インサイドセールスを外注するとき、費用だけを見て代行会社を選ぶと、想定していた業務が見積もりに含まれていなかったり、商談件数は増えても有効商談につながらなかったりすることがあります。
インサイドセールス代行の料金は、固定報酬型・成果報酬型・複合型などの契約形態だけでなく、SDR・BDRのどちらを任せるか、リスト作成やスクリプト設計、ナーチャリング、CRM・SFA入力、KPI改善まで含めるかによって大きく変わります。
この記事では、インサイドセールス代行の料金体系と費用の考え方、委託できる業務範囲、見積もりが変わるポイント、成果報酬で確認すべき成果定義、内製との比較方法まで整理します。
インサイドセールス代行の費用は何で決まる?
インサイドセールス代行には一律の料金表があるわけではありません。主に、次の要素を組み合わせて見積もりが決まります。
| 費用に影響する項目 | 確認したい内容 |
| 委託範囲 | リスト作成、SDR、BDR、ナーチャリング、CRM入力、KPI設計など、どこまで任せるか |
| 稼働量 | 架電・メール件数、対応リード数、専任人数、稼働時間など |
| ターゲット | 中小企業か大手企業か、担当者か決裁者か、対象業界の専門性など |
| 成果地点 | アポイント、担当者との商談、有効商談、決裁者商談など、何を成果とするか |
| 運用支援 | スクリプト改善、定例会、分析、CRM・SFA運用、内製化支援などを含むか |
| 契約条件 | 最低契約期間、初期費用、ツール費、リスト費など |
そのため、「月額が安い会社」を探すよりも、まず自社が何を任せたいのかを整理し、同じ条件で複数社の見積もりを比較することが重要です。
インサイドセールス代行の主な料金体系
固定報酬型
毎月一定額を支払い、決められた人員・稼働量・業務範囲でインサイドセールスを運用する方式です。
継続的なSDR、ナーチャリング、BDR、運用改善など、一定期間活動を続けながら成果を見ていく案件と相性があります。一方、成果件数に関係なく費用が発生するため、活動量・有効商談・商談後の受注状況などを定期的に確認する必要があります。
成果報酬型
あらかじめ定めた成果が発生した件数に応じて料金を支払う方式です。
ただし、「アポイント1件」の定義は会社や契約によって異なります。日程調整ができれば成果とするのか、自社のターゲット条件を満たした有効商談だけを成果とするのかで、1件あたりの価値は大きく変わります。
複合型(固定報酬+成果報酬)
一定の固定費を支払いながら、商談獲得などの成果に応じて追加料金が発生する方式です。
稼働量を確保しつつ成果にも連動させられますが、固定費と成果報酬の両方が発生するため、最終的な総額と成果条件を確認しましょう。
相場は幅を持って見る
インサイドセールス代行の費用は、固定報酬型では月額数十万円台から、成果報酬型では商談・アポイント単位で料金が設定されるケースが見られます。
ただし、同じ月額でも「実行だけ」なのか「戦略・リスト・スクリプト・CRM入力・改善まで含む」のかで内容は大きく異なります。相場の数字だけでなく、見積もりに含まれる業務を揃えて比較してください。
インサイドセールスはどこまで業務委託できる?
インサイドセールス代行に依頼できる範囲は、単純な架電だけではありません。会社によっては、戦略設計から実行、分析、内製化支援まで対応できます。
| 委託できる業務 | 主な内容 | 費用への影響 |
| ターゲット・KPI設計 | 対象企業、商談化条件、KPI、営業フローを設計 | 初期設計・マネジメント費に影響 |
| 営業リスト作成 | 条件に合う企業リストの作成・精査 | 追加費用になる場合あり |
| SDR | 問い合わせ、資料請求、展示会リードなどをフォロー | 対応リード数・追客回数で変動 |
| BDR | 未接触企業への新規アプローチ、ABMなど | 対象難易度・リスト作成等で変動 |
| ナーチャリング | すぐに商談化しないリードへの継続接触 | 運用期間・接触回数で変動 |
| スクリプト設計・改善 | トーク、メール文面、切り返し等の作成・改善 | 設計・改善工数に影響 |
| CRM・SFA入力 | 顧客情報、接触履歴、温度感、次回対応などを記録 | 入力項目・ツール運用で変動 |
| 分析・改善 | KPI分析、ターゲット・スクリプト等の改善 | マネジメント費に影響 |
| オンライン商談 | 商談・ヒアリング・提案まで対応 | 担当者スキル・業務範囲で変動 |
どこまで任せるかを決めるときは、「外注できるか」だけでなく、「どの情報を自社に残したいか」「フィールドセールスへどの状態で渡したいか」も合わせて考えましょう。
委託範囲によって費用はどう変わる?
