SaaS企業の多くは、専門性の高い営業スキルの確保や営業リソースの不足など、さまざまな営業課題を抱えています。市場競争が激化する中、効率的な営業体制の構築は、事業成長のためにも必要です。
このような課題を解決する選択肢として、営業代行サービスが注目を集めています。SaaS業界に精通した営業代行企業を活用すれば、専門的なスキルを持つ人材の確保や、営業リソースの最適化が可能になるでしょう。
本記事では、SaaS企業向けの営業代行サービス5社の特徴や、料金体系までわかりやすく解説していきます。営業体制の強化を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
SaaS企業向けの営業代行サービス会社5選
SaaS企業向けの営業代行サービスは、近年注目を集めています。多くのSaaS企業が営業リソースの確保や効率的な市場開拓に課題を抱える中、専門性の高い営業代行サービスが解決策として台頭してきました。
ここでは、SaaS業界での実績が豊富で、高い評価を得ている5社を紹介します。それぞれの企業が持つ強みや特徴的なサービス内容を確認していきましょう。
株式会社ネオキャリア
出典:ネオキャリア公式
株式会社ネオキャリアは、20年以上の実績を持つ人材サービス企業として、SaaS企業の営業課題を包括的に解決するサービスを提供しています。
ネオキャリアの特徴は、テレアポからインサイドセールス、営業代行まで、営業プロセス全体をワンストップで支援できる体制を整えている点です。専属チームによる業務設計から実施まで、一貫した支援を受けられるため、SaaS企業は自社の営業活動に集中できます。
ネオキャリアの概要は、以下のとおりです。
代行業務 |
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料金体系 | コール課金型 |
料金 | 個別お見積り |
実績 | 10,000社以上の取引実績(ネオキャリアグループ年間支援実績) |
所在地 | 東京都新宿区西新宿1丁目22番2号 新宿サンエービル2F |
ネオキャリアのサービスを活用すれば、SaaS企業が抱えるリード獲得から商談化までの課題をスムーズに解消できるでしょう。
株式会社ジャパンプ
出典:ジャパンプ公式サイト
株式会社ジャパンプは、SaaS業界を含む幅広い業界で10年以上の営業代行実績を持つ企業です。新規アプローチからクロージングまで、営業プロセス全体をカバーする総合的なサービスを提供しています。
ジャパンプの特徴的な点は、料金体系の透明性と柔軟性です。コール課金型と固定報酬型の2つの選択肢を用意していて、企業のニーズや予算に応じて最適な契約形態を選べます。
例えば、コール課金の場合はリスト1件あたり300円からと明確な価格設定で、訪問営業代行では月額50万円からと具体的な金額が提示されています。料金の透明性は、予算計画を立てる際の判断材料となるでしょう。
株式会社ジャパンプの概要は、以下のとおりです。
代行業務 |
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料金体系 |
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料金 |
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実績 | 300社以上の営業支援実績 |
所在地 | 東京都新宿区新宿5-4-1 新宿Qフラットビル8F |
新規開拓からの商談化に課題を抱えるSaaS企業にとって、明確な料金体系と豊富な実績を持つジャパンプのサービスは、魅力的な選択肢となるでしょう。
セイヤク
出典:セイヤク公式サイト
20年以上の人材サービス実績を持つウィルオブ・ワークが展開するセイヤクは、特にIT業界での営業支援に定評があります。従来の営業代行サービスとは一線を画す、包括的な支援体制が特徴です。
セイヤクの強みは、商談獲得から契約締結後のフォローまで、営業プロセスを一貫して支援できる体制です。直接雇用の専門スタッフによる高品質なサービス提供により、導入企業の営業課題を着実に解決していきます。
セイヤクの概要は、以下のとおりです。
代行業務 |
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料金体系 |
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料金 |
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実績 | 2800社を超える取引実績 |
所在地 | 東京都新宿区新宿三丁目1番24号 京王新宿三丁目ビル3階 |
2,800社を超える支援実績からは、大手企業からスタートアップまで、幅広い企業の信頼を獲得していることが分かります。営業課題に応じて柔軟にチーム編成を行い、企業のフェーズやニーズに合わせた最適な支援を提供している点も、多くの企業から評価されている理由でしょう。
