営業代行

営業代行と営業派遣の違いは?比較表でわかる選び方

2025.06.10

営業人員が足りないとき、「営業代行」と「営業派遣」のどちらを利用すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。

両者の大きな違いは、単に外部の営業人材を利用するかどうかではありません。

営業代行は営業業務・運用を外部へ任せる方法、営業派遣は営業人材を受け入れて自社で指揮・管理する方法と考えるとわかりやすいでしょう。

特に重要なのが「誰が営業担当者へ日々の指示を出すのか」です。

この記事では営業代行と営業派遣を比較し、自社ではどちらを選ぶべきか判断できるように解説します。

営業代行と営業派遣の違いを比較

まずは営業代行と営業派遣の違いを確認しましょう。

比較項目 営業代行 営業派遣
主な目的 営業業務・運用を外部へ任せる 営業人材を補充する
日々の指揮命令 原則として代行会社側 派遣先企業
マネジメント 主に代行会社 自社
契約の考え方 請負・準委任などの業務委託として行われることが多い 労働者派遣契約
営業ノウハウ 外部の営業ノウハウを活用しやすい 基本的には自社の営業方法で運用
業務変更の柔軟性 契約した業務範囲内で調整 自社から業務指示を出しやすい
向いている状態 営業設計・実行・管理まで任せたい 営業方法は決まっており人員を増やしたい

最も大きな違いは、営業担当者に対する指揮命令の所在です。

労働者派遣では、派遣スタッフは派遣元企業と雇用関係を持ち、実際の業務では派遣先企業から指揮命令を受けます。

一方、一般的な業務委託型の営業代行では、発注企業が代行会社の担当スタッフへ直接日々の作業指示を出すのではなく、代行会社側が営業活動を管理します。

そのため、

  • 営業のやり方まで任せたいのか
  • 自社で営業担当者へ細かく指示したいのか

を考えると、どちらが適しているか判断しやすくなります。

営業代行と営業派遣、どちらを選ぶ?3分チェック

営業代行と営業派遣のどちらが自社に適しているか、目的から確認してみましょう。

営業代行が向いている企業

以下に当てはまる場合は、営業代行を検討しやすいでしょう。

  • 新規事業で営業方法がまだ確立していない
  • 新規開拓を一から立ち上げたい
  • 社内に営業マネージャーがいない
  • 営業人材の採用・教育まで行う余裕がない
  • テレアポや商談だけでなくKPI管理・改善まで任せたい
  • 自社にはない営業ノウハウを活用したい

営業代行は「人を借りる」というより、営業業務そのものを外部へ任せたい企業に向いています。

営業派遣が向いている企業

一方、次のような企業は営業派遣を検討しやすいでしょう。

  • 営業方法やスクリプトがすでに確立している
  • 営業マネージャーが社内にいる
  • 営業人員だけ一時的に増やしたい
  • 繁忙期や欠員に対応したい
  • 自社のルールに沿って細かく業務指示を出したい
  • 既存営業チームへ人員を追加したい

営業派遣は、営業の仕組みはあるが、それを実行する人員が足りない企業との相性がよい方法です。

営業代行と営業派遣の5つの違い

1. 指揮命令を出す相手が違う

最も重要なのが指揮命令の違いです。

営業派遣では、派遣先企業が派遣スタッフへ業務上の指示を出します。

たとえば、今日アプローチする企業、使用する営業トーク、優先して対応する案件、営業活動の進め方などを、自社の営業チームと同じように指示できます。

一方、営業代行では、発注企業から代行会社に対して目標や依頼内容を伝え、具体的な業務管理は代行会社側が行うのが基本です。

この違いは、サービスを選ぶ際の最も重要な判断基準です。

2. 外部に依頼するものが違う

営業派遣で主に補充するのは「営業人材」です。

自社ですでに営業戦略や業務フローが決まっており、その業務を実行する人を増やしたい場合に利用しやすいでしょう。

営業代行では、人員だけでなく、ターゲット設定、営業リスト作成、スクリプト設計、テレアポ、インサイドセールス、商談、KPI管理、営業活動の改善などをまとめて依頼できる場合があります。

