情報はネットで集めるのが当たり前の現在。
「ネット上でユーザーに商品やサービスを認識してもらえるか」は企業が収益を上げる上で重要なポイントとなっています。

ネット上でコンテンツを提供するうえで、欠かせないのがSEO対策です。
「そもそもSEOとは何なのか?」と思われる方も多いかもしれません。

この記事では、初心者でもわかりやすいようSEOの基本について詳しく解説しています。

SEO対策の情報は常にアップデートされているため、いつから学び始めても遅くありません。SEO初心者の方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

1.SEO対策とは?

SEOとは「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の略語です。Webマーケティング施策の1つで、検索エンジンからの評価を上げ、検索ページで上位に表示されるよう対策することを指します。

複数ある検索エンジンの中で、日本では検索エンジン市場の約75%をGoogleが、約15%をYahoo!が占めています。つまり約9割の日本人がGoogleまたはYahoo!を利用してネット検索を行っているということになります。

しかしYahoo!はGoogleのアルゴリズム(検索順位の判断基準)を採用しているため、Googleから評価されるとYahoo!でも上位表示されやすくなります。そのため、「SEO対策=Googleに評価されるための対策」と考えることができます。

2.SEO対策の重要性

ユーザーが調べたいことをネット上で検索した場合、ユーザーがクリックして閲覧するのは1ページに表示されているサイトが大半だと言われています。そのため検索順位を上げることは非常に重要です。

SEO対策を行っていないサイトやコンテンツは、Googleから良い評価を受けることがほどんどありません。どんなに質の良いコンテンツを作成しても、SEO対策のノウハウを知らなければ検索順位を上げるのは困難です。

そのため、ネット上でコンテンツを作成するのであれば「どのようなコンテンツがGoogleに評価され上位表示されるのか?」ということを理解した上で対策することが必要です。この対策を「SEO対策」といいます。

3.SEO対策のやり方・手順

では具体的にSEO対策はどのように実行すればいいのでしょうか?

Googleでは、方針(ガイドライン)は公表されていますが、上位表示するサイトやコンテンツの基準を明確には公表していません。

具体的なSEO対策は実際に検索上位を獲得しているサイトを分析したり、サイトに変更を加えて順位動向を調べたりするなど、日々研究がおこなわれています。

その中でも、ある程度明確になっているSEOのやり方・手順を紹介します。

1.キーワード選定

まず最初に重要とされているのは「キーワード選定」です。

ネット上でなにかを検索するユーザーは、必ず「キーワード」を入力します。例えば自社で健康サプリを提供しているとして、コンテンツに「〇〇株式会社△△サプリ」とタイトルをつけてネットに公開したとします。しかしそのサプリのことを知らない消費者は、サイトを見つけることはできません。知らないキーワードを検索できないためです。

以上から、コンテンツをネットで発信する場合は、キーワード選定が重要です。

もし不眠症改善に関するサプリの場合、ユーザーが検索するキーワードとして考えられるのは「不眠症 改善 サプリ」や「不眠症 効く サプリ」などです。このように、自社が発信したいことではなく、”ユーザーが検索するキーワード”を自社コンテンツとマッチさせることがSEO対策として基本になります。

2.内部対策

SEOでは、Webサイト内部の改善やコンテンツについてSEO対策をおこなうことを「内部対策」といいます。

具体的な内部対策の一例としては下記のようなものがあります。

・コンテンツのタイトル
・メタディスクリプション(ページの概要記述)
・見出しの整理
・本文
・画像のファイル名(altタグ)
・内部リンクURL

ユーザーにとって有益な情報を整理して分かりやすく記述することが大切です。また検索エンジンにとっても評価しやすいよう整理しておく必要があります。

3.外部対策

SEOにおいて外部要因を改善し、SEO評価を高める対策を「外部対策」といいます。

具体的には「被リンク」のことを指します。被リンクとは、外部のサイトで自社のサイトが紹介されることです。

TwitterなどのSNSやブログで「この記事とても面白かった、役に立った」と紹介されているのを見たことはないでしょうか。このように、外部の人から自社コンテンツを紹介してもらうことを「被リンク」といいます。