セレブリックス
出典:セレブリックス公式サイト
セレブリックスは、SaaS企業のインサイドセールスに特化した独自の営業システムで、業界から注目を集めている営業支援のスペシャリストです。12,000商品以上の営業支援実績を持つ同社は、戦略立案から実践的な営業活動まで、包括的なアプローチを提供しています。
ターゲット企業の選定から商談、契約締結まで、営業プロセス全体を見据えたシステム構築がセレブリックスの強みです。とりわけSaaS業界向けのインサイドセールスでは、業界特有の商談プロセスを熟知したチームが、成果にこだわった支援を展開しています。
セレブリックスの概要は、以下のとおりです。
代行業務 |
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料金体系 |
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実績 | 12,000商品以上の営業を支援 |
所在地 | 東京都江東区有明3-7-18 有明セントラルタワー7階 |
セレブリックス社は、企業ごとの営業課題に合わせて柔軟に対応できる提案力が強みです。営業支援と人材支援を組み合わせたアプローチにより、課題解決だけではなく、持続的な成果を生み出す仕組みを提供してもらえるでしょう。
3MA
出典:3MA公式サイト
IT業界のインサイドセールスに特化した営業支援で、独自のポジションを確立しているのが株式会社3MAです。
外資系IT企業出身者が設立し、同様のバックグラウンドを持つ営業チームが集結している点が、3MAの強みです。
特にシステム部門やDX部門へのアプローチに優れた実績を持ち、SMBからエンタープライズまで幅広い企業層への支援経験を有しています。従来型の営業手法に留まらず、データ分析に基づいた科学的なアプローチが特徴的です。
3MAの概要は、以下のとおりです。
代行業務 |
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料金体系 |
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実績 | SMB~エンタープライズ企業まで多数の開拓実績 |
所在地 | 東京都目黒区碑文谷5-9-13-101 |
営業活動では、架電やメールだけではなく、SNSや手紙など、多角的なコミュニケーション手段を用います。ターゲット企業の特性に応じて最適な手法を選択し、効率的なキーパーソンへのアプローチを実現できるでしょう。
SaaS企業が抱える営業課題
SaaS企業の営業活動には、従来型のソフトウェアビジネスとは異なる独自の課題があります。サブスクリプション型のビジネスモデルや、クラウドベースのサービス提供という特性から、営業プロセスにも特別な配慮が必要です。
ここでは、多くのSaaS企業が直面する主な営業課題を詳しく見ていきましょう。
専門性の高い営業スキルの必要性
SaaS製品の営業活動では、高度な専門性を持つ営業担当者の確保は、多くの企業が直面する課題の一つです。
なぜなら、SaaS製品の営業には、従来の営業スキルに加えて、ITの専門知識やクラウドサービスへの深い理解が求められるからです。
例えば、顧客企業のシステム環境を理解した上で、製品の技術的メリットを説明できる能力や、導入後の運用イメージを具体的に提示できるスキルが求められます。
具体的には、以下のような専門性が求められるでしょう。
- クラウドサービスの技術的な基礎知識
- 顧客企業のDX戦略を理解する業界知見
- 導入効果を数値で示せる分析力
- 既存システムとの連携に関する提案力
専門性の高い人材の育成には、通常6ヶ月から1年程度の時間を要します。即戦力となる人材の採用も、市場での人材不足から難しい状況が続いています。
結果として、多くのSaaS企業は営業力の強化に苦心し、事業成長のボトルネックとなっているのが現状です。
営業リソースの不足
SaaS企業、特に事業拡大を目指す段階にある企業にとって、営業リソースの不足は課題の一つです。
急速な市場拡大に対して営業体制が追いつかず、商談の機会を逃してしまうケースも少なくありません。具体的には、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 少人数の営業チームで、多数の案件を抱えざるを得ない
- 既存顧客のフォローと新規開拓の両立が困難
- 商談の質を高める準備時間が不足している
- 増加するリードに対して、適切なフォローアップができない
特に問題となるのは「質の高い商談」の実施です。営業担当者が多くの案件を同時に抱える状況では、個々の商談に十分な時間を割けません。その結果、商談の質が低下し、成約率も下がってしまいます。
新規開拓に注力するあまり、既存顧客のフォローが疎かになるケースもあり、解約率が上昇し、事業の持続的な成長を妨げるリスクが高まります。
