「メルマガの書き方のコツ」という書籍やブログはたくさんあります。
役立つ情報は沢山手に入りますが、色々と読んだ上で実践しようとしても「うまく書けない…」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
メルマガでは、コンテンツの効果的な書き方に加えて、土台となる構成作りをしっかりと行うことが大切です。
この記事ではメルマガを書き始める前に知っておくべきポイントと、読まれるメルマガの基本的なテンプレートをご紹介します。メルマガ作成に役立つ内容になっていますので、ぜひ今後の参考にされてください。
1.メルマガの書き方のコツを学ぶ前にやるべき3つのこと
メルマガで重要なのは書き方だけではありません。
メルマガを作成する前に、下記の3つのことを明確にする必要があります。
1.メルマガの役割を明確にする
2.メルマガの目的を明確にする
3.読み手(ペルソナ)を明確にする
これら3つを事前に決めておくことで、メルマガ読者に対して効果的なメッセージを発信することができるようになります。
1.メルマガの役割を明確にする
1つ目はメルマガの役割をハッキリさせておくことです。
なぜメルマガという媒体を使っているのかということを改めて理解しておきましょう。「他社もやっているから」「流行っているから」という理由で何かをスタートさせる会社はたくさんあります。
例えばホームページがいい例でしょう。「あなたの会社のホームページは、あなたのビジネスにとってどんな役割がありますか?本当に必要ですか?」と聞かれてハッキリ回答できる企業ばかりではありません。
メルマガも同じく、発行する前にはその役割を明確にすることが大切です。
・読者との信頼関係を作るためのもの
・読者に商品をセールスするためのもの
・クライアントとなる企業向けに配信するためのもの(BtoB)
など、明確なメルマガの役割を決めておくことで、効率的な運用が行いやすくなります。
2.メルマガの目的を明確にする
2つ目は配信するメルマガ(コンテンツ)の目的です。
配信するメルマガの目的を明確にすることで題材探しが行いやすくなります。
たとえば健康系のメルマガを配信している人が「サプリの種類や効果を伝え、読んだ人の健康意識を改善する」と目的を明確にしていたとします。目的が明確であればそれに合う題材を探し、メルマガ全体の内容に統一感を持たせることができます。
逆に配信目的をハッキリさせずに書き始めると、内容にぶれが生じたり、一貫性がなくなります。
3.読み手(ペルソナ)を明確にする
3つ目は、ペルソナを設定することです。
マーケティングやビジネスにおいてペルソナとは「想定顧客」のことを指します。
・年齢
・性別
・職業
・年収
・家族構成
・趣味
・休日や平日のライフサイクル
・最も暇な時間帯
・性格や嗜好
上記のように「自社が配信するメルマガの読者像」を細かく設定します。マーケティングによってリサーチする場合もありますが、理想顧客として仮に設定するだけでも構いません。
方向性に迷った時やネタ探しに困った際は、「ペルソナならどのような情報(商品)を求めるだろうか」と仮定することでメルマガの題材を考えることができます。
2.メルマガを書く際の基本構成
メルマガの基本構成にはルールはありません。
しかし一般的に下記のような構成が使われています。
1.件名
2.ヘッダー
3.リード文
4.本文
5.追記
6.配信者情報(フッター)
この基本構成で作成されたメルマガは特に読みやすいとされています。これから初めてメルマガ配信を行う場合は、上記の基本構成に沿って作成をおすすめします。
ではひとつずつ詳細を見ていきましょう。
1.件名
件名は、メールを受信したときに表示されるタイトルのことを指します。
そして、メルマガ配信において最重要とされるのはこのタイトルです。タイトルを読んだ読者が「読む価値がなさそう」、「興味がそそられない」と感じてしまうと、開封されることなく終わってしまいます。
設定したペルソナが反応しそうな単語を組み込んだり、配信しているジャンルの時事ネタなどをタイトルに盛り込みましょう。
2.ヘッダー
読者がメルマガを開いて最初に読むことになるのは冒頭部分(ヘッダー)です。
・会社名
・配信者名
・サブタイトル
・配信日時
などを簡単に記載することで読者側は「あ、これは〇〇からのメルマガだな」とすぐに判断でき、印象が良くなります。ヘッダーの部分はテンプレート化しておくと良いでしょう。
3.リード文
ヘッダーの次にリード文を入れましょう。
リード文とは記事全体の概要や要旨を簡潔に示す文章のことを指します。リード文はタイトルの次に重要とされており、メールを開いてくれた読者が本文を読むかどうかの分かれ目になる部分です。
リード文には下記のことを記載しましょう。
・メルマガの全体像(何の情報か)
・メルマガを読むことのメリット
・メルマガを読まないことのデメリット
「今回は〇〇というテーマについてです。この情報を知っておくだけで〇〇がわかるようになり、〇〇の改善に繋がります。〇〇を知らずに××すると失敗して損する可能性があるので今回のメルマガを参考にしてください」
例えば上記のような内容を200文字程度でまとめて紹介することで、メルマガの精読率を上げることができます。
4.本文
リード文の次は本文です。
本文の詳しい書き方のコツは後ほど紹介しますが、基本的な流れは「結論→理由→根拠→結論」です。この流れをベースとし、読みやすさやテクニックを駆使して心に刺さる効果的なメルマガを作成します。
5.追記
本文の後に「PS」や「追記」という形で書かれている情報は、読者に興味を持たれやすいです。「本文よりも追記の方がしっかり読まれている」というデータもあるとされています。
そのため、セミナーやセールスの特別オファーをプッシュする際などに、PSや追記を有効活用しましょう。例えばセールス情報の最後に、下記のような追記を加えておけば商品の購入率は上がるでしょう。
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追記:
今回のセール情報に加えてさらに特別なプレゼントを用意しています!
