WEBマーケティングの分野における重要な言葉として、「コンバージョン」があります。新しくマーケティング担当になった方や、今後個人でWEBマーケティングを考えている方は必ず覚えておきましょう。

今回の記事では、コンバージョンの意味や種類から、実際にコンバージョン率を改善しWEBマーケティングを成功させるためのコツまでわかりやすく詳しくご紹介します。ぜひ今後の参考にされてください。

1.コンバージョンとは?

コンバージョン(CV、Conversion)とは、変換・転換という意味を持つ言葉です。マーケティング分野では、サイト運営者が最終目標としている顧客のアクションのことを指します。

例えば「消費者による商品Aの購入」というサイト運営者の目標があった場合、実際に消費者がAを購入すれば「ひとつコンバージョンを獲得できた」といえます。

訪問ユーザー数に対するコンバージョン数を「コンバージョン率」や「成約率」、「CV率」、「CVR(コンバージョンレート)」とも言います。

2.コンバージョンが最重要とされている理由

コンバージョンはWEBマーケティングでは「最重要」とされています。その理由には下記の2つがあります。

・サイトの最終目標を達成するため
・サイトの効果測定・改善のため

次に、それぞれについて詳しく紹介します。

1.サイトの最終目標を達成するため

1つ目は、サイトの最終目標を達成するためです。

何をコンバージョンと設定するのかはそれぞれの運営者により変わりますが、コンバージョン=そのサイトが目指すべき最終目標となります。

たとえば、「顧客の商品購入=最終目標」だった場合、その商品が売れることがコンバージョンとして設定されます。サイトを運営していくうえでコンバージョン率が上がっていないのであれば、そのサイトの目標は達成されていないことになります。

企業や個人事業主がWEBマーケティングを行う上ではこのコンバージョン率を上げることが一つの目的となります。

2.サイトの効果測定・改善のため

2つ目は、サイトの効果測定・改善のためです。

前述のとおり、コンバージョンはそのサイトの最終目標となりますが、「コンバージョン率が上がらない」としても一概に無駄とは言えません。それは「今回の方法ではコンバージョン率が上がらなかった」という一つの結果だからです。

コンバージョンを設定することによって、目標に向かってうまく進めているかどうかの効果測定が行いやすくなり、改善のために対策を取りやすくなります。このように、コンバージョンを設定することは、WEBマーケティングを行っていく上で重要な作業となります

3.コンバージョンの種類

コンバージョンには下記のようにいくつかの種類があります。

・直接コンバージョン
・間接コンバージョン
・総コンバージョン、ユニークコンバージョン
・クリックスルーコンバージョン 、ビュースルーコンバージョン

感覚的に理解できるものもあれば、説明が必要なものもあるので、それぞれの意味をまとめて理解しておきましょう。

①直接コンバージョン

「直接コンバージョン」とは、出稿した広告等からWEBサイトに訪れたユーザーが、コンバージョンまで至ることを指します。

例えば、商品の広告を見たユーザーがWEBサイトに訪れて商品を購入すれば、「直接コンバージョン」となります。

②間接コンバージョン

「間接コンバージョン」とは、広告経由でWEBサイトを訪れたユーザーが、その場ではコンバージョンに至らずにサイトを離脱したあと、再度WEBサイトに訪れてコンバージョンすることを指します。

「間接コンバージョン」にフォーカスしてコンバージョン率の改善に取り組むことは、アクションを起こしうる潜在顧客を引き付けることになります。そのため直接コンバージョンと合わせて重要になります。

③総コンバージョン・ユニークコンバージョン

あるユーザー1人が、広告を経由して商品を2回購入した場合、
「コンバージョン」は2、「ユニークコンバージョン」は1
となります。

「総コンバージョン」はコンバージョンの数をカウントしているのに対して
「ユニークコンバージョン」は人数をカウントしています。

商品などの購入数を重要視する場合は「総コンバージョン」を、リピーターやファンがどのくらいいるのかを計測したいときは「ユニークコンバージョン」などと、各WEBサイトやマーケティングの目的によってどちらを重視するかは変わります。

④クリックスルーコンバージョン・ビュースルーコンバージョン

「クリックスルーコンバージョン」とは、広告をクリックしたユーザーがそのままコンバージョンに至ることを表します。「ビュースルーコンバージョン 」とは、広告は見たがクリックしなかったユーザーが、ユニーク検索などを経由してWEBサイトの訪れコンバージョンに至ることを表します。

少し複雑ですが「広告を見て気になって買った」がクリックスルーコンバージョン 「広告を見たけど無視した。でも気になって後から自分調べて買った」がビュースルーコンバージョンとなります。

ここまで計測するのはかなり細かいデータ収集をする場合のみに限られるので、まずは意味だけを覚えておくと良いでしょう。

4.マイクロコンバージョンとは?

