営業代行を検討しているものの、「うちの業種でも本当に効果が出るのだろうか」と不安に感じていませんか?
営業代行は業種によって向き・不向きがあり、自社に合った活用方法を見極めることが大切です。
本記事では、営業代行に向いている業種・向いていない業種を具体的に整理し、あわせて依頼すべきかを判断する基準も詳しく解説します。
信頼できる営業代行会社のおすすめ例も紹介しています。
自社に最適な営業支援体制をつくりたい方は、ぜひ参考にしてください。
営業代行が向いている業種
営業代行はすべての業界に適しているわけではありません。
特に成果が出やすい業種があります。
営業代行を効果的に活用できるかどうかは、自社の業界特性やターゲット市場に大きく左右されます。営業代行が向いている代表的な業種は、以下のとおりです。
- IT・SaaS業界
- 人材紹介・派遣業界
- Web制作・デジタルマーケ業界
- 製造業(BtoBメーカー)
- 士業
それぞれの業種がなぜ営業代行と相性が良いのか、詳しく見ていきましょう。
IT・SaaS業界
IT・SaaS業界は営業代行と相性が良く、スピーディーにリードを獲得できる可能性が高い業種です。
無形商材で提案型営業がしやすく、ターゲット企業も明確に絞りやすいため、大量アプローチや効率的なナーチャリングに向いているからです。
例えば、以下のような商材・ターゲット設定が営業代行と親和性が高いです。
商材例 | ・ITインフラ導入支援サービス
・業務効率化・DX推進向けのSaaSプロダクト |
ターゲット層 | ・中小〜中堅企業の情シス部門・総務部門
・業務効率化に課題を感じているバックオフィス担当者 |
IT・SaaS業界はターゲット選定と提案内容を型化しやすいため、営業代行を活用すれば、短期間で新規開拓を加速できるでしょう。
人材紹介・派遣業界
人材紹介・派遣業界も、営業代行との相性が良い業種の一つです。
理由は、ターゲット企業が広く存在し、かつ「今すぐ人材が必要」などのニーズを持つ企業を短期間で見極めやすいからです。
例えば、以下のようなケースで営業代行の効果が発揮されます。
商材例 | ・ITエンジニア専門の人材紹介サービス
・医療・介護系の特定分野派遣サービス |
ターゲット層 | ・中小企業の人事・採用担当者
・即戦力人材の確保に困っている事業部長 |
人材ニーズは時期や景気に左右されやすいですが、タイミングさえ合えば短期間で成果を上げやすい業界です。
営業代行を活用すれば、リード獲得のスピードを大幅に高めることができるでしょう。
Web制作・デジタルマーケ業界
Web制作・デジタルマーケ業界は、営業代行との相性が良い業種です。
ニーズのある企業に対して、提案型の営業を通じて受注につなげやすい構造をしているからです。
Web制作・デジタルマーケ業界では、ターゲットとなる企業の課題(Web集客が弱い・サイトが古い・LPがないなど)が明確なことが多く、商談化の可能性が高くなります。
代行会社側もトークやスクリプトをテンプレート化しやすいため、成果に直結しやすいのが特徴です。
具体的には、以下のような商材やターゲットで成果が出やすくなります。
商材例 | ・コーポレートサイト制作
・LP(ランディングページ)制作 ・SEO・Web広告運用支援 |
ターゲット層 | ・中小企業のマーケティング担当者・経営者
・オンライン施策に課題を抱える地方企業 ・DX対応を検討している老舗企業 |
ニーズが顕在化しやすく、競合との差別化ポイントも作りやすいこの業界では、営業代行を活用すれば、見込み顧客との接点を効率よく増やしやすいでしょう。
製造業(BtoBメーカー)
製造業(特にBtoBメーカー)は、営業代行を活用すれば効率的に新規開拓を進められる業種です。
なぜなら、取引先の多くが法人で、業界や業種によってニーズがある程度明確なうえ、定型的な製品紹介や課題ヒアリングが型化しやすいからです。
製造業では、まだIT化やデジタル営業が進んでいない企業も多く、「展示会後のフォロー」「既存顧客への掘り起こし」「地方エリアの新規開拓」など、営業代行が力を発揮しやすいシーンが豊富です。
特に成果が出やすいケースは以下のとおりです。
商材例 | ・機械部品・工業資材のOEM製品
・製造装置・検査機器などの業務用ハード ・生産性向上を支援するソリューション型商材 |
ターゲット層 | ・製造業の購買・調達部門
・設計・開発部門のリーダー層 ・地方の製造拠点・工場を持つ企業群 |
業種特有の製品知識が必要でも、基本的な商談プロセスが標準化しやすいため、スクリプト・フロー設計次第で外部人材でも成果が出しやすいのが特長です。
士業
