけでなく、営業活動の過程を見直ししていきたい」という企業にとって、SPOは最適といえるでしょう。

営業アウトソーシングの市場規模

営業アウトソーシングは、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の一部として、国内市場で注目を集めています。

BPO市場全体の規模は、2022年度に約4兆7,020億円に達しており、前年度比で3.0%増加しています。特にIT系BPO市場(約2兆7,829億円)が牽引しており、営業アウトソーシングもその中の重要なカテゴリの一つと考えられます。

出典:株式会社矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2023年)

市場を牽引しているのがIT系BPO市場で、約2兆7,829億円(前年度比3.5%増)の規模です。非IT系BPO市場も約1兆9,191億円(前年度比2.4%増)と堅調な成長を見せており、営業アウトソーシングはこれらの分野横断的なサービスとして注目を集めています。

DX推進ニーズの拡大や人材不足を背景に、営業プロセスの外部委託需要は今後も高まると予想されています。

市場が拡大している背景

BPO市場、特に営業アウトソーシングの拡大には、以下の2つの要因が挙げられます。

■深刻な営業人材不足と定着率の低下

営業職の人材確保は、以下のような課題を抱えています。

採用難 少子高齢化による労働人口減少
高い離職率 ノルマ達成やクレーム対応による精神的負担
人材育成の困難さ 即戦力の確保が難しく、教育に時間とコストが必要

人材の確保と定着は多くの企業が直面する経営課題となっています。

■デジタル化による営業スタイルの変革

営業のやり方は、以下のように大きく変化しています。

  • CRMやBIツールなどのITツール活用が不可欠に
  • データ分析に基づく戦略的な営業アプローチの重要性が増加
  • 非対面営業へのシフト

上記のような状況の変化に対応するため、専門的なノウハウと人材を持つアウトソーシング企業の活用が、効果的な解決策として注目を集めています。営業部門のデジタル化とそれに伴う業務改革は、今後も市場拡大を後押しする要因となるでしょう。

営業アウトソーシングのメリット・デメリット

営業アウトソーシングのメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。

営業アウトソーシングに依頼するメリット

営業アウトソーシングのメリットは4つあります。

それぞれをくわしく解説します。

質の高い営業活動が期待できる

専門的な高度なスキルと知識を活用すると、リードの質が向上するため、成約率の大幅な向上を期待できます。

人材育成に時間をかけることなく即戦力として活躍ができるため、短期で売上目標達成に貢献します。また、プロの営業手法を学ぶことで、自社の営業チームのスキルアップにもつながるでしょう。

コストを削減できる

短期的にはコストがかかるように見えますが、課題解決やノウハウ獲得といった長期的なメリットが期待できます。また、人材採用や育成にかかるコストを削減できるため、費用対効果が高いといえるでしょう。

営業即戦力になる

人材不足の企業にとって、営業アウトソーシングは、即戦力の営業担当者を確保できます。また、採用・教育コストを削減できるだけでなく、業務量に柔軟に対応するため、効率的といえるでしょう。

新規リード獲得が期待できる

アウトソーシング会社が保有する膨大な営業リストの活用で、自社ではアプローチできなかった企業にアプローチし、新規リードを獲得できます。新たな市場への参入も視野に入れたビジネス展開が期待できるでしょう。

営業アウトソーシングに依頼するデメリット

営業アウトソーシングのデメリットは2つあります。

それぞれをくわしく解説します。

商材やサービスによっては費用対効果が悪くなる

営業アウトソーシングは、売上向上に繋がる一方で、赤字リスクもあります。

アウトソーシングにかかった費用に見合うだけの売上がなければ、費用対効果が悪くなり、企業に損失をもたらす可能性があります。特に商品単価が低い場合、このリスクが高まるため、慎重な検討が必要です。

自社にノウハウが蓄積しにくい

営業アウトソーシングは、短期的な売上向上に有効ですが、長期的な視点で見ると、自社へのノウハウ蓄積しにくいという課題が生じます。

委託したアウトソーシング会社への依存度を適切に管理し、丸投げするのではなく、自社内に営業ノウハウを蓄積できる仕組みをあらかじめ検討しましょう。

営業アウトソーシングで得られる主な効果

営業アウトソーシングは、企業の営業活動に多面的な効果をもたらします。

主な効果は、以下のとおりです。

  • リード獲得数の向上
  • 新規顧客獲得までのリードタイム短縮
  • 営業リソース不足の解消による成約率向上

それぞれ詳しく説明します。

リード獲得数の向上

営業アウトソーシングを導入すれば、質の高いリード獲得を実現できます。経験豊富な専門チームによる効率的なアプローチと、データに基づいた戦略により、見込み客の発掘力が格段に向上するでしょう。