実行業務だけを任せる場合
自社でターゲット・リスト・スクリプト・KPIが固まっており、電話やメールなどの実行部分だけを任せる場合は、委託範囲を絞りやすくなります。
ただし、成果が伸びないときに改善をどちらが担当するかは事前に決めておきましょう。実行だけの契約では、ターゲット変更やスクリプト改善が別対応になる場合があります。
設計から実行まで任せる場合
インサイドセールスを初めて立ち上げる企業では、ターゲット選定、KPI、営業リスト、スクリプト、商談化条件などの設計から依頼するケースがあります。
実行だけを任せる場合より費用は増えやすい一方、自社側に運用ノウハウがなくても立ち上げやすくなります。
ナーチャリングまで任せる場合
資料請求後すぐに商談化しないリードや、過去に失注・保留となったリードへ継続的にアプローチする場合は、一定期間の運用が必要です。
単発のアポイント獲得よりも、追客回数、メール・電話の使い分け、CRM・SFAへの記録など運用工数が増えます。
分析・改善・内製化支援まで任せる場合
KPI分析、スクリプト改善、営業フロー改善、社内担当者へのノウハウ移管まで含める場合は、実行担当者だけでなくマネージャーやコンサルタントの関与が増えることがあります。
将来的に内製化する予定がある場合は、単純な月額だけでなく、運用ルール・スクリプト・顧客データ・分析方法まで引き継げるかを確認するとよいでしょう。
SDRとBDRでは費用の考え方がどう違う?
SDRはリード量と追客設計を確認する
SDRは、問い合わせ・資料請求・展示会参加者など、すでに接点のある見込み顧客を商談へつなげる活動です。
見積もりでは、月間リード数、初回対応までの時間、1リードあたりの追客回数、休眠リードを含むか、CRM・SFAへの入力範囲などを確認しましょう。
BDRはターゲット難易度とアプローチ設計を確認する
BDRは、自社から対象企業を選び、未接触企業へ新規アプローチする活動です。
特定業界や大手企業、決裁者などを狙う場合は、対象企業の選定、リスト精査、接触先の特定、複数チャネルでのアプローチなどが必要になることがあります。
SDRとBDRのどちらが必ず高いと一律に決めるのではなく、自社案件で必要な工数を揃えて比較することが重要です。
成果報酬型では「成果」の定義を必ず確認する
成果報酬型を比較するときは、1件あたりの料金より先に「何を1件と数えるか」を確認してください。
| 成果の例 | 確認したいこと |
| 日程調整が完了したアポイント | ターゲット条件や担当部署が合わない案件も成果に含むか |
| 担当部署との商談 | 担当者の役職・権限をどこまで条件に含めるか |
| 有効商談 | 企業規模、課題、導入時期などの条件をどう定義するか |
| 決裁者商談 | 決裁者・決裁関与者の範囲をどこまで含めるか |
例えば1件あたりの料金が低くても、有効商談の条件が緩ければ、自社営業が対応する商談数だけ増えて受注につながらない可能性があります。
商談件数だけでなく、有効商談率や商談後の受注率まで確認できる設計にしておくと、費用対効果を判断しやすくなります。
見積もりで確認しておきたい追加費用・契約条件
- 初期設計費:ターゲット、KPI、スクリプト、営業フローなどの立ち上げ費用
- 営業リスト費:リスト作成・購入・精査などにかかる費用
- ツール費:CRM、SFA、MA、電話システムなどの利用費
- マネジメント費:定例会、分析、改善提案、品質管理などの費用
- 追加チャネル費:電話以外のメール・フォーム・手紙などを利用する場合の費用
- 最低契約期間:何か月から契約できるか、途中解約条件はどうなっているか
- 最低稼働量:専任人数、稼働時間、最低リード数などの条件があるか
見積もりを比べるときは、月額だけではなく、初月に必要な費用、月額に含まれない項目、契約終了時に受け取れるデータや成果物まで確認しましょう。
内製と外注のコストはどう比較する?