そのため営業体制そのものが不足している場合は、営業代行の方が対応しやすいケースがあります。

3. マネジメント・教育の負担が違う

営業派遣では、派遣スタッフの日々の業務管理は自社側で行います。

営業方法や商材知識を伝えたり、目標やKPIを設定したりするため、営業マネージャーの工数も必要です。

一方、営業代行では代行会社側にマネージャーが配置され、担当スタッフの管理や営業活動の改善まで任せられる場合があります。

社内に営業マネージャーがいない場合や、管理工数を確保できない場合は、この違いが大きくなります。

4. 活用できる営業ノウハウが違う

営業代行会社は複数企業の営業支援を経験しているため、ターゲット設定やスクリプト、アプローチ方法などの営業ノウハウを持っている場合があります。

新しい市場へ参入する場合や、営業方法自体を検証したい場合は、その知見を活用できることがメリットです。

一方、営業派遣では基本的に自社の営業方法を派遣スタッフに実行してもらいます。

すでに成果が出る営業方法を持っている企業であれば、外部の営業設計よりも人員補充の方が重要になるでしょう。

5. 業務変更の柔軟性が違う

営業派遣では、自社が派遣スタッフへ指揮命令できるため、現場の状況に合わせて業務指示を調整しやすい特徴があります。

一方、営業代行は契約した業務範囲に基づいて営業活動を行います。

大きく業務内容を変更する場合は、代行会社との調整や契約変更が必要になる可能性があります。

「毎日の状況を見ながら細かく指示を変えたい」のであれば営業派遣、「一定の営業目標を設定して運用方法ごと任せたい」のであれば営業代行が適しています。

営業代行と営業派遣の費用はどう比較する?

営業代行と営業派遣は費用の仕組みが違うため、月額料金だけで比較するのはおすすめできません。

営業代行の費用

営業代行では主に、固定報酬型、成果報酬型、固定報酬と成果報酬を組み合わせる複合型などがあります。

テレアポだけを依頼するのか、営業戦略・商談・マネジメントまで任せるのかによって総額は大きく変わります。

そのため営業代行の費用を比較するときは、「何人動くか」だけでなく「何を任せられるか」を確認することが重要です。

営業代行の料金相場を詳しく確認したい方は、「営業代行の相場はいくら?料金体系や費用の目安を解説」も参考にしてください。

費用対効果や損益分岐まで含めて判断したい場合は、「営業代行の費用対効果・総額の考え方」もあわせて確認するとよいでしょう。

営業派遣の費用

営業派遣では、派遣スタッフの職種・経験・地域・稼働時間などによって派遣料金が決まります。

さらに、派遣スタッフへ業務を教え、日々管理する工数は自社側で負担します。

そのため、本当のコストは派遣会社へ支払う金額だけではありません。

「外部への支払額+自社の管理工数」で比較する

営業代行と営業派遣を比較するときは、

外部へ支払う料金 + 自社で必要になる管理・教育工数

で考えましょう。

たとえば営業派遣の外部費用が営業代行より安く見えても、営業マネージャーが毎月多くの時間を教育・指示・進捗確認に使うのであれば、総コストの差は小さくなる可能性があります。

