デザイン思考(デザインシンキング)とは、デザイン制作に使われる思考方法を、ビジネスや経営に応用するアプローチのことを言います。単に色やデザインを考えるということではなく、未知の問題や前例のない課題に直面した際に、役に立つ思考法です。問題解決に向けて、ユーザー視点に立って考えることが、大切なポイントです。

デザイン思考の5段階

代表的なものの一つに、ハーバード大学デザイン研究所のハッソ・プラットナー教授が提唱した「デザイン思考の5段階」という思考モデルがあります。これは、①観察・共感→②定義→③概念化→④試作→⑤テストという5つの段階のプロセスを繰り返し行っていくことで、製品やサービスの成功に導いて行くというものです。つまり、サービスのニーズを理解した上で課題を見つけ、アイデアを出し、試行錯誤を繰り返していくことで課題の解決につなげることを言います。

デザイン思考のメリット・デメリット

デザイン思考は様々なアイデアを出し、とりあえず試してみるという思考なので、失敗をすることも多いです。しかし思わぬ成功を生む場合や、試していくうちに失敗に対する恐怖心が薄れ、クリエイティブなアイデアが生まれたり、多様な意見を受け入れられる力が身についたりするといった大きなメリットもあります。

このように、万能に思えるデザイン思考ですが、ゼロベースで何かを作り出すのは不向きです。デザイン思考は、ユーザーのニーズをもとに考え出す概念なので、まだどのようなユーザーを獲得するのかわからない商品について考えていくのには限界があると言えます。

デザイン思考の事例

デザイン思考の成功事例としては、任天堂のWiiが挙げられます。当時、ゲーム機によって子供がリビングに滞在する時間が短くなり、親子の関係が悪化しているという状況が確認されていました。そこで任天堂は、家族で楽しめることをコンセプトにして、ゲーム機を作るという構想を立てました。リビングにおいても邪魔にならないコンパクトな形状や、家族みんなで使えるリモコンのようなコントローラーなどを考え、細かい点を試行錯誤し、Wiiは開発されました。その後Wiiは世界で5000万台売り上げたため、デザイン思考の大成功例だと言えます。

現在の日本は、物質的に豊かになり、物を手に入れただけでユーザーのニーズは満たされません。物を手に入れた後の、満足度までがニーズを満たす要素になっています。そのためには、ユーザー視点に立って考える、デザイン思考の考え方が必要になってきます。

 

【デザイン思考(デザインシンキング)

読み方:でざいんしこう(でざいんしんきんぐ)

英語:Design thinking

例文
(1)会社全体でデザイン思考を取り入れたことで、多様な意見が受け入れられるようになった。
(2)デザインシンキングは、既にある商品を飛躍させるのには向いているが、新しく商品を作り出すのには不向きだ。
(3)デザイン思考でユーザーの本質的なニーズを分析する。
(4)デザイン思考で課題解決を試みる。

 

 

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