営業トークスクリプトの作り方|テンプレート・例文・改善方法を解説

2025.11.12
営業代行

営業トークスクリプトは、担当者が読むための「決め台詞集」ではありません。誰に、何を、どの順番で伝え、相手の反応に応じてどう会話を進めるかを整理した営業の設計図です。

スクリプトを用意すると、担当者ごとの話し方のばらつきを抑えやすくなり、新人教育やロールプレイ、営業データを使った改善にも活用できます。一方で、文章を長く作り込みすぎたり、一字一句そのまま読ませたりすると、かえって会話が不自然になることがあります。

この記事では、BtoB営業を中心に、トークスクリプトの基本構成、作り方、そのまま自社向けに置き換えられるテンプレート、断り文句への切り返し、成果が伸びないときの改善方法まで解説します。

営業トークスクリプトとは

トークスクリプトとは、営業や顧客対応で「何を・どの順番で・どのように話すか」を整理した会話の設計資料です。

重要なのは、一字一句を固定することではありません。会話の目的、質問、伝えるべき要点、相手の反応ごとの分岐、次に取ってもらいたい行動まで整理しておくことで、担当者が状況に応じて会話しやすくなります。

「トークスクリプト」という用語自体の意味を簡潔に確認したい方は、トークスクリプトの用語解説も参考にしてください。

営業トークスクリプトの基本構成

BtoBの新規開拓では、次の7つのパートで考えるとスクリプトを整理しやすくなります。

パート 目的 主な内容
1. オープニング 相手に要件を認識してもらう 会社名・氏名・簡潔な連絡理由
2. 興味づけ 話を続ける理由を作る 相手に関係する課題・テーマ
3. ヒアリング 現在の状況を把握する 課題、体制、利用中サービスなど
4. 提案 相手の課題と自社商材を結びつける 解決方法・提供価値・違い
5. 切り返し 懸念や断り理由を確認する 忙しい、不要、既存サービスあり等への対応
6. 次のアクション 会話を次の営業工程へ進める 商談、資料送付、再連絡など
7. 分岐・記録 次回対応を決める 相手の反応、失注理由、再架電条件

すべての会話をこの順番どおりに進める必要はありません。実際には、相手の反応に合わせてヒアリングへ進んだり、早めに資料送付へ切り替えたりします。

営業トークスクリプトの作り方7ステップ

1. ターゲットを具体化する

最初に「誰に話すスクリプトなのか」を決めます。業界、企業規模、部署、役職、よくある課題などを具体化しましょう。
同じ商材でも、経営者向けと現場担当者向けでは関心のあるテーマや使う言葉が変わります。複数のターゲットがある場合は、1本の汎用スクリプトへ詰め込まず、必要に応じて分けた方が運用しやすくなります。

2. 1回の会話のゴールを決める

スクリプトを作る前に、今回の会話で何を目指すのかを決めます。

  • 商談の日程を設定する
  • 担当部署・担当者を確認する
  • 資料送付の許可を得る
  • 現在の課題をヒアリングする
  • 次回連絡の条件を決める

一度の電話で「課題把握・商品説明・商談設定・クロージング」まで全部進めようとすると、話が長くなりやすくなります。営業工程に合わせてゴールを絞りましょう。

3. 相手が抱えていそうな課題を整理する

自社商材の機能から話し始めるのではなく、ターゲット企業がどのような状況で困るのかを整理します。
たとえば営業支援サービスであれば、「新規開拓する人員が足りない」「営業担当者が既存顧客対応で手いっぱい」「新規事業で営業方法が固まっていない」など、具体的な課題に分けます。

4. ヒアリング質問を用意する

良いスクリプトは、営業担当者が話し続ける台本ではありません。相手の状況を確認する質問をあらかじめ用意します。

  • 「現在、新規開拓はどのような体制で進めていますか?」
  • 「今の営業活動で、特に工数がかかっている工程はありますか?」
  • 「現在利用されているサービスやツールはありますか?」
  • 「今後、強化したい顧客層や営業チャネルはありますか?」

