WEB上でコンテンツを作成する場合、集客や売り上げ向上のためにSEOの知識は重要になります。しかしSEOの対策方法には明確な答えがなく、基本的に対策をしながら改善していかなければいけません。

この記事では、SEO対策の基本と抑えておくべきポイントについて分かりやすく解説します。

 

1.SEO対策とは?

SEOとは「サーチ・エンジン・オプティミゼーション(Search Engine Optimization)」の略称です。「検索エンジン最適化」とも呼ばれ、GoogleやYahooなどで自分(自社)ブログやサイトを上位表示させるための対策のことを指します。

検索エンジンと一言に言っても、様々な検索エンジンがありますが、SEO対策においては検索エンジンのシェアを占めるGoogleのSEO基本方針にのっとって行う必要があります。

まずは、SEO対策をやるべき理由と、なぜGoogleのガイドラインを基準にするべきなのかを解説します。

 

1-1.SEO対策を絶対にやるべき理由

WEB上で自社サイトや個人ブログを運営するのであれば、SEO対策は必須です。

SEO対策とは、簡単にいうと検索結果で上位表示させることを目標にするのですが、なぜ検索で上位表示させることが大切なのかは、検索順位とクリック率の関係を示した下記の表を見れば分かると思います。

 

検索順位 クリック率
1位 22.58
2位 12.62
3位 8.27
4位 7.24
5位 6.19
6位 3.73
7位 3.91
8位 2.35
9位 1.82
10位 1.53

引用元:Announcing: 2017 Google Search Click Through Rate Study

 

上記の表を見ても分かるとおり、検索順位において1位と2位のクリック率では2倍近くの差があります。9位以降になると、クリック率は1.0%程度になってしまい、ほとんど見られていないことがわかります。

そのため、WEB上でコンテンツを作る場合、上位表示をさせる技術であるSEO対策を無視してコンテンツを作成するということは、誰にも見られないコンテンツを作成することを同じになってしまいます。

企業としてコンテンツを作成する場合でも、個人でコンテンツを作成する場合でも、SEO対策は必須と言えるでしょう。

 

1-2.SEOはGoogleのガイドラインを基準にする

次に、なぜSEOでGoogleのガイドラインを基準にするべきなのかについて解説します。日本国内での検索エンジンシェア率は下記のとおりになっています。

 

検索エンジン シェア率(%)
PC モバイル
Google 76.29 74.29
Yahoo! 15.51 24.74
bing 7.43 0.35
Baidu 0.28 0.33
MSN 0.12 0.15
その他 0.37 0.14

引用元:【2019年版】日本·世界の検索エンジンシェアと種類一覧 | SEMジャーナル

 

上記の表を見て分かるとおり、日本ではGoogleとYahoo!が検索エンジンの市場シェア率の9割以上を占めています。そのため、GoogleやYahoo!で上位表示されることが、自社サイトのアクセス数をあげるうえでは最も大切になります。

またYahoo!の検索順位は、Googleのシステムを採用しています。ですので、Googleのガイドラインに従ってSEO対策をすることでGoogleとYahoo!の両方で検索上位に表示されやすくなります。

 

2.SEO対策をはじめる前にやるべきことについて

SEO対策をはじめる前にやっておくべきこととして下記の3つがあります。

・ペルソナ(顧客像)を設定する
・ジャンルを決める
・目標を設定する

これらについて、ひとつずつ解説していきます。

 

2-1.ペルソナ(顧客像)を設定する

SEO対策は、シンプルに表現すると「ユーザーに有益な情報を届ける」ことです。「ユーザーにとって有益」とはどういうことでしょうか。

たとえば、知名度の低い地下アイドルの大ファンで、メンバーのプロフィールを知りたい人からすると、そのアイドルの情報は「有益」です。しかし、使えるトーク術を調べている営業マンにとってはこれは有益な情報とは言えません。

つまり、「ユーザーにとっての有益性」とは、まず大前提として、その人の顧客像が必要になります。この顧客像のことをビジネス用語では『ペルソナ』といいます。自分のサイトをどんな人に見てもらいたいのか、商品を求めている人はどんな人かを設定することを「ペルソナを設定する」といいます。

自社(自分)のWEBサイトは、自分のやりたいように好き勝手に作るのではなく、ペルソナを設定することにより一貫性のあるメッセージ性の強いWEBサイトを作ることができます。

SEO対策でもこのペルソナを基準にすることで、方向性が定まりやすくなります。

 