士業は営業代行との相性が良く、専門スキルを活かしながら集客・営業活動を外部に委託できる業種です。
どれだけ優れた知識・経験を持っていても、営業が苦手だったり、営業活動に時間を割けなかったりする士業は意外に多いからです。
特に、営業代行が強みを発揮しやすい士業の特徴は以下のとおりです。
- 顧客ターゲット(法人・個人)が明確に設定できる
- サービスメニューがパッケージ化しやすい(例:顧問契約、申請代行)
- リード獲得後、クロージングは士業本人が担当するため代行会社の負担が少ない
士業にとって営業代行をうまく活用できれば、本業である専門サービス提供に専念できる環境が整うでしょう。
営業代行が向いていない・注意が必要な業種
営業代行は多くの業種で効果を発揮しますが、中には注意が必要な業界・ビジネスモデルも存在します。
特に以下のような業種では、営業代行だけに頼るのは難しい場合があります。
- 専門知識が必須な業界
- 高額・長期の営業案件
- 現場作業・対面主軸のビジネス
上記のような業種では、営業代行を導入する際により慎重な設計や連携体制が求められるため、自社との相性をよく見極めることが大切です。
それぞれの業界の特徴を確認していきましょう。
専門知識が必須な業界
営業代行を活用する場合でも、専門知識が求められる業界では、営業代行に向いていない可能性があります。
高度な専門用語や深い製品知識がなければ、ターゲット企業との信頼関係を築くのが難しいからです。
特に、営業トークだけで簡単に理解・提案できない商材では、表面的な対応になってしまうリスクがあります。
例えば、以下のような業界では十分な知識と経験がないと営業が成立しにくいでしょう。
医療機器業界 | 高度な医療知識・法規制対応が必要 |
特殊製造業 | ニッチな部品・材料に関する技術的な理解が不可欠 |
バイオ・化学分野 | 専門的なプロセスや研究開発背景の理解が必要 |
上記のような業界では、営業代行を検討する場合も、研修体制を整えたり、特化型の営業代行会社を選んだりする工夫が必要になります。
高額・長期の営業案件
営業代行は万能ではなく、高額・長期の営業案件には向かない場合もあります。
なぜなら、高額商材や大型案件は、顧客との関係構築に時間を要し、信頼醸成や深いニーズヒアリングが必要になるからです。
単発的なアプローチや短期的な成果を求めがちな営業代行スタイルでは、成約に至るまでのプロセスを十分にカバーしきれないことがあります。
例えば、以下のような商材・案件では特に注意が必要です。
大型建設プロジェクト | 提案から契約締結まで1年以上かかるケースも |
高額ITシステム導入 | 複数部署との調整・長期検討が必要 |
M&A仲介・事業承継サポート | 信頼関係重視・商談期間が長期化しやすい |
高額・長期案件に取り組む場合は、自社内で専任担当を育成するか、密な連携が可能な特別チーム型の営業支援を検討する方が成果につながりやすいでしょう。
現場作業・対面主軸のビジネス
現場作業や対面業務を中心とするビジネスでは、営業代行の効果が出にくい傾向があります。
なぜなら、こうした業種では顧客との直接対応・現場感覚が重視され、外部の営業代行では細かなニュアンスや即時対応が難しいケースが多いからです。
実際の作業現場を把握している自社スタッフでなければ、顧客満足につなげにくい場面も少なくありません。
具体例を挙げると、次のような業種では特に注意が必要です。
飲食業界 | 現場対応・予約管理・ホスピタリティ重視 |
介護業界 | 利用者との信頼関係・即時の問題解決が必須 |
小売業(実店舗) | 接客スキルや商品知識が重要 |
現場・対面中心のビジネスでは、営業代行に丸投げするのではなく、自社内で現場を理解した営業体制を強化する方が、安定した成約やリピートに結びつきやすいでしょう。
なお、営業代行に向いている「商材」に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
「営業代行に向いている商材の特徴と見極め方|向かないケースも解説」
営業代行を依頼すべきかの判断基準
営業代行を活用すべきか迷ったときは、いくつかの基準をもとに冷静に判断する必要があります。
特に、以下のポイントを整理すれば、依頼の適否を見極めやすくなります。
- 案件単価と営業代行コストのバランス
- 自社の営業リソースの状況
- 必要なスピード感
- 営業ノウハウ・仕組みの補完ニーズ
これらを踏まえて、営業代行が本当に自社に必要かどうかを検討していきましょう。
ここからは、それぞれの判断基準を詳しく解説していきます。
案件単価・依頼コストのバランスは取れているか?
