AIを活用した営業代行や営業支援サービスが増えていますが、「AI営業代行」という言葉だけではサービス内容を判断できません。
実際には、AIを使いながら人が営業活動まで代行するサービス、AIがリスト作成や初回アプローチを自動化するAI SDR、商談記録や分析を支援する営業AIツールなど、仕組みが大きく異なります。
そのため、AIを使っているかどうかだけで選ぶのではなく、「営業そのものを外注したいのか」「アポ獲得を自動化したいのか」「自社営業の生産性を上げたいのか」を先に整理することが重要です。
この記事では、AI営業代行の種類、2026年9月時点で提供されている営業代行・AI SDR・営業AIサービスの違い、費用の見方、従来型営業代行との違い、会社選びのポイントまで解説します。
AI営業代行とは?まず3種類に分けて考える
AI営業代行は明確に統一されたサービス名称ではありません。営業代行とAIを組み合わせたサービスだけでなく、AIによるアポ獲得ツールや営業支援ツールまで「AI営業代行」として紹介されることがあります。
まずは次の3種類に分けると、自社に必要なサービスを判断しやすくなります。
| 種類 | 主な内容 | 向いている企業 |
| AI活用型の営業代行 | AIで調査・分析・記録などを効率化しつつ、人が営業活動を実行 | 営業そのものを外部へ任せたい |
| AI SDR・自動営業 | リスト作成、文面生成、初回アプローチ、日程調整などをAIで自動化 | 新規開拓の初期工程を効率化したい |
| 営業AIツール・導入支援 | 商談記録、CRM入力、提案準備、分析など自社営業をAIで支援 | 営業は自社で行い、生産性を上げたい |
特に注意したいのは、「AI営業サービスを導入する」ことと「営業活動を外注する」ことは同じではない点です。自社に営業担当者が必要なサービスもあるため、比較時には人がどこまで営業を担当するのかを確認しましょう。
AI営業代行・営業支援サービス7選を比較
ここでは、AIと営業を組み合わせた代表的なサービスを、実際に営業実行まで任せられるかが分かるように整理しました。
サービス内容や料金は2026年9月時点の情報です。最新の提供範囲・料金は各サービスで確認してください。
| サービス | 種類 | 主な支援範囲 | 料金 |
| DMMビジネスAIパートナーズ | AI活用型営業代行・BPO | 営業・IS、リスト、商談準備、記録・分析 | 要問い合わせ |
| Magic Moment CS BPO | AI活用型営業BPaaS | 商談創出、営業実行、マネジメント、データ活用 | 固定・成果報酬など |
| PASSGATE | AI活用型営業代行 | 戦略、リード獲得、商談、受注、CS | 公開額なし |
| AI-SDR | AI SDR+営業支援 | リード創出、自動接触、運用設計、必要に応じIS支援 | 公開額なし |
| SalesPilot | AI SDR・営業AIエージェント | リスト、文面、メール・フォーム実行、日程調整 | Freeプランあり |
| Sales Marker AI Choice | 営業AI | 見込み顧客特定、アポ獲得支援、アカウント攻略、提案支援 | 公開額なし |
| Salesleap | 営業AIエージェント構築支援 | 営業業務のAI化、既存ツール連携、運用・定着支援 | 資料・問い合わせで確認 |
DMMビジネスAIパートナーズ
DMMビジネスAIパートナーズは、生成AIを活用する人材と業務委託を組み合わせたハイブリッド型BPOです。営業・インサイドセールス領域では、リスト作成、コールログ分析、営業準備、議事録、提案作成などをAIで効率化しつつ、人が営業業務を担います。
AIツールを自社で使うだけでなく、実務を担う人材まで必要な企業に向くタイプです。
Magic Moment CS BPO
Magic Moment CS BPOは、営業支援プラットフォームと専門人材を組み合わせた営業BPaaSです。営業活動の代行に加え、マネジメントやデータ活用、セールスプロセス改善まで支援範囲に含まれます。
料金は固定報酬・成果報酬など複数の方式があり、実際の営業活動と仕組み化をまとめて任せたい企業に適しています。
PASSGATE
PASSGATEは、戦略設計、ターゲティング、リード獲得、商談、クロージング、顧客の定着・継続まで営業工程を一気通貫で支援するサービスです。
AIは通話分析、文面作成、日程調整などに活用されており、AIだけで営業するのではなく、人の営業と組み合わせるタイプです。一部工程のみの依頼にも対応しています。
AI-SDR
インプレックスアンドカンパニーのAI-SDRは、AIによるリード創出と、営業組織へAIを組み込むためのコンサルティングを組み合わせたサービスです。
一次接触、日程調整、フォローなどの自動化に加え、必要に応じてインサイドセールスのリソース提供も受けられるため、AI SDRだけでは運用しきれない企業も検討しやすい構成です。
SalesPilot
SalesPilotは、企業・人物データベースをもとに、リスト作成、文面生成、メール・フォームによるアプローチ、日程調整などをAIで自動化する営業AIエージェントです。
Freeプランから利用でき、AIツールとして自社運用することもできます。コールやCxOレターなど一部チャネルは、運営会社へ代行を発注することも可能です。
Sales Marker AI Choice