2-2.ジャンルを決める

SEO対策の一つとして「専門性を高める」というものがあります。専門性を高めるには、まずジャンルを決める必要があります。

たとえば、「筋トレに特化したサイト」であれば、足の筋肉、腕の筋肉、筋肉をつける食事メニュー、筋肉がつきやすいプロテインなど、関連性の高いコンテンツを網羅することで専門性を高めることができます。

一方で、「筋トレ」に加えて「コンビニの新作アイス」、「海外旅行」など、コンテンツがバラバラだと、ユーザーとしては「このサイトは結局なんのサイトなのか」と混乱してしまいます。またコンテンツを作成する側も、方向性が定まりにくいという状態になります。

ジャンルが定まると、方向性が定まり、参考にするべきサイトなども見つけやすくなります。SEOでは、自分だけで考えず「すでにうまくいっている(検索上位の)サイト」を参考にする必要があるため、ジャンルを絞ることは大切です。

 

2-3.目標を設定する

SEO対策をおこなううえで、目標設定は大切です。

そして設定した目標に対して対策がうまく行っているか確認するためにも、解析ツールが効果的です。解析ツールの導入によって「自社(自分)の目標とするアクセス数やコンバージョン(成約率)を達成しているか?」と、目標値を基準に状況の良し悪しを判断できるようになります。

 

3.SEO対策で検索上位を目指すには

では、いよいよSEO対策で検索上位を目指すために必要なことについて解説します。結論からいうと、SEO対策に答えはありません。

「こうすれば絶対に検索上位に表示される」という明確な基準などはなく、SEO対策を実行していくうえで、改善していくことが前提となります。

また、GoogleはSEOに関して定期的にアルゴリズムのアップデートをおこなっています。そのため、同じ方法でずっとうまくいくということは、基本的にありません。

その中でもSEO対策をおこなううえで、絶対に必要な要素について解説します。

 

3-1.Googleの基本方針やガイドラインを理解する

最初に解説したように、SEO対策で基準にするべきなのは、Googleのガイドラインです。Googleでの検索結果は、Googleのガイドラインに沿って決められています。

そのため、まずはGoogleが推奨すること、Googleが禁止することなどについての基礎知識を理解することが大切です。Googleでは「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」というページで、Googleが検索結果の順位において大切にしている基準を公開しています。

このガイドラインを遵守しないWEBサイトは評価されないということになるので、SEO対策始める際に一度は目を通しておきましょう。

 

3-2.キーワード選定をする

SEO対策でも最重要とされているもののひとつに「キーワード選定」があります。

たとえば、あなたが睡眠の質がアップするとてもいい枕を発明したとします。その枕に『ベリーグッド・スリープ』という名前をつけ、商品ページを作ったとします。しかし、『ベリーグッド・スリープ』という名前の認知度はほぼ0のため、誰もそのページにたどり着くことができません。

あなたも何かを調べるときは、検索エンジンの検索窓に「キーワード」を入力しますよね。たとえば、寝つきが悪いのであれば「眠れない 改善方法」や「寝つきがよくなる 枕」などというキーワードで検索すると思います。

つまり、ユーザーは必ず何かしらの「キーワード」によってWEB上のコンテンツやページを発見しているので、提供側は、ユーザーが検索するであろうキーワードを使ってコンテンツを作る必要があるのです。

キーワードごとに「検索ボリューム」といって、よく検索されるキーワードなのか、それとも全く検索されていないキーワードなのかを調べることもできます。SEO対策として、コンテンツを作成するうえで、キーワード選定は欠かせないステップのひとつです。

 

3-3.信頼性の高いコンテンツを作成する

GoogleがSEOにおいて評価する重要な要素として「E-A-T」というものがあります。「E-A-T」はそれぞれ下記の意味を示します。

Expertise(専門性)
Authoritativeness(権威性)
Trustworthiness(信頼性)

これら3つの要素を満たすことが、アクセスするユーザーに有益な情報を与えることに繋がり、結果的にSEOにおいて評価されることになります。

 

1.専門性の高め方とは?

専門性は、前述しているとおり、ジャンルを絞ることです。

たとえば、ショッピングモールでも「紳士服売り場」、「アクセサリーショップ」、「食品売り場」といったようにジャンルごとにコーナーが分かれていると思います。各ジャンルがまとまっていることで、買い物客は、どこのコーナーに〇〇があるということを理解しやすくなります。これはWEBサイトでも同じです。

専門性を高めるためにできることとしては下記のようなことがあります。

・ジャンルを絞る
・専門知識を提供する
・専門家に取材する
・専門書を引用する
・一次情報(体験談)をシェアする

コンテンツの専門性は、自力であげるだけでなく、本や専門家などの力を借りることであげることもできます。

本や専門家の力を借りる場合は、注釈などでその専門家の経歴や、本の出版情報を盛り込むとより効果的にSEOに評価されやすくなります。

 

2.権威性の高め方とは?