具体的には、以下のような項目がリード獲得数向上につながります。

専門的な営業手法 業種に応じた最適なアプローチ方法の選択
豊富なデータベース 業界や企業規模に応じたターゲティングの実現
最新ツールの活用 MAツールやCRMを駆使した効果的なリード育成

それぞれが相乗効果を生み出し、単なる数の増加だけではなく、商談に進みやすい質の高いリードの獲得につながります。

新規顧客獲得までのリードタイム短縮

営業アウトソーシングの導入により、新規顧客獲得までのプロセスを大幅に短縮できる要因として、以下が挙げられます。

段階 通常の営業活動 アウトソーシング活用
初期接触 担当者の経験に依存 データに基づく最適なアプローチ
商談設定 個別の日程調整が必要 専任チームによる効率的な調整
提案準備 一から資料作成 テンプレート活用で迅速な準備

上記のように、各段階での無駄を省き、効率的なプロセスを実現し、新規顧客の獲得までにかかる時間を短縮できます。インサイドセールスとフィールドセールスの適切な役割分担により、商談の質を落とすことなく、スピーディーな商談創出が可能となるでしょう。

営業リソース不足の解消による成約率向上

営業リソースの不足は、多くの企業の成長を妨げる大きな課題となっています。中小企業庁の調査によると、事業見直しに取り組んだ企業の約3割が「知識・ノウハウの不足」を、約23.5%が「販売先の開拓・確保」を課題として挙げています。

出展:中小企業庁「2022年版 小規模企業白書

以下のような課題に直面する企業にとって、営業アウトソーシングは有効な解決策となります。

  • 営業ノウハウの蓄積が十分でない
  • 営業人材の採用・育成が追いつかない
  • 新規顧客開拓の方法がわからない
  • 商談機会を十分に活かせていない

アウトソーシングの活用により、専門的な知識とノウハウを持つ営業チームが即戦力として機能し、商談の質と量の両面で改善が期待できます。豊富な経験を持つ営業担当者が適切なタイミングで最適なアプローチを行うことで、成約率の向上につながるでしょう。

営業アウトソーシング会社の選び方

営業アウトソーシング先を選ぶ際には、自社で業務範囲を明確にし、それに合ったサービスを提供できる企業かどうかを慎重に検討する必要があります。

費用対効果や自社と同じような商材の実績があるかなど、参考にしながら依頼するアウトソーシング会社を選びましょう。

営業アウトソーシング会社を選ぶ3つのポイントについて解説します。

自社のニーズを明確にする

営業アウトソーシング会社を選ぶときは、自社の抱える具体的な課題や達成したい目標を明確にする必要があります。

たとえば「新規顧客開拓を加速させたい」という課題であれば、テレアポやメールマーケティングに強い会社を選ぶことが有効です。「既存顧客との関係強化を図りたい」という場合は、アカウントマネジメントに力を入れている会社が適しているかもしれません。

