採用担当の仕事は、単に「採用をする」ことだけではありません。採用担当は、企業にとって必要な人材を確保するだけでなく、企業のことを発信する「会社の顔」でもあります。この記事では、そんな採用担当の仕事内容や、必要なスキル、向いている人などをご紹介します。「新しく採用担当になったけど、どうすれば良いかわからない…」という方にも是非読んでほしい、徹底解説です!
1.採用担当とは?
採用担当の役割
採用担当の役割は「自社にとって必要な人材を確保すること」です。人を採用するにあたって、募集方法の選定から選考、面接、内定者フォローまで、多くの業務を担当します。自社の方針に合わせて採用を行う必要があるため、会社に対する深い理解が必要です。
人事との違い
人事は主に、処遇決定・労務管理・能力開発・制度の企画や改善などの業務を担当します。採用は人事業務の1つですが、専任の担当者が行う場合があります。
2.必要なスキル
1.コミュニケーション能力
採用担当は、求める人材を明確にするために、社内の経営陣や関係部署と連携する必要があります。さらには、求職者や求人広告会社、人材紹介会社など、社外の人とも連携する必要もあります。円滑に業務を進めるために、さまざまな人とコミュニケーションを取らなければなりません。自社の魅力を発信する「会社の顔」として、高いコミュニケーション能力が求められます。
2.Webマーケティングの知識
人を採用するために、まずは応募者を獲得しなければなりません。メールやSNSなどのメディアを利用して応募者を獲得する方法もあるため、Webマーケティングの知識は必要になります。
3.調整力
社内外のさまざまな人と常に連携を取りながら採用活動を進めていくため、日程調整やイベントに出演してもらう社員の手配や面接官の確保など、調整力は必要不可欠です。
4.変化に対応する力
採用方法は時代に応じて変化します。応募者を待っているだけでは採用はできないため、会社側からアピールしていかなければなりません。常に情報収集をし、採用のトレンドの変化に合わせて柔軟に対応できる力が必要です。
5.プレゼンスキル
社外の人に自社の魅力を伝えることができるのは採用担当です。自社の魅力を熱量を込めて語ることができれば、自然と応募者は集まります。SNSなども合わせて利用し、自分の言葉で発信していくことが大切です。
3.採用担当に向いている人
・責任感がある人
採用活動中は会社の代表となるため、自身の発言や決断に責任を持たなければなりません。また、求職者への対応も会社の評判につながります。採用担当の影響力の高さと、自身の判断が求職者の人生を左右する可能性があることを考慮し、責任をもって業務に取り組むことができる人が向いています。
・コミュニケーションを取るのが好きな人
採用担当は、常に社内・社外の人とコミュニケーションを取ることが求められます。そのため、周囲を巻き込みながら業務を進める点や、自社の魅力を他者に語る点において、コミュニケーション能力は欠かせません。
・新しいことが好きな人
時代の変化とともに、採用方法にも変化やトレンドがあります。常に情報を収集し、市場のトレンドに合わせて対応していかなければなりません。そのため、新しいことが好きな人は採用担当に向いていると言えるでしょう。
・対応力のある人
採用業務は人と関わることが必須となる仕事であるため、ハプニングが起こることもあります。そのため、変化や状況に応じた対応ができる力が必要です。
4.仕事内容
採用担当の仕事は、主に以下のような内容だと言われています。
①採用計画を立てる
→いつまでにどのような人材が何人ほしいかなどの採用活動全体の見通しを立てます。採用活動に関わる人全員が同じ理念やコンセプトを共有し、活動していくことが重要です。
②会社にとって必要なペルソナの設定
→具体的にどんな人が欲しいのか、理想の人材の詳細を設定します。
③採用方法の検討、運用
→自社に合わせた採用方法を検討します。
④社外とのやり取り
→人材紹介や求人メディアなど、社外の企業ともコミュニケーションを取る必要があります。
⑤広報業務
→応募者を獲得し、採用につなげるために、自社について発信します。
⑥選考の実施
→書類選考や面接を実施します。
⑦スケジュール管理
→採用イベントに出演する社員のスケジュールや、面接などの日程調整をします。
⑧候補者との条件すり合わせ
→応募者が自社に合っているか、確認します。
⑨内定者フォロー
→内定の受諾・辞退や、内定者の入社準備をします。
⑩社内の受け入れ体制の準備
→内定者が入社する際の環境づくりをします。
⑪入社後のフォロー
→内定者が入社後に抱える悩みに寄り添い、安心して職場になじめるようサポートします。
5.採用の種類
採用の種類には、大きく分けて3つあります。
①新卒採用
新卒採用とは、毎年同じ時期に一定数の人材を採用することです。主に大学を卒業したばかりの学生を採用します。募集開始から入社まで最低1年はかかるので、年単位で計画を進める必要があります。入念な計画が必須です。
②中途採用
中途採用とは、就業経験がある人を採用することです。人材に欠員が出た際に、いつでも募集をできるという点が特徴です。経験重視で採用を行う場合が多いので、育成にコストがかからないという利点もあります。