権威性の例としてGoogleが提示しているのは、医療に関するコンテンツです。

たとえば、「私は〜という方法で●●が改善しました」という情報をシェアしたとします。その場合「私」とは、ユーザーからすると見知らぬ人でしかありません。

しかし「××大学の△△教授によって、〜という方法で●●が改善するという研究結果が発表されています」というとどうでしょうか。客観的に見て、一般個人がいうよりも、専門家の言葉の方が信憑性が高いのはいうまでもないですよね。

権威性をあげる方法としては下記のようなものがあります。

・実績を提示する
・根拠を提示する
・被リンクをもらう
・インフルエンサーに口コミをしてもらう

権威性を得るには長年の積み重ねや、実績が重要になります。適当でいい加減な情報が出回らない、WEB上での秩序を守るためのガイドラインともいえます。

 

3.信頼性の高め方とは?

「信頼性」とは、ユーザーにとって信用できる情報・サイト・運営者であるかどうかということです。

SEOがあまり発達していなかったころ、「ガンが一瞬で治る薬」というような、明らかに怪しい情報がネット上では上位表示されていることがありました。藁にもすがる思いのユーザーは、その情報を信じて商品を購入し、お金を騙し取られるということも実際に起こっています。

そのようなことがないように、そのサイトの運営会社・運営責任者・文章の執筆者などを明記することが「信頼性」として評価され、SEOで評価される基準のひとつとなっています。

もちろん、記載する運営会社・運営責任者・文章の執筆者などは、デタラメではダメです。ユーザーやGoogleがそのサイトの運営元を特定できるレベルの内容である必要があります。

信頼性を高める方法としては、下記のようなものがあります。

・サイトの運営元を記載する
・プライバシーポリシーを記載する
・お問い合わせ先を記載する
・情報が特定できる場所から情報引用する
・公的な機関のデータなどを参照にする

 

3-4.ユーザビリティを意識する

Googleのガイドラインにもありますが、SEO対策の基本は「ユーザビリティ(使用性)」です。これは使い勝手や使いやすさのことを指します。

たとえば個人ブログなどで多い例として、自分の個性を出したいためにたくさんの画像や、動画をページに貼り付けてしまうといったことがあります。そうすると、アクセスしたユーザー側では、ページが表示されるまでに読み込み時間が長くなります。これは「ユーザビリティが低い」と評価されます。

一方で、ユーザーが求めている情報にスムーズにたどり着けるサイトは「 ユーザビリティが高い」と評価され、上位表示されやすくなります。たとえば、この記事では「SEO対策の方法」というページの中に「専門性の高め方」という項目がありますよね。

その項目に「専門性の高め方を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください」というように、アクセスしているユーザーが必要としているであろう情報を盛り込んでおくことも大切です。

抽象的な概念ですが、SEOで評価されすでに上位表示されているサイトを参考にしてみると「このサイトは使いやすい」「情報を見つけやすい」「分かりやすい」というのが感覚的に分かると思います。

 

3-5.解析ツールを導入して改善する

SEOは短期的な目線で「〜をすれば順位があがる」といったシンプルなものではありません。解析ツールを参考にしながら繰り返し改善を続けていく姿勢が必要です。

解析ツールとして有名なものとして無料で利用できる「Googleアナリティクス」があります。Googleアナリティクスを導入することで、下記の情報を数値化し、視覚的に見える化することができます。

・どのキーワードで検索されたのか?
・どのくらいページが見られたか?
・どの時間帯がよく見られているか?
・どの年齢層か?
・どの地域からアクセスしているか?
・どのデバイスでアクセスしたか?

などをデータで見ることができます。

たとえば、狙ったキーワードと実際に検索されているキーワードにズレがあれば、修正することでより精度の高いコンテンツを作成することができます。これらを積み重ねることで、結果的に質の高いコンテンツが増え、検索結果で上位表示されるようになります。

 

4.まとめ

SEO対策は、深堀しつづけるとキリがありません。基礎知識を入れることも大切ですが、最も大切なのは、実践しながら改善していくことです。

SEO対策に絶対の正解はないため、実践の中から見えてくるデータが確実な指標となります。イメージでたとえると、まずは30点のコンテンツを作り、40点、50点、60点…と点数を上げていくような感じです。

今回ご紹介したポイントを踏まえて、より効果的なSEO対策でアクセスアップを狙いましょう!

 

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