質問数を増やしすぎると尋問のようになるため、次の営業判断に必要な情報へ絞ることが重要です。

5. 課題と提案をつなげる

相手の回答を聞いたあと、自社商材の特徴をすべて説明するのではなく、確認できた課題に関係する部分から提案します。
「弊社は○○ができます」ではなく、「今お話しいただいた○○の部分で、弊社では△△という形で支援できます」のように、相手の話と提案をつなげると自然です。

6. よくある反応ごとの分岐を作る

会話は毎回同じようには進みません。「忙しい」「必要ない」「他社を利用している」「資料だけ欲しい」など、頻出する反応ごとに次の対応を決めておきます。
無理に切り返して会話を続けることが目的ではありません。断り理由を確認し、次回接点を作るのか、対象外として終了するのかまで含めて設計します。

7. 現場で使いながら改善する

最初から完成度100%のスクリプトを作る必要はありません。実際の会話、録音、担当者からのフィードバック、接続率やアポ率などを見ながら改善します。
スクリプトは「完成品」ではなく、営業結果を見ながら更新する運用資料として考えましょう。

BtoB新規開拓で使えるトークスクリプトのテンプレート

以下は、BtoBの新規開拓で使う基本形です。自社の商材・ターゲットに合わせて書き換えてください。

オープニング

例:
「お忙しいところ失礼いたします。株式会社○○の△△と申します。○○業界の企業様向けに、△△のご支援をしており、その件でご連絡しました。」

会社名・氏名・連絡理由を簡潔に伝えます。最初から長い会社紹介をすると、本題へ入る前に会話が終わりやすくなります。

興味づけ

例:
「現在、○○の業務で人手がかかっている企業様からご相談いただくことがありまして、御社でも似た課題があるかだけ伺えればと思っています。」

ここでは、自社サービスの機能より「相手に関係がありそうな課題」を短く提示します。

ヒアリング

例:
「現在、この業務は社内で対応されていますか?」
「特に工数がかかっている部分はありますか?」
「今後、改善したいと考えている点はありますか?」

相手の回答によって、次に話す内容を変えます。

提案

例:
「ありがとうございます。今お話しいただいた○○であれば、弊社では△△の部分をご支援できます。いきなり導入のお話ではなく、似た企業でどのような進め方をしているかも含めてご説明できます。」

商談打診

例:
「もしご関心があれば、具体的な進め方を20〜30分ほどオンラインでご紹介できます。来週ですと、○曜日か○曜日はいかがでしょうか?」

「ご検討ください」で終わらず、次のアクションを具体化します。ただし相手の関心が薄い場合は、無理に商談へ進めず資料送付や終了を選びます。

シーン別のトークスクリプト例

受付から担当者につないでもらう場合

例:
「お世話になります。株式会社○○の△△と申します。御社の○○業務についてご担当されている方にご相談したいことがあり、お電話しました。ご担当者様へおつなぎいただくことは可能でしょうか?」

