昨今、フリーランスに営業代行を外注する企業が増えています。代行業者に依頼するよりもコストを抑えられたり、柔軟な対応をしてもらえることが多かったりと、企業にとって魅力があるためです。しかし、デメリットや注意点もあるのも事実です。

本記事では、フリーランスの営業代行のメリット・デメリットや費用相場、依頼する際に期をつけるポイントなどを解説します。

営業代行をフリーランスに頼むことを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

営業代行にはフリーランスと代行業者の2つの選択肢がある

営業代行とは、自社の営業活動を外部委託することです。自社の営業業務を外注する「営業代行」には、2つの選択肢があります。それは、依頼先が「フリーランス」か「代行業者」かということです。

企業の規模やニーズ、予算、業務内容によって、どちらが適しているかは異なります。いずれにせよ、営業代行を依頼することで、担当者がコア業務に注力できたり、高度な営業ノウハウを獲得できたりする魅力があります。

そのため、営業代行は、営業活動に何かしらの負担を感じている企業に非常に有効です。

フリーランス

フリーランスとは、個人事業主として活動している人のことを指します。企業で経験を積んだ後、独立した人が多いです。

特徴は以下のとおりです。

  • 特定の分野や業界に精通していることが多い
  • 人によって、力量や経験、得意なことや対応できる範囲の差がある
  • 迅速にコミュニケーションを取りやすい
  • 企業の要望に合わせて柔軟に対応してくれることが多い
  • 代行業者への依頼に比べてコストが抑えられる

代行業者

「代行業者」とは、代行業務に対応している企業を指します。会社として依頼を受け、組織的に業務を提供しています。

特徴は、以下の通りです。

  • 人員を複数抱えているため、マンパワーがある
  • 短期間で成果の達成を狙いたいときや、トラブルや急な人員補強にも対応できる
  • 代行業務以外の依頼を広げたい場合も、対応可能なことが多い
  • 実際の担当者の実力や経験で成果が左右されることがある

それぞれ一長一短があります。自社に適切な選択肢をとれるよう、それぞれの費用相場や依頼する際のメリット・デメリットを知ることが大切です。

フリーランスに営業代行を依頼するときの費用相場

フリーランスに営業代行を依頼する場合の費用は、代行業者に比べて低くなる傾向があります。

以下、フリーランスと代行業者で、報酬体系ごとの具体的な費用目安を紹介します。

フリーランスの費用相場

固定報酬型 月30万円程度以上
成果報酬型 売上の20~50%程度
複合報酬型 月額5~10万円程度以上(固定報酬)に加えて成果報酬が上乗せ

代行業者の費用相場

固定報酬型 月50万円程度以上
成果報酬型 売上の30~50%程度
複合報酬型 月額10万円程度以上(固定報酬)に加えて成果報酬が上乗せ

フリーランスに依頼したほうが、全体的にコストが抑えられ、代行業者の1/2~2/3程度の費用になることもあります。

フリーランスに営業代行依頼するときの報酬体系ごとのおすすめパターン

続いて、どのような場合にどの報酬体系を選ぶのが適切かについても紹介します。

  • 固定報酬型がおすすめのパターン
  • 成功報酬型がおすすめのパターン
  • 成果報酬型がおすすめのパターン

詳しく解説していきます。

固定報酬型がおすすめなパターン

固定報酬型とは、成果の有無にかかわらず、毎月一定の報酬額を支払う方法です。

営業活動で「販路や顧客がある程度確保されている」、「成約率が高い」場合に最適な報酬体系です。短期で依頼する場合や、営業人員が不足している企業にも向いています

依頼側にとって予算を管理しやすいというメリットがある一方で、人員が多く必要なときは、費用がかさむ可能性があります。

成果報酬型がおすすめなパターン

成果報酬型は、具体的な成果が出た場合や目標達成した場合に、報酬を支払う方法です。成果が出ないと報酬を支払う必要がありません。

しかし、成果に対する報酬が割高に設定されていることが多く、成果が多く出る場合は、固定報酬型より多く支払うケースも出てきます。

成果報酬型は「高単価、高利益の商材」の営業に向いています。

複合報酬型がおすすめのパターン

複合報酬型とは、固定報酬型と成功報酬型を組み合わせた報酬体系です。報酬のメインは成果報酬で、実費程度が固定報酬として設定されています。

テレアポなどで主に採用されている体型です。

以上、自社の扱う商材の特徴や社内の人員体制などをふまえて、報酬体系を選択するようにしましょう。

フリーランスに営業代行を頼むと得られるメリット・効果

フリータンスに営業代行を依頼するメリットは、次の4点です。

  • コストを抑えられる
  • 担当者の実績や人柄を事前に確認できる
  • 即戦力として働いてくれる
  • 柔軟に対応してもらいやすい

順番に見ていきましょう。

コストを抑えられる

フリーランスに代行依頼した場合、代行業者に発生する諸々のコストが不要なため、採用コストを抑えられます。一方、代行業者に依頼した場合は、広告費や会社の運営費用などのマージンが上乗せされるため、コストがかさむ傾向があります。

また、フリーランスの場合、柔軟に交渉しやすいため、交渉の結果コストを抑えられる可能性もあります。採用コストの抑制を優先したい企業は、フリーランスに依頼するのがよいでしょう。

担当者の実績や人柄を事前に確認できる

フリーランスの場合、はじめから当の本人とやりとりするため、実績やコミュニケーション能力、人柄を把握できます。

実績や人柄を事前に確認した上で契約の可否を検討できるため、採用を失敗しにくい点がメリットです。契約前から関係を深められるため、その後のコミュニケーションが取りやすいことも魅力です。

