私たちが普段、スーパーやコンビニで買い物をしたり、カフェやレストランなどで食事をしたりした場合、消費税がかかります。消費税とは「消費をする」という行為に課税される税金です。そんな風に身近にある消費税ですが、「自分たちが買い物代や飲食代に上乗せして支払った消費税は、その後どうなるのか」ということについてはご存じですか?

消費税のその後を簡単に説明すると、「会社・個人事業主が、お客さんから受け取った消費税を取りまとめたのち、国に納める」ということになります。実際はその過程で細かいルールが設けられています。

今回の記事では「自分の会社規模が大きくなり消費税の課税事業者となった場合、最低限知っておくべきこと」に限定して詳しく解説します。これから会社を大きくしていきたい方や、まずは情報を知っておきたいという方は、ぜひこの記事を参考にされてください。

 

1.すべての会社・個人事業主が払うわけではない

そもそも、消費税は全ての会社・個人事業主が国に納める訳ではありません。ある程度の支払能力があると思われる会社に対してのみ納税が義務付けられています。

1.課税事業者の条件

では、具体的に「消費税を支払う義務が生じる会社・個人事業主(課税事業者)」になるのは、どんな条件を満たしたときなのでしょうか。順を追ってみていきましょう。

1.資本金1,000万円以上の事業者

平成18(2006)年に商法が改正されたことで、それまで1,000万円と定められていた、株式会社における最低資本金が撤廃されました。これにより、資本金1円からでも株式会社が設立できるようになりました。

とはいえ、本格的にビジネスを進めていこうとした場合には、できるだけまとまったお金が必要となります。消費税法においても、この考え方は用いられており、資本金1,000万円以上の会社であれば、それなりに経営体力がある=消費税を納税できると判断されるため、課税対象者として扱われます。

2.売上高1,000万円を超えた事業者

また、資本金が1,000万円未満であっても、基準期間(課税期間の前々年度)の課税売上高が1,000万円を超えた場合に課税事業者として扱われます。

なお

・課税期間:税金(今回の場合は消費税)を申告するための計算単位となる期間
・基準期間:税金(今回の場合は消費税)の納付義務を判断する基準となる期間

となります。例えば、令和元年に開業届を出して個人事業主が、初年度からビジネスがうまくいき、1,000万円を超えるほどの課税売上高をあげたとします。この場合、令和3年度から消費税を支払う義務が生じる(課税事業者として扱われる)ことになります。

3.これらの条件を満たさない場合でも課税事業者になることも

既に触れた2つの条件を満たさない場合でも、課税事業者として扱われることがあります。

1-1.一定の要件を満たす新設法人

資本金1,000万円未満で、設立間もないために基準期間すら設定できない場合であっても、以下の2つの条件を満たす場合は、課税事業者として扱われます。

・株主から直接または間接に50%超の株式等の出資を受けているなど、実質的にその株主に支配されている
・上記の株主またはその株主と一定の特殊な関係にある法人のうち、いずれかの基準期間に相当する機関における課税売上高が5億を超える

こういった場合、初年度から消費税を納税するだけの余力があると考えられるため、課税事業者として扱われます。

1-2.「特定期間」の売上高が1,000万円を超えた時

会社を始めて半年の売り上げが1,000万円を超えた場合も、経営体力があるとみなされて課税事業者となります。

つまり、特定期間(事業年度開始日から6か月間、個人事業主であれば前年の1月1日から6月30日まで)の売上高が1,000万円を超えた場合は、課税事業者として扱われます。

また、ビジネスが好調であれば、半年間で従業員に払う給料の総額が1,000万円を超えることもありえます。このように、特定期間における給与等の総額が1,000万円を超える場合も、課税事業者として扱われるため、確認しておきましょう。

 

2.計算方法には2種類ある

実際に消費税を納める場合には、実際課税される消費税を計算しておく必要があります。
計算方法は以下の2種類です。

1.原則課税方式とは

課税売上高から課税仕入高を引いた額に、税率をかけて求める方法です。

オーソドックスな方法であるものの、取引の中に非課税取引(消費税が課されない取引)などが含まれていた場合は、改めて課税売上高に対応する仕入高を求めなくてはいけません。このための事務作業をするだけでも時間がかかってしまうため、規模が小さい会社では実行が難しい点がデメリットです。

2.簡易課税方式とは

一方、より簡単な方法として設定されているのが、簡易課税方式です。

課税売上高に、業種によって定められたみなし仕入率をかけた額を課税仕入高とする方法です。なお、業種ごとのみなし仕入率は以下の通りです。

・第1種事業(卸売業):90%
・第2種事業(小売業):80%
・第3種事業(製造業等)農林・漁業、建築業、製造業など: 70%
・第4種事業(その他)飲食店業など:60%
・第5種事業(サービス業等)運輸・通信業、金融・保険業、サービス業:50%
・第6種事業(不動産業):40%