自社の達成したい目標を明確にし、最適なサービスを提供する会社を選択しましょう。

費用対効果を検証する

営業アウトソーシングの費用は、自社で営業社員を雇用するコストと営業アウトソーシングを活用した場合にかかる費用とで比較検討することが重要です。

費用対効果を検証する場合、初期投資だけでなく長期的な視点でコスト削減効果も考慮しましょう。複数の企業を比較検討し、費用対効果を意識した会社の選定が必要です。

どのプロセスを委託したいか明確にする

営業アウトソーシングを依頼する際は、まず自社の課題を明確にしましょう。営業プロセスのどこを委託するのかを、具体的に決めることが重要です。

新規顧客開拓やテレアポなど、解決したい課題を特定すると、効果的なアウトソーシング会社の依頼になります。

営業アウトソーシング会社の料金形態と費用相場

営業アウトソーシングには、固定報酬型、成果報酬型、複合型という3つの主な料金形態があります。

以下では、3つの料金形態と費用相場について詳しく解説していきます。

成果報酬

成果報酬型は、受注件数やリード獲得数など、あらかじめ定めた成果に基づいて報酬が決まる料金体系です。

完全成果報酬型の場合、初期費用や固定費は一切不要ですが、自社商品の単価が高いほど成果報酬も高額になります。

一般的な費用相場は、アポイント1件あたり1万円~3万円程度です。

固定報酬

固定報酬型は、月額で一定の料金を支払う料金体系です。

成果の有無に関わらず、毎月同じ金額を支払うため、安定した運用が可能です。

専門性の高い分野では、月額料金が高額になる傾向があります。

一般的な費用相場は、月額50万円からです。

複合型

複合型は、固定報酬と成果報酬の両方を組み合わせた料金体系です。

複合型は固定報酬が発生し、なおかつ成果ごとに報酬を支払います。

費用対効果が高いとされていますが、料金体系が複雑になるため、契約内容をしっかりと確認することが重要です。

固定報酬と成果報酬の割合や、成果の定義などを明確にしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

営業アウトソーシングに向いている業務

営業業務に限らず、以下のような業務はアウトソーシングに依頼する業務に向いています。

業務量が安定
マニュアル化が可能
イレギュラーな対応が少ない
誰でも簡単に習得できる業務

アウトソーシング会社に依頼する業務は、ルート営業・新規開拓営業・インサイドセールスなどが、その条件に当てはまります。

営業アウトソーシングに向いている業務の特徴について、くわしく解説していきます。

ルート営業

ルート営業は決まった顧客を定期的に訪問し、納品や請求といった業務に加え、製品のPRなどを行う営業です。

顧客が固定されており、業務内容が比較的安定しているため、アウトソーシングに向いています。

定期訪問が必要な取引先の場合、自社で営業担当者を確保するのが難しいケースがあります。人手不足で訪問頻度が低下すると、競合他社に顧客を奪われるリスクが高まります。

営業アウトソーシングを活用すると、顧客との関係を維持し、売上げを確保することができるでしょう。

新規開拓営業

新規開拓営業は、取引のない企業や個人に対してアプローチし、新たな顧客を獲得するための営業活動です。

ルート営業と異なり、顧客が固定されていないため、営業活動は毎回異なる状況に対応する必要があり、マニュアル化が難しい点が特徴です。

新規開拓は、一定の経験とノウハウが必要なため、未経験の営業担当者が成果を出すには時間がかかります。

営業人員の育成や確保が難しい場合、営業アウトソーシングを活用し即戦力となる経験豊富な営業担当者を迎えると、短期間で新たな顧客を開拓できるでしょう。

インサイドセールス

インサイドセールスは電話やメール、DMなど、非対面で行う営業活動です。

従来の外勤型の営業活動と異なり、オフィスや自宅など、場所を選ばずに顧客とのコミュニケーションができます。移動時間など、無駄を省いた効率的な営業活動を可能にします。

顧客情報の収集や提供、新規顧客開拓など幅広い営業活動に活用でき、コールセンターとの連携により、顧客からの問い合わせ対応が可能です。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、自社の製品やサービスを利用する顧客の満足度を高め、長期的な関係を築く活動のことです。従来のモノを売って終わりという買い切り型ではなく、月額型料金のサブスクリプション型のように、長期的な利用が求められるビジネスモデルのことをいいます。顧客満足度は長期的な利用を促し、企業の収益に直結するため重要です。

カスタマーサクセスは、顧客との継続的なコミュニケーションを行い、顧客が抱える問題やニーズを早期に把握し解決策を提供します。

顧客の成功を支援することで、より高いレベルの製品やサービスへのアップセルや新たな製品・サービスのクロスセルへと繋げ、顧客の満足度向上と同時に企業の収益拡大も実現します。

