採用活動において、「採用動画」を活用する企業が増えてきました。SNSが身近になった現在、採用動画は企業と求職者をつなぐ大きな役割を果たす効果的な施策となります。そんな中で、「採用動画にはどのような効果があるかわからない」「採用動画の種類やメリットを知りたい」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
本記事では、採用動画の種類やメリット、制作時のポイント、昨今のトレンドなど、採用動画について紹介しています。採用動画の導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください!
1.採用動画とは?
採用動画とは
採用動画とは採用活動において、会社に関わる様々な事柄を動画で発信し、求職者に理解を深めてもらうコンテンツのことを言います。具体的には、経営者からのメッセージや、社員の仕事内容、職場の様子などを動画にしたものです。求職者に動画を見てもらうことで、会社の雰囲気や仕事内容、メッセージを伝える役割を持っています。
コンテンツの種類
◆企業認知・ブランディング
企業の魅力や、ミッション、採用コンセプトなど、企業認知を目的とした動画です。
◆会社説明
展開している事業や、自社製品、会社の歴史、募集職種などを説明するための動画です。
◆職場紹介
従業員が働いているオフィスや工場を紹介するための動画です。
◆社員インタビュー
実際に現場で働いている社員にインタビューをすることで、職場の雰囲気や実務内容、やりがいなどを伝えるための動画です。
◆社長・経営者メッセージ
企業の経営方針を伝えるための動画です。また、会社のトップがどういう人なのかも伝えることができます。
◆座談会
社員同士が会社の仕事など、様々な事柄について語り合います。
◆説明会
企業説明会の様子を動画にしたものです。
効果
◆知名度の向上
採用目的であっても、動画見る人はさまざまです。企業のサービスや商品の良さを広く世間に知ってもらえる機会となります。
◆会社の良さが伝わりやすい・イメージの向上
実際に映像を見てもらうことによって、会社に対するイメージがより鮮明になります。良いイメージを与えることができれば、イメージ向上になります。
◆採用プロセスの効率化
一度動画を制作すれば繰り返し使用できるので、採用担当による説明を省くことができたりなど、業務が効率化することができます。
◆求職者が気軽に見ることができる
文章を読むよりも楽なので、会社のコーポレートサイトを見るよりも、気軽に見てもらえる可能性が高いです。
◆求職者の印象に残りやすい
動画による動きや音が、印象に残るだけでなく、求職者の興味が興味を持ちやすくなります。
◆安心感を与えることができる
職場の雰囲気や仕事内容が把握できるため、求職者に安心感を与えることができます。不安を抱えている求職者は多いと思うので、安心感を与えることで応募に促すことができるでしょう。
2.採用動画を取り入れるメリット
知名度の向上
制作した動画は、自社のSNSでも活用することができるので、さまざまなところで発信することができます。また、求職者側が動画を拡散することもあるので、拡散力が強く、知名度が向上しやすいです。
企業イメージの向上
採用動画には、企業のアピールポイントや長所などが盛り込まれているので、魅力を思う存分に伝えることができます。求職者の志望度が向上するようにアピールをすることで、より良い人材の獲得に繋がる可能性が高まります。
会社の魅力が伝わりやすい
実際に映像にすることで、より鮮明で正確な情報を伝えることができます。言葉よりも伝わりやすいというメリットがあります。
採用コストの削減
一度に多くの求職者へのアピールが可能になるだけでなく、短い時間で多くの情報量を伝えることができ、且つ伝える場所を選ばないので採用業務の効率化をにつながります。
求職者の志望度の向上
企業で実際に働くことのイメージを具体的で的確に伝えることができるので、志望度の向上につながりやすいです。
企業と求職者間のミスマッチの防止
企業のありのままのイメージを伝えることができるだけでなく、疑問や不安を解消することもできるので、マッチングの精度を高まります。
3.デメリット
制作費用が高額になりやすい
制作を外注した場合、完成まで時間がかかるのはもちろん、撮影機材や編集の費用が高額になります。また、会社によっては動画の修正に追加費用が掛かる場合もあります。修正保証を設けている会社もあるので、そういった面も考慮するといいでしょう。
情報のアップデートが必要になる
制作後の数年間で、会社の情報が変わる場合もあります。古い情報のままにしないためにも、定期的に動画を新しくしたりするなど、編集が必要です。変更にコストをかけたくないという場合は、絶対に変化しない情報だけを動画にするという方法もあります。
必ず応募者が増えるとは限らない
動画制作の目的を明確にしなければ、ペルソナの設定ができず、求職者の共感を得ることができない動画になってしまう場合もあります。伝えたい内容や目的を明確にしてから制作をしましょう。また、値段が安いという理由だけで依頼をすると、低クオリティの動画になってしまうことがあるので、プラン内容の確認が必要です。
通信制限という理由から、疎遠される可能性
内容によっては、悪い印象を与えてしまう
企業のイメージと逸れた動画を制作してしまうと、逆に悪いイメージを与えてしまうこともあります。伝えたいターゲットを明確にして制作することが大切です。
得たい情報をピンポイントで検索しにくい
4.制作時の予算相場
動画制作の予算相場や撮影期間、特徴をまとめてみました。基本的には10万~60万で制作することができますが、高額になれば200万円程度かかる場合もあります。動画の長さや盛り込む内容によって変わってくるので、参考程度に見てみてください。
