メルマガ運営を始めたばかりの場合、コンテンツを考えるだけでも大変です。
しかし単に配信をするだけでなく、配信結果を測定・分析し、改善を続けることがメルマガ運営において前提となります。

運営を始めたばかりの方であれば特に、
「何を測定し、どこをどう改善していけばいいのか分からない」という場合もあるはずです。

今回の記事では、メルマガ配信における効果測定・分析するべきポイントと、
改善の具体策について分かりやすく紹介します。
メルマガの効果が上手く出ていない、運営に悩んでいる方は是非参考にしてください。

1.なぜメルマガは効果測定・分析が必要?

メルマガは質の高いコンテンツ作成だけでなく、配信した結果を測定し分析することが大切です。

メルマガはあくまでも”読者を想定して配信する”という方法でスタートするため、最初はうまく効果が出ないことがあります。効果測定・分析はメルマガを配信・運営するうえでのフローの一部です。効果がすぐ出なかったとしても「メルマガは役に立たない」と判断する必要はありません。

「測定結果から原因を分析して改善していく=メルマガを配信・運営するうえで大前提」ということを抑えておきましょう。

2.メルマガの効果測定・分析で注目するべき4つのポイント

効果測定・分析が重要といっても、どこをチェックすればいいか分からないという方もいるのではないでしょうか。
メルマガではチェックする部分は大きく分けて4つです。

・到達率
・開封率
・クリック率
・コンバージョン率

上記の4つのポイントについて、ひとつずつ詳しく紹介します。

1.メルマガの「到達率」

1つ目は「到達率」です。

メルマガにおける「到達率」とは、送信したメルマガが登録者のうち何人に届いたかを示す割合のことを指します。

到達率=到達数÷配信総数×100(%)

例えば300人の読者にメルマガを配信し、270人に届いたが30人にはエラーで届かなかった場合、到達率は「270÷300×100=90%」ということになります。100%届かないことに疑問を感じる方もいるかもしれませんが、メルマガが常に確実に読者に配信されるとは限りません。

何らかに理由によって、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)にブロックされたり、スパムメール扱いされて迷惑メールとして処理されるケースもよくあります。

特に配信元のメールアドレスの送信ドメイン認証を設定していない場合、メルマガの内容に関わらず怪しいメールとして処理され、読者まで届かないことがあります。メルマガを効果的に運用したいのであれば、まずはこの到達率をできる限り高くすることが大切です。

2.メルマガの「開封率」

2つ目は「開封率」です。

メルマガにおける開封率とは、届いたメルマガが実際に開封された割合を示します。

開封率=開封数÷到達数(有効配信数)×100(%)

例えば、メルマガを350人に配信して、300人に到達し、そのうちの210人がメルマガを開封した場合「210÷300×100=70%」ということになります。開封率が低い場合、メルマガが届いていても開かれてはいないため、読者に開封してもらうための改善が必要になります。

3.記載されたURLの「クリック率」

3つ目は「クリック率」です。
クリック率とは、メルマガ内に記載されたURLがクリックされた率のことを指します。

クリック率=クリックされた数÷総配信数×100(%)

メルマガ内にクリックするURLがあるかどうかにもよるので、毎回クリック率が計測できるというわけではありません。例えば、セミナーの告知ページにリンクするURLを貼った場合などにクリック率を計測し、クリック率が低い場合は改善方法を考えるための参考にします。

4.目的ごとの「コンバージョン率」

4つ目は「コンバージョン率」です。
コンバージョン率とは、メルマガが届いた読者のうち、どのくらいの人が目的とする行動をしたかを指します。

コンバージョン率=コンバージョン数 ÷ 配信総数×100(%)

例えば、配信者側が「商品Aを購入してもらうため」という目的でセールスメールを送信したとします。その届いたメルマガ(セールスメール)から、どのくらい人数が実際に商品を購入してくれたかを表すのがコンバージョン率です。目的(コンバージョン)は配信者の目的によって変わります。

「アンケートに参加してもらう」という目的でメルマガを配信した場合は、メルマガを読んでくれた人のうち、どのくらいの人が実際にアンケートに答えてくれたかの割合=コンバージョン率となります。

つまり、300人にメルマガを配信し、250人に届き、200人が開封して、そのうち100人がアンケートに答えてくれた場合コンバージョン率は「100÷250×100=40%」となります。

「商品販売」、「セミナー応募」、「モニター参加」など、コンバージョンは配信者の目的によってさまざまで、メルマガ内ではなく外部サイト(ブログや公式サイトなど)にておこなわれることもあります。外部サイトを利用する場合、コンバージョン率を計測する場合は、メルマガ読者が外部サイトでどのように行動しているかを計測できるようにしておく必要があります。