受付で事実と異なる関係性を装うのではなく、会社名と要件を簡潔に伝えます。担当部署が分からない場合は、「○○を担当されている部署」を聞く形でも構いません。

インサイドセールスで資料請求後に連絡する場合

例:
「先日は弊社の○○資料をご覧いただきありがとうございます。資料の中で気になった点や、現在取り組まれている課題があるか伺えればと思い、ご連絡しました。」

資料内容を一方的に説明するのではなく、資料を見た背景や現在の課題を確認してから必要な情報を補足します。

既存顧客へ追加提案する場合

例:
「現在ご利用いただいている○○について、最近の運用状況はいかがでしょうか。もし△△の部分まで強化されるご予定があれば、追加でご案内できる内容があります。」

既存顧客への提案では、新規営業よりも現在の利用状況や成果を確認したうえで、追加提案が本当に必要かを判断します。

よくある断り文句への切り返し例

切り返しは「断りを論破すること」ではありません。相手が断っている理由を確認し、会話を続ける価値がある場合だけ次の一往復を作るものです。

相手の反応 返し方の例 目的
「今忙しい」 「承知しました。改めてご連絡する場合、○曜日と○曜日ではどちらがご都合よいでしょうか?」 無理に続けず再連絡条件を確認する
「今は必要ない」 「承知しました。差し支えなければ、現在は○○について特に課題がないという状況でしょうか?」 不要の理由を確認する
「他社を使っている」 「ありがとうございます。現在のサービスで特に重視されている点はどこでしょうか?」 置き換え前提にせず判断軸を確認する
「資料だけ送って」 「承知しました。内容を絞ってお送りしたいので、○○と△△ではどちらにご関心がありますか?」 資料送付後の接点につながる情報を得る
「私では決められない」 「ありがとうございます。このテーマは通常、どちらの部署・ご担当の方が確認されていますか?」 適切な担当者を確認する

明確に不要と伝えられた場合や、連絡停止の意思が示された場合は、無理に会話を継続しないことも重要です。

成果が出にくいトークスクリプトの5つの特徴

1. 冒頭の説明が長い

会社概要や商品説明を最初から長く話すと、相手が自分に関係のある話か判断する前に会話が長くなります。まず要件と相手に関係するテーマを短く伝えましょう。

2. 商品説明が中心で質問が少ない

話す内容だけを細かく作り、質問を用意していないスクリプトは一方的になりやすくなります。ヒアリングする項目もスクリプトの一部として設計します。

3. すべての顧客に同じ内容を使う

業種、役職、既存顧客か新規顧客かによって関心は異なります。成果差が大きい場合は、ターゲットごとにスクリプトを分けることも検討しましょう。

4. 断られたときの分岐がない

メインの会話だけを作っても、実際の営業では想定外の反応が発生します。頻出する断り理由や質問は、回答・次のアクションまで用意します。

5. 一字一句読ませる

スクリプトをそのまま読むことが目的になると、相手の回答を聞かずに次のセリフへ進みやすくなります。必須で伝える要点と、担当者が自然に言い換えてよい部分を分けると使いやすくなります。

成果が悪い場所からスクリプトの改善箇所を見つける

営業成果が伸びない場合、スクリプト全体を毎回書き直す必要はありません。どの営業工程で数値が落ちているかを見て、該当部分から改善します。

起きていること 最初に確認するポイント
受付から担当者につながらない 架電先、担当部署、受付での要件、冒頭の長さ
担当者につながってもすぐ会話が終わる 興味づけ、相手に関係する課題、説明の長さ
会話は続くが商談にならない ヒアリング内容、提案との接続、商談打診
「資料だけ」で終わることが多い 資料送付条件、再連絡条件、課題確認
担当者ごとの差が大きい 切り返し、分岐、ロープレ、成功トークの共有
アポは取れるが商談品質が低い アポの定義、ヒアリング項目、対象企業条件

特に「アポ数は増えたが受注につながらない」場合は、アポ率だけを上げる言い回しより、対象企業やアポの条件を見直した方がよいことがあります。

トークスクリプトを改善する5つの方法

1. 通話・商談を録音して確認する

スクリプト上では自然でも、実際に読むと長い、質問が続きすぎる、専門用語が分かりにくい、といった問題が見つかることがあります。必要な社内ルールや関係法令に配慮したうえで録音・振り返りを行いましょう。

2. 成功した会話と失敗した会話を比較する

トップ営業担当者の話し方を丸ごと真似するのではなく、どの質問で顧客の反応が変わったか、どの説明を短くしているかなど、再現できる要素を抽出します。

3. 断り理由を分類する

「不要」で一括りにせず、タイミング、予算、既存サービス、権限、対象外などに分類すると、スクリプトの問題なのかターゲットの問題なのか判断しやすくなります。

4. 一度に変える箇所を絞る

オープニング、質問、提案、クロージングをすべて同時に変えると、何が影響したか判断しにくくなります。改善仮説を決め、必要な箇所から順に変更します。

5. ロールプレイとフィードバックを行う

スクリプトを配布するだけでなく、実際の顧客反応を想定したロールプレイを行います。相手役が予定外の質問や断り文句を入れることで、分岐が不足している箇所も見つけやすくなります。