③アルバイト採用
アルバイト採用とは、時間を限定して働く人を採用することです。人件費の削減や、繁忙期のみの採用など、合わせて人員を調整できるというメリットがあります。一方で、急な退職なども起こり得るので、安定した運営が難しいというデメリットもあります。
6.まずやるべきこと
採用担当になったら、まずは採用計画を立てましょう。採用計画とは、採用活動をするにあたって、基準となる計画のことです。採用は、しっかりと計画を立てなければ失敗してしまいます。事前に計画を立てることによって、採用担当者全員が同じ目標へ向かって効果的な採用活動ができます。採用すべき人材を明確にするという点においても、採用計画を立てることは重要です。
一方で、「採用計画を立てるのはいいけど、どうやって計画を立てたらいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そんな方は、以下4つの視点から採用計画を立てましょう。
・採用目的
まず初めに、採用の目的を明確にしましょう。採用担当だけで話し合うのではなく、自社の経営層と連携しながら、何のために採用をするのか、今後の方針を立てましょう。事業計画や会社の目標によって、どんな人が必要なのか、明確になるはずです。
・採用ターゲット(ペルソナ)の設定
採用目的を明確にしたら、具体的なペルソナを設定しましょう。採用ターゲットは、職種や役割だけではなく、どのくらいの年齢で、どういう人なのか、理想の人材を具体化しましょう。
・採用スケジュールを立てる
近年の採用傾向として、スピード化、短期化しています。対応が遅くなると、良い人材を逃してしまうかもしれません。採用を成功させるために、無理のないしっかりとしたスケジュールを立てましょう。
・採用手法の設定
採用手法の設定の仕方として、自社に合った方法を選択するということが大切です。むやみに色々な媒体に手を出してしまうと莫大なコストがかかってしまいます。会社の規模や費用に合わせて、採用手法を設定しましょう。
・採用活動のポイント
採用活動を始めるにあたって、まずは「自社のことを知る」ということが大切です。自社の企業理念や価値観について、自信をもって語ることができますか?自社の魅力を発信する「会社の顔」として、まずはあなたが会社のことを知っておく必要があります。そして、誰よりも自社を語ることができる人になりましょう!
7.採用フロー
採用フローとは採用活動全体のことで、一連の流れです。自社に合った採用方法を選択するのが1番ですが、一般的には以下のような流れになっています。
①求人掲載
↓
②応募
↓
③書類選考
↓
④適正テスト
↓
⑤面接
↓
⑥内定
↓
⑦入社
8.最近のトレンド採用
最初に述べたように、採用方法には時代に沿ったトレンドがあります。変化に対応していくためにも、把握しておきましょう。最近のトレンド採用は主に以下3つです。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業側が直接アプローチをして採用する手法です。求職者を待つのではなく、自ら動く「攻めの採用」という点が特徴です。
メリット:採用コストを抑えることができる・自社が求める人材に出会える可能性がある・潜在層にもアプローチができる
デメリット:業務負担が増える場合がある
リファラル採用
リファラルとは、社員から信頼できる人材を紹介してもらう採用手法です。縁故採用と似ていますが、会社との相性や採用基準を満たしている人材を採用するという点が異なります。
メリット:採用コストを抑えることができる・信頼できる人材を採用できる・潜在層に出会える
デメリット:情報が伝わりづらい・温度差が生まれる可能性がある
ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングとは、SNS(FacebookやTwitter)を活用して採用を行う手法です。多くの人がSNSを利用しているため、現代のトレンド採用と言えるでしょう。
メリット:採用コストを抑えることができる・ミスマッチを避けることができる・自社のことを知ってもらえる・カジュアルにコミュニケーションが取ることができる・優秀な人材に直接アプローチができる
デメリット:炎上や情報漏えいの可能性がある・定期的に更新する必要がある
9.採用活動をうまく進めるコツ
ここまで、採用について徹底的に解説してきました。「結局どうすれば良いのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。最後に、採用をうまく進めるコツを解説します。
自社に合った採用を!
採用方法は多くの種類があります。いろいろな方法に手を出しすぎてしまうと莫大なコストがかかってしまいます。効率よく採用活動を進めるために、しっかりと採用計画を立て、自社に合った方法を選択しましょう。
会社から情報を発信する!
現在の採用市場は、以前と大きく変わっています。今まで通りの待ちの姿勢では、理想とする人材を採用できる可能性が減ってしまうかもしれません。現在主流となっているSNSを活用する、会社のHPを更新するなど、自社の情報を発信していきましょう。