3.メルマガの効果測定・分析の結果を反映させるコツ

ここまで紹介した「到達率」、「開封率」、「クリック率」、「コンバージョン率」を測定し、分析したあと、どのように改善すればいいのかのポイントについて紹介します。

1.「到達率」を改善する方法

到達率は、まず大前提として読者にメルマガが届いていないことを意味するため、到達率が低い場合は一番はじめに改善するべきポイントです。
改善するべきポイントは下記のとおりです。

・送信ドメイン認証を設定しておく
・スパムのような内容を送らない
・登録後のサンクスページで迷惑メール対策をする

上記について、一つずつ紹介します。

1.送信ドメイン認証を設定しておく

メルマガを送信する場合、送信者のメールアドレスを登録すると思いますが、メールアドレス認証をおこなっていない場合「怪しいメール」として処理され、読者に届かなかったり、届いても迷惑メールフォルダーに入れられたりするケースがあります。

送信ドメイン認証には「センダー・ポリシー・フレームワーク(SPF)」や「ドメインキーメール(DKIM)」と呼ばれるものがあり、これらを設定することでメルマガの配信元を証明できるようになります。設定方法は利用しているメルマガスタンドのQ&Aでチェックできることが一般的です。

2.スパムのような内容を送らない

メルマガ内に大量のURLや、短縮URLなどを貼り付けていると、スパムメールと判断されて弾かれ、読者まで届かないケースがあります。また「最速でお金を手に入れる方法」などという怪しい内容・タイトルでも弾かれることがあります。

具体的な文言やURLをどのくらい貼ればスパム認定されるかの基準や詳細などは発表されていないため、あくまでも自己判断するしかありませんが、メルマガのコンテンツは読者が必要としている情報を適切に届けることを意識しましょう。

3.登録後のサンクスページで迷惑メール対策をする

到達率が下がる原因の一つに、読者側の受信設定に問題がある場合があります。「知らないアドレスからのメールは拒否する」といった設定にしている場合、メルマガに登録してもらってもメールボックスに届けられません

また、何かしらの原因でメルマガが迷惑メールフォルダーに勝手に振り分けられることもあります。このようなことを防ぐために、メルマガ登録後に「サンクスページ」と言われる登録に対してのお礼ページを作っておくと良いでしょう。サンクスページにて「※メルマガが届かない場合は受信設定を確認してください※」という注意書きを記載しておきましょう。

Gmailアドレスの場合、Yahoo!メールアドレスの場合、大手スマホキャリアアドレスの場合など、一般的に利用されているメールアドレスごとの設定方法を記載しておくと、なお親切です。

2.「開封率」を改善する方法

到達率が改善したら次は開封率の改善です。
開封率が低い場合「届いているのに読まれていない」ということを意味するため、コンテンツをメインに改善する必要があります。

具体的には下記のような改善方法があります。

・ペルソナが興味を持つタイトルにする
・開きたくなるタイトル付けを意識する
・配信する曜日・時間を一定にする
・質の高い内容を送り続ける

上記について、ひとつずつ紹介します。

1.ペルソナが興味を持つタイトルや内容にする

大前提として、メルマガを登録してくれる人はそのメルマガに興味を持って登録したと考えましょう。そのため、読者は何かしら「自分が欲しい情報がメールで届く」と期待するはずです。

例えば、アウトドア系のメルマガに登録したのに「息子の誕生日プレゼント」というタイトルのメルマガが送られてきたらどうでしょうか。つまり、送信するメルマガのタイトルや内容は想定読者(ペルソナ)に合ったものにする必要があるということです。

メルマガに登録してくれたからといって、配信者のすべてに興味があるわけではなく、あくまでも最初は「自分が欲しい情報がメールで届く」と期待しているのです。そこに興味のないタイトルや内容のメルマガが送られてくると、開かずに放置する状態になってしまいます。

 

2.開きたくなるタイトル付けを意識する

メルマガを配信するうえでは「タイトル付け」が開封率に大きく影響します。もし想定読者にとってとても重要で価値ある内容のメルマガを配信したとしても、タイトルが魅力的でない場合、開封率はガクっと下がります。

例えば、アウトドアの商品をレビューするメルマガで、下記の2つではどちらが魅力的でしょうか。

タイトルA:2021年11月1日の話
タイトルB:1個たった500円!絶対買うべきキャンプで必須のグッズ3選

いうまでもなくBですよね。まったく同じ内容だとしても、タイトルは開封率に大きく影響することを覚えておきましょう。

3.配信する曜日・時間を一定にする

配信する日時は一定にした方がいいというのはメルマガでの一般的な考えです。配信する曜日や時間を定期にすることで、読者に習慣の一部にしてもらうことができます。

例えば、テレビ番組でも毎週から必ず決まった時間に特定の番組が放送されますよね。「今日は〇〇が放送されるから早く帰らなきゃ」という経験をしたことがある人も多いはずです。メルマガも同じで、特定の曜日や時間に配信することで、読者側がメルマガを読んでくれる確率があがります。