例えば、小売業を営んでいる事業者のある年の課税売上高が3,000万円とします。これに対応する消費税額は、消費税率を10%として300万円となります。次に、仕入税額控除は課税売上の80%とみなして計算しなくてはいけません。つまり、控除仕入税額は3,000万円×10%×80%=240万円、差引納付税額は300万円―240万円=60万円となります。

 

3.会社と個人事業主では納期限が異なる

課税事業者として扱われる条件に当てはまりさえすれば、会社(法人)であっても、個人事業主であっても、消費税は納める義務があります。しかし納期限の扱いはそれぞれで大きく異なります。

1.会社(法人)の場合

まず、会社(法人)の場合、決算期末の翌日から2カ月以内に支払わなくてはいけません。

例えば3月決算の場合であれば、5月31日までに支払う必要があります。ただし、この日が土曜日・日曜日・祝日の場合は、休み明けの最初の日が期限として扱われます。

2.個人事業主の場合

本来、個人事業主の消費税の申告・納付期限は毎年3月31日に設定されています。しかし、令和3(2021)年は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて特別に4月15日までと延長されています。

 

4.支払い方法が選べる

消費税は、支払い方法を比較的自由に選べる税金の1つです。

1.利用できる支払い方法一覧

2021年現在、消費税を支払う際に以下の5つの方法が選べます。

・指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する
・インターネット等を利用して電子納税する
・クレジットカードで納税する
・コンビニエンスストアで納税する
・納付書と現金を用いて納税する

なお、所得税や贈与税のように、延納の制度はないので気を付けてください。

2.クレカ払いの場合は手数料に注意しよう

・資金繰りの観点から、実際に現金が出ていく時期をずらしたい
・クレジットカードのポイント・マイルを貯めたい

上記のような理由でクレジットカード払いで消費税を納める場合、注意が必要です。消費税として納める金額が高くなる場合、それに応じて決済手数料も高くなるためです。

納付税額 決済手数料(税込)
1円 ~ 10,000円 83円
10,001円 ~ 20,000円 167円
20,001円 ~ 30,000円 250円
30,001円 ~ 40,000円 334円
40,001円 ~ 50,000円 418円

※これ以降も、同様に10,000円を超えるごとに決済手数料が加算される。

例えば、消費税として20万円を納付しなくてはいけない場合、決済手数料は1,672円かかります。つまり、0.836%が決済手数料となる計算です。クレジットカード払いをする場合は、ポイント還元率が高い(1.0%以上)ものを使わなければ損をしやすいことを注意しておきましょう。

3.30万円超えるとコンビニ払いはNG

手数料のかからない簡単な方法として、自分で作成したQRコードを使いコンビニで消費税を支払う方法があります。
※参考URL:コンビニ納付(QRコード)
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/conveni_qr_nofu/index.htm

 

2021年5月現在は

・ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ(いずれも「Loppi」端末設置店舗のみ)
・ファミリーマート(「Famiポート」端末設置店舗のみ)

で利用することが可能です。

簡単で便利な方法ですが、納める税額が30万円以下までのケースでしか使えません。30万円以下の税額で、会社や自宅の近くに対応しているコンビニがあるなら検討するとよいでしょう。

 

5.支払い義務が生じる、なくなる場合ごとに手続きが必要

消費税を支払う義務が生じる場合もなくなる場合も、どちらの場合も最寄りの税務署での手続きが必要です。
課税事業者に該当することになった場合は、すぐに手続きを進めましょう。

1.支払い義務が生じる場合の手続き

まず、支払い義務が生じる場合は「消費税課税事業者届出手続」を提出しなくてはいけません。

自分で出向く以外にも、税理士に代理を頼むか郵送することも可能です。
なお「どういう理由で課税事業者に該当することになったか」によって、提出すべき書類が異なるので注意してください。

※参考URL:消費税課税事業者届出手続(特定期間用)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_03a.htm

※参考URL:消費税課税事業者届出手続(基準期間用)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_03.htm

2.支払い義務がなくなる場合の手続き

一方、基準期間における課税売上高が1,000万円以下になった場合は、免税事業者となり、消費税の納付義務がなくなります。
その場合は、所定の届出書を提出しましょう。

※参考URL:消費税の納税義務者でなくなった旨の届出手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_05.htm

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回の記事では、課税事業者の対象となった場合に知っておくべき5つのポイントについてご紹介しました。

課税売上高が1,000万円を超すなど一定条件に該当する場合、この課税事業者の対象となります。企業か個人事業主かによっても納付期限が変わりますし、支払い方法も様々で、課税対象者となった場合もその逆の場合も手続きを行う必要があるなど、複数あるチェックしておくべきポイントを押さえました。これから自社企業やビジネスの規模を広げていきたい方は、ぜひ今回の記事を今後の参考にされてください。

 

 

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