〇月〇日までに××を購入していただいた方には△△をプレゼントします。
ただし先着50名様までなので、なくなり次第終了となるためご了承ください。
購入はこちらから→(セールスページURL)
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セールスのメルマガだけではなく、知識をシェアするだけのメルマガでも追記部分は読まれやすくなります。「これだけは伝えたい」という内容については追記をうまく活用しましょう。
6.配信者情報(フッター)
メルマガの最後には必ずメルマガ の配信者情報を記載しておきましょう。
メルマガには「特定電子メール法」という法律が適用され、下記の事項をメルマガに記載することが義務付けられています。
・送信者などの氏名または名称の表示
・オプトアウト(受信拒否)の通知ができる旨の表示
・受信拒否の通知を受け取る為の送信者の電子メールアドレス
・送信者の住所、苦情・問い合わせ等を受け付けることのできる電話番号、電子メールアドレス、URL
メルマガ配信ツールではフッターをテンプレート化して、配信するメルマガに自動で挿入できる場合がほとんどです。メルマガ配信ツールに登録した場合はまずヘッダーやフッターを作成しましょう。
3.メルマガ配信のルール
前述のフッター作成部分でも紹介しましたが、メルマガ配信には読者を悪質な商法から守るため法律で定められたルールが適用されます。
具体的な内容について、一つずつ紹介します。
1.表示義務項目を記載する
1つ目は定められた表示義務項目を満たすことです。
前述していますが、メルマガには下記の点を記載する必要があります。
・送信者などの氏名または名称の表示
・オプトアウト(受信拒否)の通知ができる旨の表示
・受信拒否の通知を受け取る為の送信者の電子メールアドレス
・送信者の住所、苦情・問い合わせ等を受け付けることのできる電話番号、電子メールアドレス、URL
これらの記載は法律で定められているため、メルマガを配信する際はテンプレート化して必ず挿入しましょう。
2.購読者にはメルマガ送信の許可を貰う(オプトイン)
2つ目はメルマガに登録してもらう際に、必ず読者の許可が必要になる点です。
メルマガの購読者を増やすために、メールアドレス登録後に特別なオファーやプレゼントを配布している企業も多くあります。どのようなケースであっても、登録後にメルマガを配信する旨を記載する必要があります。
具体的には下記のようになります。
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特別プレゼントを希望の方はこちらにメールアドレスを入力し、送信ボタンを押してください!