おすすめ営業アウトソーシング会社8社比較

・ジャパンプ
・セレブリックス
・ウィルオブ・ワーク
・エグゼクティブ
・セールスジャパン
・コミットメントホールディングス
・コンフィデンス
・ビーモーション

  会社名   代行内容   料金形態    URL
ジャパンプ 営業代行・テレアポ代行・デジタルマーケティング 固定報酬型

※成果報酬については要相談

https://japump.com/
セレブリックス 営業代行・コンサルティング・インサイドセールス支援 固定報酬型

※成果報酬については要相談

eigyoh.com
ウィルオブ・ワーク 新規開拓・テレアポ・インサイドセールス・フィールドセールス 固定報酬型

※成果報酬については要相談

https://seiyaku-sales.jp/
エグゼクティブ 営業代行・テレアポ代行・Webページ作成・広告運用 成果報酬型 executive.jp
セールスジャパン 営業代行、販路開拓代行、販売支援 成果報酬型 salesjapan.co.jp
コミットメントホールディングス 営業代行、テレアポ代行、セールスコンサルティング 成果報酬型 https://www.commitmentholdings.com/eigyo/
コンフィデンス セールスソリューションプロバイダー事業

インサイドセールスアウトソーシング事業

固定報酬型

※成果報酬については要相談

confidence.co.jp
ビーモーション 小売サービス営業代行(販売応援、営業支援) 成果報酬型 bemotion.co.jp

営業アウトソーシングを成功させるための5つのポイント

営業アウトソーシングは、導入すれば必ず成果が出るわけではありません。成果を出すためには、委託する企業選びから運用体制の構築まで、いくつかのポイントを押さえることが大切です。

ここでは、営業アウトソーシングを成功させるための5つの具体的なポイントを解説していきます。ポイントを意識すれば、アウトソーシングの効果を最大限に引き出せるでしょう。

過去の支援実績を確認して選ぶ

営業アウトソーシング会社を選ぶ際、重視すべきポイントの一つは過去の支援実績です。特に自社と似た業界や、類似した商材での成功事例があるかどうかを確認しましょう。

実績を確認する際のポイントには、以下のようなものが挙げられます。

  • 支援企業の業界と規模
  • 具体的な成果数値
  • 支援期間の長さ
  • 失敗事例とその改善策

例えば、IT業界向けの営業支援実績が豊富な会社に製造業の営業支援を依頼しても、期待する成果が得られない可能性があります。業界特有の商習慣や営業プロセスへの理解が不可欠だからです。

そのため、過去の実績を詳しくヒアリングし、具体的な成功事例や改善事例を確認すれば、自社の課題解決に最適な会社を選ぶことができるでしょう。

業界スキルや業界知識の豊富な会社に依頼する

営業アウトソーシングを成功させるためには、委託先の「業界理解」も大切です。商材についての知識はもちろん、業界特有のルールや取引方法を理解していないと、スムーズな営業活動は期待できません。

特に以下のような場面では、業界知識が成果を左右するポイントにつながります。

初期商談 業界用語の理解、市場動向の把握
提案資料作成 競合他社との差別化ポイントの理解
価格交渉 業界の相場観、取引条件の理解
アフターフォロー 業界特有の課題やニーズの把握

例えば、製造業向けの営業では、製品の技術的な特徴や生産工程への理解が必要です。ITサービスの営業では、システム構築の知識やデジタル化の課題を理解していることが求められるでしょう。

そのため、委託先選びでは、単なる営業スキルだけではなく、該当業界での十分な知見とノウハウを持っているかどうかも確認しましょう。業界に精通した会社を選ぶことで、より効果的な営業活動を展開できます。

自社ノウハウを蓄積する仕組みを作る

営業アウトソーシングを有効活用するためには、委託先のノウハウを自社に蓄積する仕組みづくりが大切です。アウトソーシング会社への依存度が高まりすぎると、契約終了後に営業力が低下してしまうリスクがあるからです。

ノウハウを蓄積するために、具体的に以下のような取り組みが効果的です。

  • 定期的な営業会議での情報共有
  • 成功事例・失敗事例のデータベース化
  • 商談同行による営業手法の学習
  • アウトソーシング担当者との密な連携
  • CRMツールを活用した営業プロセスの可視化

上記のような取り組みを通じて、アウトソーシング会社の優れた営業手法や業界知識を、自社の財産として蓄積できるでしょう。特に、お客様との商談記録や提案資料などは、今後の営業活動に活かせる貴重な資産となるはずです。

自社のノウハウ蓄積を意識した運用を行うことで、アウトソーシングの効果を一時的なものではなく、長期的な営業力の向上につなげることができます。

契約条件を把握する

営業アウトソーシングを導入する際、契約条件の詳細な確認は必要です。後々のトラブルを防ぎ、期待する成果を得るためにも、契約前に以下の項目を慎重に確認しましょう。

料金体系 固定報酬か成果報酬か、追加料金の有無
契約期間 最低契約期間、契約更新の条件
成果の定義 具体的な成果指標、計測方法
報告体制 日次・週次・月次の報告内容と形式
機密保持 顧客情報や営業資料の取り扱い