動画の種類 | 料金 | 撮影期間 | 完成するまで | 特徴 |
企業紹介 | 30〜60万円 |
1日程度
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~1カ月半 |
比較的短期間での制作可能。手軽に制作できる。
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座談会 |
10〜30万円
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1日程度
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~1ヶ月半
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比較的短期間での制作可能。手軽に制作できる。
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インタビュー |
10~80万円
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1日程度
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1~2ヶ月
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比較的短期間での制作可能。手軽に制作できる。
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密着型 |
80~200万円
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1~3日
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1.5~2.5ヶ月
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撮影に時間がかかり、機材の調達も必要。
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ドキュメンタリー |
200万円~
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3日以上
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2.5ヶ月以上
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撮影や演技などもすべてプロに任せることが多い。撮影から完成まで時間がかかる。
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5.制作時のポイント
求職者視点に立つ
求職者に向けた動画であるため、求職者のニーズを理解する必要があります。求職者の関心や共感を考慮しながら、求めていることを発信しましょう。求職者の不安和らげるようなコンテンツを含む動画であれば、企業の好感度アップにもつながっていきます。
コンセプトがぶれないようにする
コンセプトは、会社の雰囲気や目指すものに合わせて設定されます。そのコンセプトを一貫させ、ぶれないようにしましょう。例えば、社長の動画と現場の社員の密着動画を制作する場合。2つの動画で方向性が違っていると、求職者は共感しきれないかもしれません。各動画でしっかりとコンセプトをそろえることで、共感者が増え、採用動画は最大効果を発揮します。
ターゲットや目的を明確にする
しっかりとペルソナを設定しましょう。企業の何をアピールしたいのか、どのような人に応募してほしいのか、活用方法を明確にしましょう。
理想と現実の両方を盛り込む
企業の良いところだけではなく、企業のカルチャーや社員の人柄、オフィスの雰囲気など、満遍なく公開しましょう。リアルな姿も見せることで、ミスマッチを防ぐことができます。
制作方法やコンテンツの種類を決める
自作するのか、外注するのか、検討しましょう。自作する場合、コストは安いですが機材の調達や人材確保が大変です。外注する場合、コストは高いですが、クオリティの高い動画を制作することができます。また、どのような動画を作るのかも、ペルソナや発信方法に合わせて決定しましょう。
最適な媒体を選択する
少しでも多くの人に閲覧してもらうために、最適な媒体を選択しましょう。説明会での上映や自社サイトでの掲載、採用サイトの掲載、YouTubeなどの各種SNSなど、公開する媒体は多くあります。媒体を上手く選定し、動画を活用しましょう。
発信するメディアに合わせて制作する
6.昨今のトレンド動画
◆インタラクティブ動画
配信者と視聴者の双方向でのやり取りが可能な動画です。印象に残るという効果や理解促進が期待できます。
◆ドキュメンタリー動画
社員に密着する動画です。職場の様子や社員のインタビューが盛り込まれたドキュメンタリー動画であれば、入社後のイメージがつかみやすく、求職者の不安解消へつなげることができます。
◆アニメーション動画
編集ソフトなどを使用し、イラストや文字に動きを加えた動画です。複雑な情報でも、わかりやすく整理して伝えることができます。
◆縦型のショート動画
スマホ画面に対応した動画です。約1分くらいで視聴が完了できるため、視聴完了率が高く、気軽に視聴することができます。
7.データから見る採用動画の需要
学生からの需要大!