(登録後は定期的にメルマガが配信されます)
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このように、メルマガを送る場合は、読者となる相手の了承を得る必要があります。
3.個人情報は大切に扱う
3つ目は個人情報を大切に扱うという点です。
メルマガを配信する側は、登録してくれた読者のアドレスや個人情報(氏名など)を安全に管理する義務があります。ホームページなどに「個人情報の取り扱いについて」というページを作り、メルマガ内にURLを記載しておくのもよいでしょう。
4.開封率を上げるメルマガの書き方のコツ
ここまではメルマガを書き始める前に知っておくべきことについて紹介しました。
ここからいよいよメルマガの書き方について紹介します。
まずはメルマガの開封率(届いたメールが開封される確率)を上げる方法についてです。
開封率を上げるための工夫として、具体的に下記の点を意識しましょう。
・到達率を上げる工夫をする
・ニーズに合わせた内容を送信する
・興味を引くタイトル(件名)をつける
・開封されやすい時間帯に送信する
・開封されやすい頻度で送信する
・配信する日時を固定化する
・継続的な信頼関係を作る
上記の開封率を上げるコツを一つずつ紹介します。
1.到達率を上げる工夫をする
メルマガには開封率とは別に「到達率」というものがあります。
到達率とは、「送信したメルマガが読者全体の何パーセントの人に届いているか?」を示す割合を指します。例えば100人の読者にメルマガを送信し、実際にメルマガが届いた人が70人なら到達率は70%です。
メールサーバーにスパムメールだと判定されてしまうと、自動的に破棄されることもあります。こういったトラブルを避けるためにも、メルマガを開始したら「到達率」を上げる工夫をしましょう。
具体的には下記のようなものがあります。
・送信ドメイン認証を行う
・配信エラーになるリストは削除する
・本文に大量のURLを記載しない
・読者に迷惑フォルダーに振り分けられていないよう注意してもらう
2.ニーズに合わせた内容を送信する
メルマガが無事に読者のメールボックスに届いても、読者がメルマガの内容に興味を持てなければその後の開封率は上がりません。
そのためメルマガを作成する際は読者のニーズを理解しておくことが必要です。こちらの伝えたいことをただ伝えるのではなく、読者が知りたいこと、聞きたいことを踏まえてメルマガを配信しましょう。
3.興味を引くタイトル(件名)をつける
メルマガにおいてタイトルは非常に重要な項目です。
どんなに素晴らしい内容のメールでも、開かれなければ読んでもらえません。
読者が興味を持てるタイトルを作成するために、下記の点に注意しましょう。
・具体性(例:数字や数値を入れる)
・ニュース性(例:話題になっていることについて言及する)
・意外性(例:一般常識とは真逆のことをいう)
・緊急性(例:すぐに読まなければいけないと思わせる)
4.開封されやすい時間帯に送信する
配信されるメルマガに読者が興味を感じ、読みたいと思ったとしても、配信される時間が悪ければ他のメールに埋もれてしまいます。できるだけ多くの人が開封しやすい時間帯にメルマガを配信するようにしましょう。
一般的には朝7時以降の通勤中の時間や、夜7〜8時以降の夕食を終えた時間の開封率が高いとされています。多くの人が活動していないような時間帯にメルマガを送信してしまうと、開封率は大きく下がるので注意しましょう。
5.開封されやすい頻度で送信する
メルマガの質が高くても、配信頻度が高すぎては開封率は下がります。
配信頻度は1週間あたり4通前後にしましょう。
6.配信する日時を固定化する
メルマガの配信日時は固定すると開封率が上がりやすくなります。
テレビ番組のように「毎週○曜日○時」と決まっていれば習慣として見てしまうように、メルマガも配信する日時を固定化すると読者の習慣となり開封してもらえる確率が上がります。
7.継続的な信頼関係を作る
ここまでも紹介したとおり、メルマガはタイトルは配信頻度など、気を付ける点が多くあります。
最も大切なのは読者と継続的な信頼関係を作ることです。読者から「この会社のメルマガは有益で、信頼できる情報だ」と思ってもらえれば、タイトルや配信日時が多少バラついていても読んでもらえますし、商品をセールスしたときの購入率も上がります。
短期的な成果を重視するだけでなく、長期的な目線で読者との信頼関係を築いていきましょう。
5.読みやすいメルマガの書き方のコツ
続いて読みやすいメルマガの書き方のコツについてご紹介します。
下記の点に注意するだけでメルマガの読みやすさは格段に上がります。
・結論を先に言う
・メルマガの目的を一つに絞る
・感じ・ひら・カナ・英数字のバランスを考える
・改行を違和感なく使う
・読者へ語りかけるように書く
上記の点について、一つずつ紹介します。
1.結論を先に言う
読みやすいメルマガの基本は最初に結論を言うことです。
様々な文章術やコミュニケーション術においても「先に結論を言う」大切さがよく言われます。先に結論を言うことでその後の文章が読者にとって読みやすいものになるからです。