業者に依頼する場合は、契約後にしか担当者がわからない場合があります。担当者によっては、実績やコミュニケーション能力に不安があることもあり、成果が出ないリスクもあります。

即戦力として動いてくれる

フリーランスは即戦力として動いてくれます。フリーランスの多くが、企業で営業担当として実績を積んだ上で独立してフリーランスになっているため、実力を備えています。

また、多くのフリーランスが、これまでの経験から、得意な業界・商材・営業手法などを持っています。それらが自社のニーズとマッチしていれば、即戦力として活躍してくれるでしょう。

また、フリーランスは、個人で生計を立てているため、自ずと交渉術や対応力が培われています。営業手腕にも期待できるといえるでしょう。

柔軟に対応してもらいやすい

イレギュラーな依頼にも、フリーランスであれば柔軟に対応してもらえます。例えば、契約内容に記載されていない対応や、追加で依頼したい対応が発生したときも、フリーランスであれば個人に裁量があるため、スピーディかつ柔軟に対応してくれるでしょう。

業者の場合、イレギュラーな業務内容には社内決裁が必要です。フリーランスに比べ、臨機応変には対応しにくいでしょう。

以上、コスト面、即戦力性、柔軟性などがフリーランスの持つ魅力であることを紹介してきました。

フリーランスに営業代行を頼むときのデメリット・注意点

フリータンスに営業代行を依頼するデメリットは、次の4点です。

  • 相手の状況に左右される
  • 人材を見つけるのが難しい
  • 複数人雇用したときの調整業務が生じる
  • 顧客とトラブルが起きた場合に責任を負うこともある

順番に見ていきましょう。

相手の状況に左右される

フリーランスに依頼した場合、フリーランスの状況や都合によって、パフォーマンスの変動が生じるのが難点です。

フリーランスは通常、同時に複数の案件を抱えています。そのため、仕事量が多いときは自社に割いてもらえるリソース(時間や熱量)がセーブされがちです。

また、病気や家庭の事情などで、急に対応できない期間が生まれることもあります。基本的に替わりはいないため、その間は業務がストップしてしまうことを覚悟しなければなりません。

人材を見つけるのが難しい

フリーランスは、個々の営業スキルや経験に差があるため、自社にぴったりの人材を見つけるには努力が必要です。

また、フリーランスによって対応可能範囲に差があるため、自社の依頼内容を受けられるか、はじめにすりあわせも必要になります。

具体的には、テレアポのみが得意な人もいれば、顧客リスト作成から成約後のアップセル営業まで一貫して請け負える人もいます。

自社の成果を出してくれる最適なフリーランスを見つけられるよう、慎重な見極めが必要です。

複数人雇用したときの調整業務が生じる

フリーランスを複数人契約した場合、依頼元がフリーランス間の調整を行う必要が生じます。

状況によっては、フリーランス間で状況・情報の共有や相談が、必要となることがあるためです。そのためには、依頼元がとりまとめる場や方法を作らなければなりません。

顧客とトラブルが起きたときに責任を負うこともある

万一、フリーランスの行動によってトラブルが生じた場合、依頼元が責任を負わなればならない可能性も出てきます。

契約時の面談で注意事項の共有をしたり、業務委託契約書に責任所在を記載したりするなど、リスク回避を心がけるようにしましょう。

以上が、フリーランスに代行依頼するデメリットです。依頼側は、フリーランスの特性や立場を理解し、よりより共働体制を構築する心がけが求められるでしょう。

フリーランスに営業代行依頼するときに気をつけるポイント

フリーランスに代行依頼を行うときのポイントを紹介します。

  • 契約内容・報酬を明確にする
  • 進捗状況や成果を報告してもらう
  • 守秘義務や個人情報の管理方法を徹底する

順番に解説していきます。

契約内容・報酬を明確にする

業務委託契約書を締結し、依頼内容について詳しく規定しておくことが大切です。また、納期や報酬についての取り決めを明記してください。特に、成果報酬型や複合報酬型で報酬を支払う場合は、成果の定義や計測方法まで詳しく決めておきましょう。認識の相違が生まれやすく、トラブルが発生しやすいポイントです。

情報の取扱いについても記載することが望まれます。記載していない場合、情報漏洩が起きたときに、相手に責任を追及しにくくなります。

稼働状況や成果を報告してもらう

契約後は、稼働状況や成果の報告を定期的に求めましょう。依頼したものの進捗がわからないと、依頼側は不安になります。

契約時に、報告のペースや内容、フォーマットなどを決めて、報告を義務づけましょう。これらを行うことで、依頼した成果や費用対効果も計れます。

守秘義務や個人情報の管理方法を徹底する

フリーランスには、自社情報の管理や保護に注意してもらう必要があります。

契約時に、機密保持契約の締結や情報漏洩防止策の共有を行うことが重要です。また、定期的に情報管理のセミナーや研修会に誘うなどして、フリーランスの意識を高める働きかけも効果的でしょう。

フリーランスの営業代行は慎重に検討を

これまで、フリーランスに代行依頼する上で必要な情報を解説してきました。

営業代行を請け負うフリーランスは、ビジネスマッチングサイトなどで自社の条件を当てはめて検索することで見つけられます。また、周囲の信頼できる人からの口コミも信頼できます。

代行依頼を失敗しないためには、フリーランスの得意分野、対応領域を確認した上で契約することが欠かせません。コミュニケーションの取りやすさなど、ソフトスキルも重視しましょう。あらゆる視点をもち、慎重に選んで下さい。

検討した結果、代行業者への依頼を検討する場合は、コンペルにご相談ください精通したアドバイザーが、ヒアリングをもとに最適な会社をお探しします。

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