営業代行を依頼する際は、案件単価と営業代行コストのバランスを必ずチェックする必要があります。
案件単価が低すぎると、せっかく営業代行を使ってもコストに見合った利益が得られず、赤字リスクが高まるからです。
具体的には、以下のようなイメージで考えるとよいでしょう。
- 案件単価10万〜50万円程度が目安
- 低単価(数万円以下)の場合、営業代行費用と釣り合わないことが多い
- 高単価(100万円超)でも、営業サイクルが長すぎると別の課題が生じる
上記の金額はあくまでも目安です。金額だけを鵜呑みにせず、必ず自社の商材単価、LTV(顧客生涯価値)、依頼したい業務内容と、営業代行会社の見積もりを照らし合わせて、費用対効果を慎重にシミュレーションしておきましょう。
自社の営業リソースの余裕は?
営業リソースが不足している場合は、営業代行の活用を検討しましょう。
営業専任者の不足や、既存チームだけでは新規開拓まで手が回らない状況では、自社だけで成果を出すのが難しいからです。
営業リソースに課題があるケースは、例えば以下のような状況です。
- 社内に営業専任者がいない、または人数が極端に少ない
- 既存顧客対応に追われ、新規開拓の時間が取れない
- 新規事業・新サービス立ち上げ時に営業チームを確保できない
営業リソースが十分にある場合は内製で問題ありませんが、リソースが不足しているなら、営業代行を活用して新規開拓をスムーズに進める体制を整えるのが得策です。
スピード感が求められているか?
短期間で成果を求める場面では、営業代行の活用が有効です。
立ち上げ期や新規事業では、スピーディーにリード獲得・商談創出を進める必要があり、通常の自社営業だけでは間に合わないケースが多いからです。
スピード感が特に求められるケースには、以下のようなものがあります。
- 新規事業や新サービスの立ち上げで、短期での市場認知・開拓が必要
- 出資を受けたスタートアップで、早期に売上実績を作りたい
- 大型展示会・イベント後に、リードへの速攻アプローチを実施したい
スピードが勝負となる局面では、即戦力となる営業代行を活用し、早期に成果を出す体制を整えることが必要です。
営業ノウハウを即戦力で補いたいか?
自社に営業ノウハウが不足している場合は、営業代行を活用して即戦力を補う選択を検討しましょう。
営業代行会社は、リスト作成やトーク設計、リード育成などの「営業プロセス構築」のノウハウを持っており、ゼロから自社内で作るよりもスピーディーかつ精度高く実行できるからです。
営業ノウハウを即戦力で補いたい場面は、以下のようなケースが考えられます。
- 新規市場への進出にあたり、アプローチ戦略を一から設計する必要がある
- 既存営業チームが訪問・提案には強いが、リード獲得スキームがない
- これまで紹介や縁故中心だったため、新規開拓ノウハウが不足している
市場開拓や営業基盤づくりを急ぎたい場合は、営業代行のノウハウと実行力を積極的に活用すると良いでしょう。
おすすめの営業代行会社3選
営業代行を活用する際は、自社の業種や営業課題に合った会社を選ぶことが大切です。
ここでは、特定の分野に強みを持つ営業代行会社を3社紹介します。
- セレブリックス
- セイヤク
- リック・トラスト株式会社
それぞれの特徴を順番に紹介していきます。
セレブリックス|IT/SaaS・BtoBに強み
引用:セレブリックス
会社名 | 株式会社セレブリックス |
対応地域 | 全国対応(本社:東京) |
費用・契約形態 | 月額固定報酬型(要見積もり) |
最低契約期間 | 3ヶ月以上(2名体制〜) |
導入実績例 | 1,300社以上支援(例:IT・SaaS企業の新規開拓から受注まで包括支援) |
セレブリックスは、26年以上の実績を持つ大手営業支援会社です。