トークスクリプトを営業代行会社へ任せる場合のポイント

自社でスクリプトを作成・改善する人員がいない場合や、テレアポ・インサイドセールスの実行までまとめて外注したい場合は、営業代行会社へ相談する方法があります。

依頼する際は、単に「スクリプトを作ってくれるか」だけでなく、次の点を確認しましょう。

  • 自社と近い業界・商材での営業経験
  • スクリプト作成前にターゲット・商材をどこまで理解するか
  • 通話結果や断り理由を共有してもらえるか
  • スクリプトをどの頻度・基準で改善するか
  • 改善したスクリプトや営業ノウハウを自社に共有できるか

営業代行会社を比較したい場合は、営業代行会社の比較・選び方を解説した記事も参考にしてください。

営業トークスクリプトのチェックリスト

チェック 確認項目
ターゲットの業界・役職・課題が明確になっている
1回の会話で目指すゴールが決まっている
オープニングが必要以上に長くない
商品説明だけでなくヒアリング質問が入っている
相手の回答と提案内容がつながっている
頻出する断り文句への対応が用意されている
商談・資料送付・再連絡など次の行動が明確である
対象外の顧客を無理に追わない条件が決まっている
現場の会話・数値をもとに改善するルールがある
担当者が自然に言い換えられる余地がある

営業トークスクリプトに関するよくある質問

営業トークスクリプトはどこまで細かく作るべきですか?

一字一句を固定するより、必ず伝える内容、質問、よくある反応への分岐、次のアクションを明確にする方が実務では使いやすくなります。新人向けには例文を多めにし、慣れてきた担当者は要点を見ながら自然に話せる形にすると運用しやすいでしょう。

トークスクリプトは何パターン用意すればよいですか?

商材数ではなく、ターゲットと営業目的が大きく変わるかで判断します。業界や役職によって課題・提案が大きく異なる場合や、新規開拓・既存顧客フォローなど目的が異なる場合は分ける価値があります。

営業担当者がスクリプトを使ってくれない場合はどうすればよいですか?

文章が長すぎないか、一字一句読む前提になっていないか、現場の成功トークが反映されているかを確認します。現場メンバーを改善に参加させ、要点・分岐を短く整理すると使われやすくなります。

AIでトークスクリプトを作ることはできますか?

下書きや想定質問、切り返し案の作成には活用できます。ただし、商材情報や顧客像が不十分なまま生成すると汎用的な内容になりやすいため、実際の顧客反応や営業データをもとに人が確認・改善することが重要です。

トークスクリプト作成から営業実行まで外注できますか?

対応できる営業代行会社があります。ターゲット設計、リスト作成、スクリプト作成、架電・インサイドセールス、振り返りまで対応範囲は会社によって異なるため、自社が任せたい工程を整理して比較しましょう。

トークスクリプト作成・改善から営業実行まで相談したいなら「コンペル」

トークスクリプトは、一度作って終わりではありません。実際の顧客反応をもとに、ターゲット、質問、提案、切り返し、商談条件を継続的に改善することで、営業現場で使いやすい形になっていきます。

「自社に営業ノウハウがなくスクリプト設計から相談したい」「テレアポやインサイドセールスの実行までまとめて任せたい」「現在のスクリプトを改善できる営業代行会社を探したい」といった場合は、コンペルにご相談ください。

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この記事の監修者

鶴田克之のプロフィール写真

鶴田克之

株式会社ジャパンプ取締役

営業歴20年以上。様々な業界の営業代行を担当し、

楽天やミスミなど大手企業の営業支援も経験。
新規開拓に加え、営業チームの立ち上げ・マネジメントにも携わる。
営業代行の発注設計と会社選定(相場・依頼範囲)に関する内容を監修。

岡林洋祐のプロフィール写真

岡林洋祐

株式会社ジャパンプ取締役

営業歴15年以上。様々な業界の営業代行を担当。
リクルートやキーエンスなど大手企業の営業支援も経験。
スクリプト改善や架電運用の最適化など、現場で成果を出す実務に強みを持つ。
営業代行で成果を出すための運用設計(品質管理・改善・教育)に関する内容を監修。

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