例えば、配信する時間は通勤・通学中、昼休憩の時間、夕食後のリラックスタイムなどを狙うといいでしょう。

4.質の高い内容を送り続ける

メルマガの開封率を上げるテクニックはさまざまですが、忘れてはいけないのは「質の高いコンテンツを作り続けること」です。一過性のテクニックではなく、長期的な目線で考えるのであれば質の高いコンテンツを読者に提供し続けることほど効果的なものはありません。

注意するべきなのは「セールスメールばかりを送る」という失敗です。毎回「〜を買いませんか?」というメルマガが送られてくると読みたくなくなるのは想像に難しくないでしょう。

メルマガは読者との信頼構築9割、セールス1割のつもりで配信しましょう。信頼構築ができれば「この人(会社)からなら商品を買ってもいいかな」という気持ちに変化するケースも少なくありません。

3.「クリック率」を改善する方法

クリック率は基本的に何かしらのURLを貼ったメルマガだけで計測することになります。特にセールスメールなどでは「購入はこちら」という形でURLを貼ることが多いです。

もしクリック率が低い場合は以下の点に注意して改善を目指しましょう。

・文章の量を調整する
・クリックしやすい文章構成にする
・クリック箇所を目立たせる
・複数箇所に設置する
・メルマガのテーマを1つに絞る

それぞれについて説明します。

1.文章の量を調整する

一般的にURLを貼るのは何かしらのページに誘導したいためだと思います。その場合、文章の量が多くなってしまいがちなため、送信する前に一度文章の量を見直すことを心がけましょう。

例えば、何か商品を買ってもらうためのセールスメールを送る場合、商品のアピールポイントを長々と書いてしまいがちです。読者の興味の度合いにもよりますが、長い文章ほど離脱率が上がるため、URLまでの文章はなるべく簡潔に済ませましょう。(商品のアピールは装飾可能なセールスレターページなどで行う)

2.クリックしやすい文章・メルマガ構成にする

クリックするまでの文章構成も大切です。文章構成では以下の構成が効果的といわれています。

1.問題提起
2.共感・理解
3.解決方法の提示
4.意欲を鼓舞する
5.最後の一押し

これらの構成を数日のメルマガに分けてもいいですし、1つのメルマガ内で完結しても問題ありません。一方で、文章の一行目から「このURLをクリックして商品を買ってください」といった文脈のないものはNGです。

クリック率が低い場合は基本的に「クリックしたくなる内容」を送ることを心がけましょう。

3.クリック箇所を目立たせる

クリック箇所をわかりやすく目立たせることも大切です。
例えば下記のような装飾をつけると、いやでも目につくとおもいます。

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あまり派手な装飾するとスパムメールのようになるため、自然に目立つ程度の装飾をしましょう。

4.複数箇所に設置する

クリックして欲しいURLは複数箇所に設置しましょう。

例えば、「詳細はこちら」という文章でURLを記載したあと、追記によってさらにURLのリンク先にて限定特典やプレゼントがあることをアピールしたあとにURLを再度記載したりするとクリック率が上がります。

URLを記載→URLをクリックするメリット→再度URLを記載、という流れで複数回URLを設置すると効果的です。

4.「コンバージョン率」を改善する方法

コンバージョン率を上げるにあたっては、コンバージョンが何かにもより、コンバージョンの種類によっても改善方法が異なることもあります。そのうえで、コンバージョン率の一般的な改善方法としては以下のようなものがあります。

・導線をわかりやすくする
・目的達成までのステップを簡略化する
・無料プレゼントを用意しておく
・コンバージョンまでの過程も分析する

それぞれについて紹介します。

1.導線をわかりやすくする

「導線」とはコンバージョンに繋がるまでの道筋のことを指します。例えば、ネットショッピングで「商品ページ」→「カートに入れる」→「レジに進む」→「注文確定」という一連の流れを経験したことはありませんか?