被リンクが多ければ、検索エンジンに「このコンテンツは多くの人の役に立っている」と評価されます。評価が上がることで、検索エンジン上で上位表示されやすくなります。

4.ユーザビリティ

内部対策、外部対策の次はユーザービリティを意識します。

ユーザビリティとは、日本語では一般的に「使いやすさ」を意味します。コンテンツは情報量が多ければ良いわけではなく、あくまでも「ユーザーにとって有益でわかりやすい」ということが重要です。内容が伝わりにくかったり、専門用語ばかりのコンテンツはユーザビリティが低くなります。

また、画像や動画などをつかって情報を伝えることも効果的ですが、貼り付けすぎるとページが重くなり、表示までに時間が掛かってしまうこともあります。そうなるとユーザビリティが低くなるため注意しましょう。

近年では、スマホユーザーの増加にともない、スマホでWebページを開いたときの見やすさもSEOでの評価対象となっています。コンテンツを作成したら一度サイトを開き、操作性や見やすさなどのチェックをおこないましょう。

5.解析・計測

コンテンツを作成したらそれで終わりではありません。コンテンツがどのような人に、どの時間帯に、どのくらいの時間見られているか?どこで離脱しているか?などの解析や計測をおこなう必要があります。

たとえば、もしある一定の場所でユーザーがページを閉じていることが発覚した場合、その箇所を改善することがSEO対策に繋がります。実際のデータから導き出した改善点は最も重要な情報源になります。

Googleの言葉で「アルゴリズムを追うな、ユーザーを追いかけろ」という主旨のものがあります。SEO対策を機械的に行うのではなく「ユーザーにとって有益で良質なコンテンツ」を目指すことが最高のSEO対策になるということです。

作成したコンテンツを解析・計測し、よりユーザーのためになるコンテンツへと改善していきましょう。

4.SEOのメリット

続いて、SEOのメリットについて解説します。

SEOのメリットを下記にまとめました。

①低コストで検索流入数が増える
②自社のブランディングができる
③長期的な資産になる

まず、SEO対策は基本的に無料で行うことができ、検索上位を獲得できると自然とアクセス数を増やすことができます。その結果、自社サイトの知名度が向上し、最終的には「指名検索」される回数も増えます。

「指名検索」とは、サイト名、会社名、商品名など、その会社が提供する名前で直接検索されることを指します。指名検索は権威性にも繋がるため、Googleから評価される一つの基準ともなっています。指名検索が増えれば増えるほど上位表示をキープできアクセス数が維持され、好循環が続くようになります。

上位検索が恒常的に行われるようになれば自動的にユーザーが集まってくるため、それ自体が「集客コンテンツ」となり、自社の資産となります。

5.SEOのデメリット

一方で、SEOのデメリットとしては下記のようなものがあります。
①結果が出るまでに時間がかかる
②競合が参入しやすい
③定期的にアルゴリズムのアップデートが行われる

現代ではWeb上のコンテンツを個人でも企業でも作成することができます。SEO対策についてもほぼ無料で実行できるため、多くのライバルが参入できる市場です。

特にキーワードにおいて競合が多い場合は、結果が出るまでに時間がかかることも多くあります。またコンテンツ力によっては競合に勝てず、検索上位が獲得できない場合もあります。

また一度検索上位を獲得したとしても、Googleによる定期的なアルゴリズムのアップデートによって順位が急落することもあります。「Googleはどんなコンテンツを評価しているのか」を意識して常に対策を行いましょう。

6.SEOを意識したコンテンツの作り方

ここで紹介するSEO対策は「ユーザーにとって有益かつ良質なコンテンツ」を作成することを目的としたものです。
この前提をもう一度踏まえた上で、SEOを意識したコンテンツの作り方について具体的に解説します。

1.コンテンツの目的を考える

まずコンテンツ作成に入る前に、コンテンツを作る目的を考えましょう。

例えば「アクセス数を上げるため」や「利益率の向上」という抽象的な目的だと、サイトやコンテンツの方向性や軸がブレやすくなります。「30〜40代の男性会社員に、〇〇の知識をシェアしスキルアップを提供する」というように、具体的な目的であれば統一性を出しやすくなります。またキーワード選定でも明確な指針を作りやすいです。