これまでに1,300社以上・12,600商材以上の営業支援を手がけており、市場調査から商談・クロージング、カスタマーサクセスまで、営業プロセス全体をワンストップで代行できる点が特徴です。
特に、過去の膨大な成功・失敗データを活用して、クライアントごとに最適な営業手法を導き出す独自メソッドに定評があります。
営業組織の改善コンサルティングや営業研修の支援実績も豊富で、単なる「代行」以上の成果を求めたい企業に向いています。
こんな企業におすすめ |
・営業プロセス全体をプロに任せて効率化したい企業
・豊富なデータに基づく再現性の高い営業手法を導入したい企業 ・自社に営業部隊がなく、ゼロから営業戦略・組織を構築したい企業 |
セイヤク|人材業界・リード獲得に実績
引用:セイヤク
会社名 | 株式会社ウィルオブ・ワーク(サービス名:セイヤク) |
対応地域 | 全国対応(本社:東京) |
費用・契約形態 | 固定報酬型(成果報酬は要相談) |
最低契約期間 | 要問い合わせ(案件に応じて応相談) |
導入実績例 | 大手企業の営業支援実績多数(業界問わず) |
セイヤクは、営業と販売領域で20年以上の実績を持つ人材サービス会社、ウィルオブ・ワークが運営するBtoB営業支援サービスです。
営業代行のみならず、営業戦略立案・営業研修・営業コンサルティングまで幅広く支援できるのが特長です。
固定メンバーによる専門チームを構築し、正社員採用による安定した人材供給・定着支援を行うため、長期的な営業力強化にも対応できます。
営業支援ツール「BALES CLOUD」との連携により、営業プロセス全体をデジタルで支援する体制も整っています。
顧客獲得から商談・クロージング、フォローアップまで、営業活動の各フェーズをまるごとカスタマイズして代行できる柔軟性も大きな魅力です。
こんな企業におすすめ |
・営業専任者がいない・不足しているスタートアップ企業
・営業プロセス全体を設計から任せたい企業 ・安定した営業チームを求める企業 ・営業支援ツールを活用しながら効率的に営業力を強化したい企業 |
リック・トラスト株式会社|士業特化の営業支援・提携開拓に強み
引用:リックトラスト株式会社
会社名 | リック・トラスト株式会社 |
対応地域 | 全国対応(本社:大阪) |
費用・契約形態 | 要問合せ(提案内容に応じたカスタマイズ契約) |
最低契約期間 | 応相談(短期集中プランも可) |
導入実績例 | 士業特化で豊富な実績(司法書士事務所の新規顧客開拓、社労士と介護施設の提携支援など) |
リック・トラスト株式会社は、行政書士・税理士・社労士などの士業に特化した営業代行・営業支援会社です。
「紹介頼みの集客」から脱却し、独自の営業ルートを開拓したい士業事務所に向けた支援を得意としています。
営業代行にとどまらず、専門サイトの制作やWebマーケティングを活用した見込み客獲得支援、士業同士・他業種との業務提携交渉サポートにも対応可能です。
特に、士業の枠を超えた提携支援に実績がある点が特徴です。
こんな企業におすすめ |
・紹介ルートに依存せず、安定した新規開拓を目指したい士業事務所
・営業代行+Web集客も組み合わせて、幅広くリードを獲得したい企業 ・異業種との業務提携で、販路やサービスの幅を広げたい行政書士・税理士・社労士・弁護士 |
まとめ|営業代行に依頼する際は業種の向き不向きを見極めよう
営業代行は、業種によって向き・不向きが大きく分かれるサービスです。
IT・SaaS、人材紹介、士業、製造業などは比較的相性がよい一方で、専門知識が必須な業界や長期・高額案件を扱う業界では注意が必要です。
依頼コストと案件単価のバランス、自社の営業リソース、スピード感、営業ノウハウの有無といった観点も、営業代行を検討するうえで重要な判断基準です。
本記事を参考に、自社の状況に合わせて「営業代行を活用すべきか」「どの会社を選ぶべきか」を冷静に見極め、最適な営業体制づくりに役立ててください。