アンケート調査によると、約6割の学生が動画サイトやYouTubeを利用し、採用動画を視聴しているという結果が出ています。(レバレジーズ・プルークスの合同調査から)採用動画を視聴したことによって、会社への入社志望度がアップしていたりなど、採用動画の需要は高まっていると言えるでしょう。
1番需要がある動画の尺とは?
Google社とMondelez社による「動画の長さ(15秒・30秒・2分17秒)による視聴時間への影響」調査によると、1番視聴時間が長かったのは「30秒」の動画でした。この結果から、動画は短尺の内容である方が需要が高いと言えるでしょう。学業などで忙しい学生にとって、通学のすきま時間などで視聴できる短尺の動画のほうが需要が高いのかもしれませんね!
どのような動画がいいのか?
スマートフォンが普及した今、パソコンよりもスマートフォンを利用している人のほうが多いかもしれません。採用動画を作る際、動画の形式に迷う方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
MOBERCIAL社による「スマートフォンの動画視聴実態調査」では、20代のうち約4割の人がスマートフォンを利用して縦向きの動画を視聴しているという結果が出ました。さらには、SNSの利用率も年々高まっており、SNSが与える影響も大きくなっています。採用動画を制作する際には、「SNSでの拡散しやすさ」も見据えた制作が必要になるかもしれません。そういったことも含め、縦型動画を制作することもおすすめできます。
8.採用動画の事例3選を紹介!
ここまで、採用動画について徹底解説してきました。しかし、具体的なイメージがわかないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、より鮮明なイメージを持っていただくために、採用動画を取り入れている企業様の事例を3つ紹介していきます!
株式会社メディックス
動画時間:5分33秒
株式会社メディックスは、デジタルマーケティングを総合的に支援しているインターネット広告代理店です。この動画は、メディックスについての会社紹介動画です。会社の事業や風土、やりがい、今後のビジョンなどを、現場社員へのインタビューを通して、企業を全面的に紹介している内容になっています。
株式会社リクルート
動画時間:7分9秒
株式会社リクルートは、日本最大級の転職エージェントサービスを展開している会社です。この動画では、「PLAY RECRUIT, PLAY OPPORTUNITIES.」を採用コンセプトとして、インタビューを通し、社員1人1人の「PLAY RECRUIT」に対する想いが語られています。
清水建設株式会社
動画時間:2分57秒
清水建設株式会社は、オフィス、工場、学校、病院など、多岐にわたる建物の企画提案、設計、施工、運営・維持管理を行っているゼネコンです。この動画は、清水建設で実際に働いている社員へのインタビュー動画です。若手からベテラン社員まで、1人1人がインタビューを通して、「会社の魅力」について語っています。
9.まとめ
採用動画を上手く利用することで、大きな効果を発揮します。企業理念や社員の福利厚生、働き方、誇れる商品など発信したいことがたくさんあるかもしれませんが、目的を絞ることが大切です。求職者の印象に残ることを意識しながら、明確なターゲット設定や求職者のニーズの把握、伝えたい自社の魅力を盛り込んだ動画を制作しましょう。求職者が「この会社で働きたい!」と思える動画を制作して、良い人材の確保につなげましょう。