2.ユーザーが検索するキーワードを考える

SEOを意識するうえで「キーワード選定」は非常に重要な要素となります。

たとえば、健康サプリを提供する場合であれば「なぜユーザーは健康サプリを求めているのか」を考えます。「健康になりたいから」という答えがすぐ出ると思いますが、そこで更に「なぜ、健康になりたいのか?」と深堀りすれば、ユーザーが検索するキーワードの解像度が上がってきます。

もちろん、キーワード選定の段階ではある程度推測が含まれます。しかしたくさんのキーワードを抽出しておくことで、その分作成できるコンテンツの幅も増えてきます。

3.ユーザーの深い悩みを考える

キーワード選定にも通じますが、ユーザーの持つ悩みを想像することも重要です。ユーザーの悩みを仮定し、それを解決できるコンテンツを作ることで評価が上がりやすくなります。

健康サプリを提供する場合を例にした場合、健康になりたい理由は人によって様々です。

・20代→綺麗になりたいから健康サプリを買う
・30代→長時間の仕事でも疲れないためにに健康サプリを買う
・40代→若くありたいから健康サプリを買う

上記のように、同じ「健康になりたい」でも動機は年齢などによって変わります。

このようにユーザーの悩みが明確になれば、同じ健康サプリでもそのターゲットに合わせた内容のコンテンツを作成できるでしょう。ユーザーの悩みを想像してコンテンツ制作に活かすことで効果的なSEO対策にもなります。

4.ユーザーが惹きつけられるタイトルや見出しを考える

コンテンツの内容が決まったら、次に考えるべきは「ユーザーが惹きつけられるタイトル付け」です。

パッと見ただけで反射的にクリックしたくなるタイトルやサムネイルが望ましいです。人は難しいことを考える脳と、反射的に物事を考える脳は別に動いているといわれています。専門用語が多く含まれたタイトルのように、一度目を止めて深く考えなければいけないタイトルはスルーされる確率が高くなります。

良いタイトルが思い浮かばない場合は、すでにSEOで上位を獲得しているサイトを参考にしてみましょう。「初心者必見!5分でわかる〇〇のコツ」というように、ユーザーが思わず見たくなるようなタイトルが付けられているはずです。

上位表示されているということは、SEOにおいて評価を受けていることを意味します。色々と見比べてみることで、どのようなタイトル付けが効果的かが理解できてくるでしょう。

ただし、全く同じタイトルをつけてしまうとSEO対策においてマイナス評価になるので注意しましょう。

5.ユーザーにとって分かりやすいコンテンツを作成する

魅力的なタイトルでユーザーを惹きつけたあとは、コンテンツの中身が重要になります。

ここまでも何度か「有益で良質なコンテンツを作成しましょう」と紹介していますが、良いコンテンツかどうかの判断はあくまでもユーザー(受取り側)の判断に委ねられます。

科学的根拠に基づいた信頼できる情報コンテンツはユーザーにとっては有益です。しかし、ユーザーが内容を理解できなければ有益とはなりません。そのため、「専門用語を使う際は注釈をつける」や「専門用語の理解を助けるために例え話を使う」といった工夫が必要になります。

このように、ライティング(文章作成)のスキルも重要となります。

6.ユーザーにとって見やすいページを意識する

コンテンツを作成したら、次は見やすさです。

作成したコンテンツをスマホやパソコン上で開き、表などが崩れていないか、文字の大きさは見やすいかなどをチェックしましょう。

大手企業のサイトなどでは他のページや商品ページにアクセスしやすくするため、大量の内部リンクを設置していることがあります。しかしリンクが多すぎると本来探している情報を見つけにくくなり、ユーザビリティが下がります。