上記のように、感覚的に進めていくと商品が購入できるようになっていることがほとんどです。もしメルマガにて何かのコンバージョンを設定する際も同じく、導線をわかりやすくする必要があります。

例えば、「商品を購入してもらう」ということをコンバージョンとしたとします。メルマガから商品紹介ページにリンクし、そこから購入ボタンが見つけられない(見つけにくい)といった場合は確実コンバージョン率は下がります。そのため、一度自分でコンバージョンまでの道筋をたどってみて、メルマガ読者さんが迷わずにコンバージョンまでたどり着くかを検証してみましょう。

もしわかりにくい箇所があれば、改善するポイントとなります。

2.目標達成までのステップを簡略化す

導線を明確にするとともに、コンバージョンまでのステップを簡略化することも重要です。

例えば、「商品を購入してもらう」ということをコンバージョンとしたとして、商品購入までに名前や住所を3回入力する必要があったらどうでしょうか。確実にコンバージョン率は下がります。

コンバージョンまでの手間がかかればかかるほど、コンバージョン率は下がるため、導線と同じく一度自分でコンバージョンまでのステップを洗い出し、無駄な部分は削っていきましょう。

3.無料プレゼントを用意しておく

読者はコンバージョンの一歩手前で迷うことがあります。

・商品購入
・アンケート参加
・セミナー募集
・モニター募集
・資料請求

さまざまなコンバージョンの手前で「購入(登録、参加など)してくれた方には限定で〇〇を無料でプレゼント!」という風にベネフィットを用意しておくと良いでしょう。メルマガ登録の前段階などにも有効な手段で、誘い水的な役割となり、読者が行動に踏み切ってくれる可能性が高くなります。

4.コンバージョンまでの過程も分析する

コンバージョンまでメルマガ以外の外部サイトを経由する場合は、メルマガだけではなく外部サイトからコンバージョンまでに至るまでの過程も分析しましょう。

例えば「商品を購入してもらう」といったコンバージョンを設定した場合、以下のようなものがあります。

・メルマガに記載した商品URLのクリック率
・商品ページの精読率や滞在率
・決済ページのURLクリック率

読者の行動を細かくチェックするこで、どこで読者が迷っているのか、離脱しているのかが視覚的にわかってきます。コンバージョンに至るまでに離脱率が上がっている箇所があれば、そこがボトルネックとなっている可能性が高いため、集中的に改善するべきポイントとなります。

4.メルマガで効果測定・分析と一緒にやっておきたいこと

最後に、メルマガの効果測定・分析と一緒にやっておきたい3つのことについて紹介します。

・定期的にアンケートを行う
・エラーを確認し登録者の整理をする
・効果測定・分析の期間を区切っておく

それぞれについて紹介します。

1.定期的にアンケートを行う

メルマガは基本的に目に見えない読者との対話になります。

配信者は読者を想定しながら内容を考え、送信することになるため、中には「何を送信すればいいのかわからなくなった」、「メルマガのネタがなくなった」という悩みを持った方もいるのではないでしょうか。その場合、最も有効な手段が「読者に聞く(アンケートを取る)こと」です。

どのような内容のメルマガ読みたいか、どのような情報が知りたいか、興味があるかなどを、自分の”想像”ではなく、実際にメルマガを読んでいる読者に直接聞くことで、より精度の高いメルマガが送れるようになります。

自分では気づけない読者の潜在的な興味・関心にも気づけるようになるため、アンケートは定期的におこないましょう。

2.エラーを確認し登録者の整理をする

どんなに対策や改善をしてもメルマガが到達しない読者や、どんなに質の高いメルマガを配信し続けてもメルマガを開封しない読者というのは一定数います。その場合、惜しむことなく読者リストから外してしまいましょう。

なぜなら、そもそもとして興味を失っている読者にメルマガを送り続けても開封率やクリック率が正確に計測できなくなってしまうためです。興味を失っている読者を振り向かせることよりも、新規読者を増やすことにリソースを割いた方がメルマガの運営がうまくいく確率は高くなるはずです。

3.効果測定・分析の期間を区切っておく

効果測定は1回や2回だけではダメで、長期的に行う必要があります。また、長期的におこなう際にも「3ヶ月」といったような期間を区切って計測した方が効果的です。1〜3ヶ月スパンで結果を総合的に分析し、再度目標値を設定することで、メリハリの効いた分析・改善が可能になるうえ、トライ&エラーの精度も高くなります。

期間を区切っていない場合、改善箇所や方向性が有耶無耶になったりブレたりするためおすすめしません。

まとめ

内容をまとめると、メルマガは効果測定・分析をしながら長期的な目線で運営していくことを前提とすることが大切です。
効果測定・分析のポイントは下記の4つです。

・到達率
・開封率
・クリック率
・コンバージョン率

一つひとつ分解していけば、どこがうまくいっていないのかが視覚的に見えてきて、メルマガの解像度が上がり、運営が楽しくなるはずです。今回紹介したそれぞれの改善ポイントも参考にし、効果的なメルマガ運営を目指してください!

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