例えばこの記事は「メルマガの書き方のコツ」について紹介することを明言しています。そのため、一目でどういった内容が書かれているかがわかり、記事の方向性をすぐ理解することができます。
2.文章の目的を一つに絞る
メルマガを配信する際は、1通のメルマガのテーマは1つに絞りましょう。
メルマガを書いていると、次々と伝えたいアイデアを思いつくことがあります。そうなると1つのメルマガ内にテーマや結論が増えることになり、全体の軸がブレてしまいます。読者は「今日のメルマガは何が言いたかったんだろう」という感想を抱くことになります。
そのため、1通のメールのテーマや結論、目的は1つに絞りましょう。
3.漢字・ひら・カナ・英数字のバランスを考える
文章の執筆において、漢字やひらがな、カタカナ、英数字のバランスは読みやすさに直結します。
特定の文字の種類ばかりになると読みにくなります。文章を作成したあとは一度読み返し、スムーズに読めないと感じた箇所があればバランスを整えましょう。
4.改行を違和感なく使う
文章を書く上で、初心者に多いのが「改行をほとんどしない」もしくは「改行をしすぎている」文章です。
最近ではスマホユーザーも多くなっているため、改行もスマホでスムーズに読めるようにすることが大切です。作成したメルマガをスマホモードで閲覧し、読みやすく違和感のない改行とバランスを心がけましょう。
5.読者へ語りかけるように書く
メルマガはリアルな接客とは違い、お客さんの表情や人間性を確認することができません。
配信する側としてもイメージがわかないため機械的な文章になってしまいがちです。特に基本的な文章の書き方は形式的なものが多く、読者としては読んでいて面白くない上に親近感の湧くものではありません。
読者がメルマガを読んでいる様子をイメージをしながら、語りかけるような口調で執筆することを心掛けましょう。
6.メルマガの精読率がUPする書き方のテンプレート
読まれるメルマガにするための構成は、概ね効果的な文章作成と同様です。
ここでは効果的な文章の構成として有名なもの3つを紹介します。
自分が発行するメルマガの趣旨に合わせて使い分けてみてください。
1.BEAFの法則
1つ目は『BEAFの法則』です。
BEAFとはそれぞれの段階ごとの頭文字を表し、下記のような構成で書くことを推奨しています。
・【利益】B…Benefit
・【論拠】E…Evidence
・【優位性】A…Advantage
・【特徴】F…Feature
主に商品のセールスレターで使われることが多い構成です。
まず最初に、メルマガで紹介する商品や内容について「読者にどのような利益をもたらすか」を説明します。次にその根拠を説明し、他の商品や内容と比べての優位性を示します。それから最後に具体的な情報を紹介するという流れになります。
読者にとって気になるのは「買うことでどんな利益があるのか?」ということなので、それを最初に説明しておくことが大切です。
2.PREP法
2つ目は『PREP法』です。
PREPも同じく段階ごとの頭文字をとっており、それぞれは下記のとおりです。
・【結論】P…Point
・【理由】R…Reason
・【具体例】E…Example
・【結論】P…Point
PREP法はセールスだけではなく、プレゼンテーションなどでもよく使われる構成です。
まず「今回の結論は〇〇です」と主張したうえで、その結論の関する理由を「なぜなら…」と説明し「例えば…」と実際に起こったことなどを具体例としてあげます。そして最後にもう一度結論を述べるといった構成です。
シンプルかつ強力で、誰でも文章の説得力を高められる方法です。まずはこのテンプレートに沿って文章を作成してみましょう。
3.SUCCESsの法則
3つ目は『SUCCESsの法則』です。
SUCCESsの法則は構成ではなく、文章全体に適用するべきポイントについてで、もともとはプレゼンテーションで成功するための法則として有名になったものです。
・【単純明快】S…Simple
・【意外性】U…Unexpected
・【具体性】C…Concrete
・【信頼性】C…Credible
・【感情に訴えかける】E…Emotional
・【物語性】S…Story
『BEAFの法則』や『PREP法』との大きな違いは、論理だけではなく「感情を動かす」ということも考慮している点です。人は論理的・合理的なだけでなく感情的にも物事を判断します。そのため論理に加えて感情を動かす、ダイナミックさが必要になります。
始めから全てを網羅することは難しいと思いますが、要素をひとつずつピックアップしてメルマガを執筆する際に意識してみてください。
まとめ
いかがでしたか。「メルマガの書き方のコツ」と聞くと、文章的なテクニックを想像する方も多いでしょう。文章的なテクニックは世の中に多くありますが、メルマガで効果的な文章を書くために下記の3つの要素を大切になります。
1.メルマガの役割を明確にする
2.メルマガの目的を明確にする
3.読み手(ペルソナ)を明確にする
上記の3つが決まっていないと、メルマガ全体の軸がブレたりして効果の上がらないメルマガになりやすいです。基礎となる土台作りをしっかりと行った上で、今回ご紹介した様々なコツを活かし、ぜひ効果的なメルマガ配信を行ってください!