自主チェックや解析ツールを活用し、常にユーザーにとって見やすく使いやすいページを目指しましょう。

7.SEO対策でよくある間違い・注意点

最後に、SEO対策においてよくある間違いや注意点について解説します。

1.キーワードとコンテンツの内容がズレている

SEO対策ではキーワード選定が重要です。キーワードによって、アクセスしてくるユーザーの数が極端に変わることがあります。

「一眼レフカメラ」というキーワードを例に出して考えてみます。アクセスアップを狙い「おすすめの一眼レフカメラ」というタイトルをつけて、自社商品のみを宣伝した記事は、ユーザーからどんな評価を得るでしょうか。

ユーザーは、実体験に基づいたおすすめ記事だと思ってクリックするので、1つの商品を押し売りされたと不満に感じるでしょう。このように、キーワードとコンテンツ自体の内容が嚙み合っていないと、ユーザーの滞在時間やSEOの評価下が下がるため注意しましょう。

2.キーワードに競合が多すぎる

キーワード選定の段階で、同じキーワードに競合他社が多すぎる場合にも注意が必要です。

たとえば「カメラ」、「ダイエット」、「筋トレ」などの、検索数が多いキーワードは『ビッグワード』と言われています。

ビッグワードは、閲覧者が多いため、これを元にコンテンツを作成している企業や個人はとても多いです。企業の中には数十〜百人のライターを雇って、ビッグワードを元に大量の高品質なコンテンツを作成しているところもあります。

そういった企業が参入しているキーワードの市場では、新規参入がSEOで勝てる見込みは少なくなります。ビッグワードをそのまま使うのは避け、「カメラ 初心者 40代」などと複数のキーワードを混ぜてみましょう。

まだ発見されていないニッチな市場や競合が少ない市場、キーワードほど、SEO対策の効果が出るまでの時間が早くなります。

3.質の低いコンテンツを大量に作成する

SEO対策としてコンテンツの量は大切ですが、質の低いものを大量作成してしまうとマイナスの評価を受けます。

ひと昔前までは、質が低いコンテンツでもSEOで評価を受け検索上位を獲得できました。しかしGoogleはアップデートを重ね、現在はコンテンツの質を重視するようになりました。低品質なWebサイトは検索上位を獲得できないようになっています。

4.不自然な独自性を出そうとする

SEOにおいて、コンテンツの”独自性”は重要なポイントです。

たとえば、自身が実際に体験したエピソードを交えて情報を伝えたり、写真を使ってコンテンツの内容を視覚的に表現したりすると効果的です。しかし、独自性を出すために事実と異なる内容や根拠のない内容などをコンテンツに盛り込むと、SEOでマイナスな評価を受けるため注意しましょう。

5.公開した記事を放置する

コンテンツは公開した後も定期的にメンテナンスをおこないましょう。

たとえば、商品の価格などは消費税の変動に影響されます。イベントなどの告知は、終了している場合「このイベントは終了しました」などの注釈を入れる必要があります。

ノウハウ系の内容であれば、科学的根拠や論文が発表された段階で追記していくと効果的です。

6.自作自演で被リンクを増やす

SEOでは、被リンクによって評価を受けることができます。

この被リンクを目的に、「自社のコンテンツをSNSで発信してください」とお金をだして拡散する企業もあります。また、自社で大量の偽アカウントを作成し、記事を拡散する企業や個人などもいます。

ひと昔前までは効果があった方法ですが、現代ではGoogleのアルゴリズムも進化し、自作自演を見抜くことができるようになっています。ですのでこういった行為はSEOにおいてマイナスな評価を受ける可能性が高いです。

中身を伴わないSEO対策は「ブラックハットSEO」と言われる禁止行為となるため、注意しましょう。

まとめ

今回の記事では、SEO対策についての一連の流れや内容を紹介しました。

Googleは常に良質なコンテンツが検索上位に表示されるようにアルゴリズムの改善を行っています。そのため、現在の検索結果で上位表示されているサイトが常にトップに表示されるとは限りません。SEO対策のテクニックやノウハウだけに頼らず、Googleが目指す「ユーザーにとって有益で良質なコンテンツ」となるように意識してコンテンツ制作を行いましょう。

ぜひ今回の記事で紹介した方法や注意点を活用して、効果的なSEO対策を行ってください!

 

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