逆に、自社に十分な営業マネジメント体制があり、人員だけ追加すれば成果を伸ばせるのであれば、営業派遣が合理的な場合もあります。

「どちらの月額が安いか」ではなく、自社側で残る業務まで含めて比較することが重要です。

営業代行・営業派遣の契約や運用で注意したいこと

営業代行と営業派遣では、契約や指揮命令のルールも異なります。

営業代行スタッフへの直接の指揮命令には注意する

営業代行では、請負契約や準委任契約などの業務委託として契約するケースがあります。

この場合、発注企業が受託会社の担当スタッフへ日常的に具体的な作業指示を行う運用には注意が必要です。

厚生労働省では、派遣と請負等の区分について、契約書の名称ではなく実際の働き方・指揮命令の実態によって判断するとしています。

そのため、「業務委託契約だから担当スタッフへ直接何を指示してもよい」とは考えない方がよいでしょう。

業務内容の変更や改善要望は、受託会社の責任者を通じて依頼するなど、契約と実際の運用を一致させることが重要です。

詳しくは厚生労働省の労働者派遣・請負の適正化に関する資料も確認してください。

具体的な契約・運用について不明点がある場合は、専門家や所管の労働局などへ確認してください。

営業派遣では派遣会社の許可を確認する

労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣の許可が必要です。

営業派遣を利用する場合は、派遣会社の許可状況や契約内容、サポート体制などを確認しましょう。

営業派遣には派遣期間のルールがある

同じ派遣労働者が、派遣先事業所の同一組織単位で働ける期間には原則3年の制限があります。

ただし、派遣元で無期雇用されている労働者や60歳以上の労働者など、期間制限の対象外となるケースもあります。

「営業派遣はすべて3年まで」と単純に考えるのではなく、自社の契約条件を確認しましょう。

顧客情報の管理ルールを決めておく

営業では、顧客名、担当者情報、電話番号、メールアドレス、商談内容、CRM・SFAのデータなど、多くの情報を扱います。

営業代行・営業派遣のどちらを利用する場合でも、アクセス権限、情報の持ち出し、契約終了時のデータ返却・削除などを確認しておきましょう。

ケース別|営業代行と営業派遣のどちらが向いている?

代表的な状況別に整理します。

自社の状況 向いている方法
新サービスを初めて販売する 営業代行
新規開拓の方法から作ってほしい 営業代行
BDR・インサイドセールスを一から立ち上げたい 営業代行
社内に営業マネージャーがいない 営業代行
営業方法は完成しているが人が足りない 営業派遣
繁忙期・欠員期間だけ営業人員を追加したい 営業派遣
自社から細かく業務指示を出したい 営業派遣
営業戦略・人員管理・改善までまとめて任せたい 営業代行

ただし、実際には営業活動の一部を営業代行へ任せながら、自社営業チームや派遣人材を組み合わせる方法もあります。

必ずどちらか一方だけを選ぶ必要はありません。

自社に不足しているものが「人」なのか「営業の仕組み・運用」なのかを整理したうえで判断しましょう。

営業代行と営業派遣に関するよくある質問

営業代行と営業派遣の一番大きな違いは何ですか?

大きな違いは指揮命令の所在です。

営業派遣では派遣先企業が派遣スタッフへ業務指示を出します。

一般的な業務委託型の営業代行では、代行会社側が担当スタッフの業務を管理します。

営業代行と営業派遣ではどちらが安いですか?

一概には判断できません。

営業派遣は人員の稼働に対する料金が中心ですが、自社で教育・管理する工数が必要です。

営業代行は営業設計やマネジメントまで料金に含まれる場合があります。

外部への支払額だけでなく、自社の管理工数まで含めて比較しましょう。

営業代行の担当者へ直接指示してもよいですか?

契約内容や実際の運用によりますが、業務委託型の営業代行で、発注企業が受託会社の担当スタッフへ直接具体的な指揮命令を行う運用には注意が必要です。

派遣か請負等かは契約書の名称だけではなく実態で判断されます。

業務変更や具体的な要望は、受託会社の責任者を通して調整しましょう。

営業代行と営業派遣は併用できますか?

目的が異なるため、併用することも考えられます。

たとえば、新規開拓の戦略設計やテレアポは営業代行へ任せ、確立した営業プロセスの人員不足を営業派遣で補う方法があります。

役割と指揮命令関係が曖昧にならないよう、業務範囲を明確にしておきましょう。

まとめ

営業代行と営業派遣は、どちらも営業リソースを外部から確保する方法ですが、役割は大きく異なります。

営業代行は、営業業務や運用を外部へ任せたい場合に向いています。

営業派遣は、営業方法は確立しており、自社で指揮・管理する営業人員を補充したい場合に向いています。

迷った場合は、

  • 営業方法は確立しているか
  • 社内に営業マネージャーがいるか
  • 人だけ必要なのか
  • 営業設計・管理まで任せたいのか
  • 自社から担当者へ直接業務指示を出したいか

を整理してみましょう。

自社に不足しているものを明確にすると、営業代行と営業派遣のどちらを利用すべきか判断しやすくなります。

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この記事の監修者

鶴田克之のプロフィール写真

鶴田克之

株式会社ジャパンプ取締役

営業歴20年以上。様々な業界の営業代行を担当し、

楽天やミスミなど大手企業の営業支援も経験。
新規開拓に加え、営業チームの立ち上げ・マネジメントにも携わる。
営業代行の発注設計と会社選定(相場・依頼範囲)に関する内容を監修。

岡林洋祐のプロフィール写真

岡林洋祐

株式会社ジャパンプ取締役

営業歴15年以上。様々な業界の営業代行を担当。
リクルートやキーエンスなど大手企業の営業支援も経験。
スクリプト改善や架電運用の最適化など、現場で成果を出す実務に強みを持つ。
営業代行で成果を出すための運用設計(品質管理・改善・教育)に関する内容を監修。

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