特に注意が必要なのは、成果の定義と評価方法です。例えば「商談件数」や「成約率」など、具体的な数値目標がある場合、その計測方法や報告方法について、事前に合意しておく必要があります。

契約期間中の中途解約や契約変更の条件についても、明確に確認しておきましょう。予期せぬコストの発生や、サービス品質の低下を防ぐことができます。

過度な依存を避ける

営業アウトソーシングは、効果的に活用すれば大きな成果が期待できます。しかし、すべての営業活動を委託先に依存してしまうと、自社の営業力が衰退してしまう危険性があります。

委託先との契約が終了した後、営業活動に支障をきたすケースも少なくありません。過度な依存を避けるために、以下のような取り組みを実践しましょう。

  • 自社の営業部門とアウトソーシング部隊の役割を明確に分ける
  • 定期的に自社の営業担当者が商談に同行する
  • 成功事例や営業手法を自社内で共有・実践する
  • 営業ノウハウのマニュアル化を進める
  • 段階的に自社での営業体制を強化する

アウトソーシングはあくまでも自社の営業力を補完・強化するための手段として位置づけることが大切です。委託先の力を借りながらも、最終的には自社の営業力向上を目指すという視点を忘れないようにしましょう。

よくある質問

営業アウトソーシングに関するよくある質問を解説します。

営業派遣と何が違うの?

営業代行と似たサービスに「営業派遣」があります。

営業派遣は企業が求める営業人員を派遣するサービスで、派遣先の企業の社員が派遣された人に対して指示を出します。

営業人員が不足している場合、派遣を活用することで迅速に人員を補充できます。しかし、派遣される人のスキルや経験は人それぞれため、自社で追加の教育が必要なことがあります。

営業代行は、営業活動に関するノウハウや仕組みそのものを外部に委託するサービスです。営業代行会社が、営業担当者の採用から育成、顧客との折衝まで一貫して行います。

企業は、営業代行会社と連携しながら、営業活動の進捗や成果を把握し、戦略的な営業を行います。営業人員の不足だけでなく、営業成績の向上や新たな営業手法の導入を検討している場合、営業代行は効果的といえるでしょう。

営業アウトソーシングには、どのような商材やサービスが向いている?

高単価のサービスの場合、契約数が少なくても大きな売上を期待できます。営業の効率性が高いため、営業アウトソーシングと相性が良いでしょう。

商材やサービスの料金形態はさまざまですが、単価が低いサービスは利益を出すためには多くの契約を獲得しなければなりません。

営業の負担が大きく費用がかかるため、単価の低い商材やサービスに営業アウトソーシングは向かないでしょう。

まとめ

営業アウトソーシングとは、企業が営業活動を外部の専門企業に委託し、人材不足やコスト削減、新規顧客開拓などの課題を解決するサービスです。

具体的には、営業代行(企業に代わって営業活動を行う)や、SPO(セールス・プロセス・アウトソーシング:企業の営業プロセスを外部に委託)などがあります。

営業アウトソーシングのメリットは、専門的な知識やスキルを持った即戦力となる営業人員を確保できることです。質の高い成果が期待でき、成約率向上や顧客満足度向上に繋がります。また、人材採用や教育にかかるコストを削減できるため、企業の経営効率化に貢献するでしょう。新規顧客の開拓においても、経験豊富な営業のノウハウを活用でき、新たな市場への参入を期待できます。

デメリットは、費用対効果の問題です。全てのケースにおいて、必ずしも費用に見合うだけの成果が得られるとは限りません。商品やサービスの単価が低い場合、多くの契約を獲得しなければ利益に繋がりづらく、費用対効果を悪化させます。また、営業活動の外部委託で、自社に営業に関するノウハウの蓄積が難しくなります。

営業アウトソーシングの活用は、自社の課題を明確にし、費用対効果を検証し、委託する業務を具体的に決めることが重要です。

適切なアウトソーシング会社を選び、自社の状況に合わせて活用すると、売上向上やコスト削減を実現できます。

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