市場での認知度向上の難しさ
SaaS市場が急速に拡大する中、新規参入する製品やサービスが増加しており、市場での認知度を高めることが多くの企業にとって課題の一つとなっています。特に新興のSaaS企業にとって、自社製品の価値を競合の中で理解してもらうのは簡単ではありません。
認知度の低さは、営業活動で以下のような課題を引き起こします。
- 初期接触時に信頼を得るのが難しい
- 競合製品と比較検討される機会が少ない
- 商談までのプロセスが長引きやすい
- 営業担当者が製品説明に多くの時間を割く必要がある
例えば、市場シェアの高い競合製品が存在する分野では、新規参入製品がどれだけ優れた機能を持っていても、そもそも検討リストに入れてもらえない場合もあります。
製品の認知度が低いと、営業の多くの時間を「なぜその製品を選ぶべきなのか」という基本的な説明に使わざるを得なくなり、本来の商談に十分な時間を割けない課題にもつながります。
SaaS営業代行の料金体系と相場感
SaaS営業代行サービスを検討する際、多くの企業が気になるのが料金体系と具体的な費用感でしょう。営業代行サービスには、固定料金型、成果報酬型、2つを組み合わせたハイブリッド型など、さまざまな料金体系が存在します。
ここでは、主な料金体系の特徴や相場観を詳しく解説します。
固定料金型
固定料金型は、営業活動の成果に関わらず、毎月定額の料金を支払う基本的な料金体系です。SaaS企業が新規に営業代行サービスを導入する際、最も選択されるプランの一つです。
固定料金型のメリットは、予算管理のしやすさにあります。毎月の支出が明確に定まっているため、事業計画が立てやすく、特に成長過程にあるSaaS企業にとって、リソース配分の計画が立てやすい利点が挙げられます。
一方で、以下のような特徴も理解しておかなければなりません。
- 営業成果の有無に関わらず一定額を支払う必要がある
- 長期的なプロジェクトや継続的な営業活動に適している
- 専属チームの確保が可能で、安定した営業活動が期待できる
固定料金の相場は、一般的な営業代行より高めに設定されることが多く、一人当たり月額30万円~50万円が目安となります。これは、SaaS製品の営業に求められる専門知識や技術的理解が必要とされるためです。
成果報酬型
成果報酬型は、営業活動の具体的な成果に応じて報酬が発生する料金体系で、成果を重視するSaaS企業から注目を集めています。
アポイント獲得や契約締結など、明確な成果指標に基づいて料金が設定されるため、費用対効果を重視する企業に適しています。
具体的な料金相場としては、商談アポイントの獲得で1件あたり約2万円、売上連動の場合は売上の30%以上が一般的です。ただし、この料金設定は成果の定義によって変動する可能性があるため、事前に確認する必要があります。
成果報酬型の料金体系で特に重要なのが「成果」の明確な定義です。具体的には、以下のような点を確認しておきましょう。
- どの段階を成果として認定するのか
- 成果達成までの期間設定
- 契約金額と報酬の連動方法
- 解約時の報酬調整ルール
成果が出なければコストが発生しないため、リスクを抑えた営業活動が可能です。ただし、成果が予想以上に上がった場合は、想定以上の費用が発生する可能性もあるため、予算管理には注意が必要です。
ハイブリッド型(固定+成果報酬)
ハイブリッド型は、固定報酬型と成果報酬型のメリットを組み合わせた料金体系です。基本となる固定報酬に加えて、成果に応じた報酬が上乗せされる仕組みです。
ハイブリッド型の料金体系の特徴は、安定した営業活動の基盤を確保しながら、高い成果を追求できる点にあります。固定報酬により営業リソースを継続的に確保でき、成果報酬部分が営業チームのモチベーション維持にもつながります。
ただし、以下のような点には注意が必要です。
- 契約条件が他の料金体系と比べて複雑になりやすい
- 固定部分と成果連動部分の適切なバランス設定が重要
- 予算管理では両方の要素を考慮する必要がある
- 成果の定義や計算方法を明確にしておく必要がある
とはいえ、リスクとリターンのバランスが取れた料金体系であり、長期的な営業支援体制の構築を目指すSaaS企業には理想的な選択肢となるでしょう。
SaaS業界に強い営業代行を選んで課題解決に役立てよう!
SaaS業界の営業代行サービスは、専門性の高い営業スキルの確保や、リソース不足の解消など、多くの企業が抱える課題を解決する有効な選択肢となっています。
各社それぞれに特徴があり、IT業界での実績や料金体系もさまざまです。自社の課題や目標に合わせて、最適なサービスを選択する必要があります。
SaaS業界での支援実績や専門知識、料金体系と自社の予算のマッチング、支援体制の充実度、そしてデータに基づいた効果測定の仕組みなどを総合的に評価すれば、より適切な選択が可能となるでしょう。
営業代行サービスを活用すれば、市場での競争力を高め、効率的な事業成長を実現できます。まずは自社の課題を明確にし、それに合致したサービスを選ぶことから始めてみましょう。