ここまで紹介したコンバージョンの種類とは別に、「マイクロコンバージョン 」があります。これは最終的な目標(コンバージョン)までに至るまでの間のユーザーの行動を段階的に分けて考えるものです。

1.マイクロコンバージョンとコンバージョンの違い

「マイクロコンバージョン」はシンプルに「中間目標」を考えるといいでしょう。

例えば、最終目標であるコンバージョンに「商品購入」があるとします。商品購入に至るまでに「メルマガ登録」→「資料請求」→「カートへの追加」→「購入フォーム入力」→「決済ボタンのクリック(商品購入)」という段階がある場合、「決済ボタンのクリック(商品購入)」の前までがマイクロコンバージョンとなります。

2.マイクロコンバージョンを設定するメリット

マイクロコンバージョンを設定することにより、最終的なコンバージョンだけではなく、ユーザーの途中経過も数値として確認することができます。

例えば、「メルマガ登録」というマイクロコンバージョン(中間目標)は増えているのに、「商品購入」というコンバージョン (最終目標)は増えていないとします。この場合、「メルマガ登録」と「商品購入」の間に何か問題があることがわかります。

このように最終目標だけでなくその過程にもフォーカスすることで、WEBマーケティングを成功させるための改善に役立ちます。

5.コンバージョンの計算方法は?平均値について

WEBマーケティングにおいてコンバージョンは「コンバージョン率」という数値で表されることがほとんどです。「コンバージョン率」とは、サイト訪問者数のうちコンバージョンに至った割合を示します。

100人がWEBサイトを訪れて、10人が商品を購入すればコンバージョン率は10%です。

では、実際に世の中のWEBマーケティングにおけるコンバージョン率はどのくらいなのでしょうか?結論からいうと、扱う商材や企業によって幅があります。通常1%程度といわれていますが、有名ブランドでは3%前後、セール中は10%アップするなど、コンバージョンはその時々や企業によって異なります。ファン化・コミュニティ化している企業であれば、コンバージョンは一般の数値より高いでしょう。

このように、平均値はケースによって異なるため、参考程度に知っておきましょう。

6.WEBマーケティングにおけるコンバージョンの例

WEBマーケティングにおけるコンバージョンの例としては下記のようなものがあります。

・ECサイト・ネットショップ
・情報提供サイト・会員サイト
・企業サイト・商品紹介サイト

1.ECサイト・ネットショップ

ECサイト・ネットショップのコンバージョンは「商品購入」が一般的です。

商品購入までに辿るマイクロコンバージョンを設定し、マーケティングの効果測定を行いながらコンバージョンに繋げていく方法が多くなります。

2.情報提供サイト・会員サイト

情報提供サイトや会員サイト、オンラインサロンなどでは、商品購入ではなく「会員登録」がコンバージョンとして設定されます。

コンバージョンの難易度は会員登録にかかる費用などにもよって変わります。例えば有料コミニュティの場合はクロージングに工夫が必要になりますが、無料メルマガの登録であれば比較的ハードルが低くなります。

3.企業サイト・商品紹介サイト

企業サイトでは「採用への応募」、商品紹介サイトであれば「資料請求」、「商品問い合わせ」などがコンバージョンとして考えられます。しかし中には特にコンバージョンを設定していない企業もあります。

7.コンバージョン率を上げるためにできること

最後にコンバージョン率を上げるためにできることとして、下記の8つを紹介します。

・ロジックツリーで視覚化する
・マイクロコンバージョンを設定する
・WEBサイトの目的に合うユーザーを集客する
・サイトの導線を改善する
・WEBサイト利用時のストレスを減らす
・質の高いコンテンツを作成する
・継続的に計測と改善を繰り返す