外注が安いか、内製が安いかは一律には決まりません。外注費と社員の給与だけを比べるのではなく、必要なコストを揃えて比較します。
| 内製で発生する主なコスト | 外注で発生する主なコスト |
| 採用・求人 | 初期設計・導入費 |
| 給与・社会保険等 | 月額・成果報酬 |
| 教育・研修 | リスト・ツール等の追加費用 |
| マネジメント | 社内窓口・定例会対応の工数 |
| CRM・SFA等のツール | 契約管理・品質確認の工数 |
短期間の検証や営業人員不足への対応では外注が使いやすい場合があります。一方、長期的に大規模な組織を運営し、自社に営業ノウハウを蓄積したい場合は内製が適することもあります。
1有効商談あたりの費用も確認する
料金体系が違う会社を比較するときは、月額やアポイント単価だけでなく、最終的に自社が必要としている成果単位へ換算すると比較しやすくなります。
1有効商談あたりの概算費用 = インサイドセールスにかかった総費用 ÷ 有効商談数
さらに受注まで追える場合は、受注1件あたりの営業コストまで確認すると、商談数だけでは分からない費用対効果を判断できます。
インサイドセールスを業務委託する前に決めておきたい7項目
- 外注する目的:SDR強化、BDR立ち上げ、休眠リード掘り起こしなど
- 委託範囲:リスト、実行、ナーチャリング、CRM入力、改善など
- ターゲット:業界、企業規模、部署、役職など
- 有効商談の定義:どの条件を満たせば成果とするか
- KPI:接続率、有効会話率、商談化率、有効商談数など
- 情報共有方法:CRM・SFA、レポート、定例会など
- 利用期間:検証期間、最低契約期間、内製化予定など
この7項目を揃えてから見積もりを取ると、会社ごとの提案内容や料金を比較しやすくなります。
インサイドセールス代行会社を比較したい場合
費用だけでなく、SDR・BDR、ナーチャリング、戦略設計、CRM・SFA運用などの対応範囲から代行会社を比較したい方は、インサイドセールス代行会社11社の比較記事も参考にしてください。
同じ条件で複数社へ相談し、「何をどこまで任せられるか」「成果をどう定義するか」「契約終了後にどのデータ・ノウハウが残るか」まで比較することが重要です。
インサイドセールス代行の費用に関するよくある質問
インサイドセールス代行は月額いくら必要ですか?
依頼範囲・稼働量・ターゲット・契約形態によって異なります。月額固定型では月額数十万円台からのサービスが見られますが、戦略設計や複数名の専任体制、BDR、ナーチャリングなどを含めると金額は変わります。月額だけでなく、含まれる業務範囲を確認してください。
成果報酬型と固定報酬型はどちらが安いですか?
一概には決められません。成果件数、1件あたりの単価、固定報酬で確保できる稼働量、有効商談率などによって変わります。自社の想定商談数で総額を試算し、成果の定義を揃えて比較しましょう。
小規模でもインサイドセールスを外注できますか?
対応可否は会社によって異なります。専任チーム型では最低稼働量や最低契約期間が設定される場合があるため、少量から始めたい場合は対応範囲・契約期間・最低料金を確認しましょう。
SDRとBDRのどちらを依頼すべきですか?
問い合わせ・資料請求など既存リードを追い切れていない場合はSDR、新しく狙いたい企業・業界へ自社からアプローチしたい場合はBDRが候補になります。両方必要な場合は、優先順位とKPIを分けて設計しましょう。
見積もりは何社くらい比較すべきですか?
社数を増やすことより、同じ条件で比較できることが重要です。委託範囲、対象企業、有効商談の定義、期間などを揃えて複数社へ相談すると、価格差の理由を判断しやすくなります。
インサイドセールス代行会社探しなら「コンペル」
インサイドセールス代行の費用は、料金体系だけでなく、委託範囲やターゲット、成果の定義、運用支援の内容によって変わります。
「自社の場合はいくらくらいになるか知りたい」「SDR・BDRのどこまで任せるべきか分からない」「同じ条件で複数社を比較したい」という場合は、コンペルにご相談ください。営業代行探しの専門アドバイザーが、ご希望の条件に合う会社探しをサポートします。ご利用料金はかかりません。
この記事の監修者
鶴田克之
株式会社ジャパンプ取締役
営業歴20年以上。様々な業界の営業代行を担当し、
楽天やミスミなど大手企業の営業支援も経験。
新規開拓に加え、営業チームの立ち上げ・マネジメントにも携わる。
営業代行の発注設計と会社選定(相場・依頼範囲)に関する内容を監修。
岡林洋祐
株式会社ジャパンプ取締役
営業歴15年以上。様々な業界の営業代行を担当。
リクルートやキーエンスなど大手企業の営業支援も経験。
スクリプト改善や架電運用の最適化など、現場で成果を出す実務に強みを持つ。
営業代行で成果を出すための運用設計(品質管理・改善・教育)に関する内容を監修。