WEBマーケティングを担当する方や、個人でWEBマーケティングを実践している方は参考にしてください。

1.ロジックツリーで視覚化する

1つ目はロジックツリーを有効活用することです。ロジックツリーは、物事を分解して要素を深掘りし、視覚化することで問題箇所の発見や目標設定などを行う手法です。

例えば「商品の購入」というコンバージョンに対して「そのページに辿り着く要素は何か?」をピックアップしていきます。「WEBサイト」という項目が出てきたらさらに「そのページに辿り着く要素は何か?」と深堀し、このような工程を繰り返します。

そうするとツリー状に「商品の購入」に繋がるまでの各段階の要素が視覚化されます。視覚化されたロジックツリーをもとに、どこに力を入れて広告を打てばいいのか、マーケティングを展開すればいいのか等が導き出せるようになります。

このように、ロジックツリーにはWEBサイトのコンバージョン率上げるための地図のような効果があります。

2.マイクロコンバージョンを設定する

2つ目はマイクロコンバージョンの設定です。

これは解説したとおり、一種の「中間目標」を作ることで、最終的なコンバージョンへの道筋・導線がうまく機能しているかを確認することができます。

前述のロジックツリーを使い、どこを(なにを)マイクロコンバージョンにするかを決め、改善することで、最終的なコンバージョン率アップを期待できます。

3.WEBサイトの目的に合うユーザーを集客する

3つ目はWEBサイトの目的に合うユーザーを集客することです。

集客した人数だけを目的にしてしまうと、実際集客できたユーザーがコンバージョンに適したユーザーとは限りません。例えば、女性用化粧品の購入をコンバージョンとしたマーケティングしているのであれば、男性でなく女性のみにターゲットを絞る方が効率的です。

コンバージョン達成のためには、目的に沿ったユーザーの集客が必要です。厳選したターゲット層に最適な集客を行うことで、コンバージョン率が改善します。

4.サイトの導線を改善する

4つ目は、サイトの導線を改善することです。サイトの導線がうまく機能していない場合、コンバージョン率が上がりにくくなります。

例えば、メルマガの登録から商品購入を最終的なコンバージョンと設定しているとします。メルマガの登録URLがわかりにくい場所に設置されていたり、利用ユーザーの少ないSNSに設置していたりしては、コンバージョン率は上がりません。

前述のロジックツリーを活用して導線をいかに設置するかなどを再検討することで、コンバージョン率をアップさせることが期待できます。

5.WEBサイト利用時のストレスを減らす

5つ目はWEBサイト利用時のストレスを減らすことです。

うまくユーザーを誘導できても、WEBサイトの表示スピードが遅かったり、スマホでは見にくいといった場合にはコンバージョン率が下がる原因となります。ユーザビリティの向上を図ることで、導線や誘導テクニックを合わせて効果的にコンバージョン率をアップさせることが期待できます。

6.質の高いコンテンツを作成する

6つ目は質の高いコンテンツを作成することです。

WEBマーケティングにはさまざまなノウハウやテクニックがあります。しかし、そもそものコンテンツの質が低ければ集客には繋がりません。コンバージョン率を上げてWEBマーケティングを成功させるために、継続的にコンテンツの質を高めていくことが重要です。

7.継続的に計測と改善を繰り返す

7つ目は継続的に計測と改善を繰り返すことです。これはどのマーケティングでも同じですね。

コンバージョン率を上げるためにも、マイクロコンバージョンなどをもとに常に改善する意識が大切です。コンバージョン・マイクロコンバージョンを設定し、Googleアナリティクスなどのツールで計測しつつ、コンバージョン率の改善を目指しましょう。

まとめ

今回の記事では、コンバージョンの意味から、実際にコンバージョン率を改善するコツまでわかりやすく詳しくご紹介しました。コンバージョンとはWEBサイトにおける重要な指標となります。現行の対策がどれだけ目標達成に効果を出しているのかを数値化できるため、今後の方向性を決めるうえで有効な情報源です。

コンバージョン率を確認しながら、問題点や改善点を分析して継続的に内容をブラッシュアップさせましょう。ぜひ今回の内容を参考にし、コンバージョン率のアップを図ってみてください。

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