Sales Marker AI Choiceは、営業課題に応じてAIを活用する営業支援サービスです。AI Appointmentでは、インテントデータを使った見込み顧客の特定から、メール・フォーム・SNSなどによるアプローチまでを支援します。
人による営業代行を丸ごと依頼するサービスというより、自社営業のアポ獲得やアカウント攻略をAIで強化したい企業向けです。
Salesleap
Salesleapは、営業組織の調査、事務、進捗管理などをAIエージェントへ移管するための構築・定着支援サービスです。
SFA・MA・Notion・Google Workspaceなど既存ツールとの連携も含め、AIエージェントを自社営業の業務へ組み込むことを支援します。営業活動そのものを人へ外注するというより、自社にAI運用を定着させたい企業向けです。
AI営業代行の費用は「サービスの種類」から確認する
AI営業代行の費用を比較するときは、金額だけを横並びにしないことが重要です。
同じ「AI営業」と呼ばれていても、AIツールの月額利用料と、人が商談まで担当する営業代行費では、購入しているサービスがまったく異なるためです。
| タイプ | 主な料金体系 | 確認したいこと |
| AI活用型営業代行 | 月額固定、成果報酬、組み合わせ | 人の稼働・営業工程がどこまで含まれるか |
| AI SDR・営業AIエージェント | 月額利用料、利用量・機能別プラン | 自社運用が必要か、実行まで自動化されるか |
| AI導入・構築支援 | 初期構築費、月額伴走費など | 構築後の運用を誰が担当するか |
たとえば、月額のAIツールが安く見えても、自社側に営業担当者や運用担当者が必要なら、その人件費まで含めて考える必要があります。一方、営業代行は費用が大きくても、営業人材の稼働まで含まれている場合があります。
通常の営業代行の費用体系については、営業代行の費用相場を解説した記事も参考にしてください。
AI営業代行と従来型の営業代行は何が違う?
AI活用型の営業代行では、人が行っていた調査・記録・文面作成・分析などの一部をAIで補助または自動化します。
| 業務 | 従来型 | AI活用型 |
| 企業調査 | 担当者が検索・整理 | AIで情報収集・整理を補助 |
| 営業文面 | テンプレートや担当者が作成 | 企業ごとの下書き生成を補助 |
| 商談記録 | 担当者が入力 | 文字起こし・要約・CRM入力を補助 |
| 分析 | 担当者・管理者が集計 | 大量データの整理・傾向把握を補助 |
| 顧客対応 | 人が判断・対応 | AI支援+人が最終判断 |
ただし、AIを利用しているだけで営業成果が高くなるとは限りません。ターゲット設計、商材理解、営業担当者の品質、運用改善など、従来から重要だった要素はAI活用型でも変わりません。
営業代行でAIに任せやすい業務・人に残したい業務
AIに任せやすい業務
- 企業・業界情報の調査と整理
- 営業リストの分類・優先順位付け
- メールやフォーム営業文面の下書き
- 商談前の情報整理
- 議事録・商談要約
- CRM・SFA入力の補助
- 営業データの集計・傾向分析
- スクリプトやFAQの改善案作成
人が担う価値が大きい業務
- 顧客の状況を踏まえた最終判断
- 複雑なヒアリング
- 信頼関係の構築
- 条件交渉
- 例外的な質問への対応
- 商材・ブランドに関わる重要な表現の確認
- 最終的な提案・クロージング
実際の役割分担は商材や営業工程によって変わります。特に高額商材や専門性の高いBtoB商材では、初期の調査・アプローチをAIで効率化し、商談以降を人が担当する設計がしやすいでしょう。
AI営業代行が向いている企業・従来型が向いている企業
| 状況 | 検討しやすい方法 |
| 大量の企業調査・初期アプローチに時間がかかっている | AI SDR・AI活用型営業代行 |
| 営業担当者はいるが、調査・記録・事務作業が多い | 営業AIツール・AIエージェント |
| 営業人材そのものが不足している | 人の稼働を含むAI活用型営業代行 |
| 少数の大企業へ複雑な提案を行う | 人中心の営業代行も含めて比較 |
| AIを導入したいが運用できる担当者がいない | 構築・定着支援を含むサービス |
| 自社営業組織を将来的に内製化したい | データ・運用ノウハウが自社に残る支援 |
「AI営業代行」というキーワードで探し始めても、通常の営業代行の方が適しているケースはあります。AIを使っているかではなく、自社の営業課題を解決できるかで比較しましょう。
AI営業代行会社・サービスを選ぶ7つのポイント
1. AIを何の業務に使っているか
「AI活用」とだけ書かれていても、実際の利用範囲は企業調査、文面生成、通話分析、商談支援など会社によって異なります。自社が改善したい工程にAIが使われているか確認しましょう。
2. 人による営業実行まで含まれるか
AIツールを渡され、自社側で営業するサービスもあります。営業人材そのものが不足している場合は、アプローチ、商談、クロージングなど、人が担当する範囲を確認してください。
3. AI出力を人が確認する工程があるか
AIが作成した企業情報や営業文面には誤りが含まれる可能性があります。顧客へ送信する情報や重要な提案について、どの段階で人が確認するのかを確認します。
4. 顧客情報・機密情報をどう扱うか
営業では顧客情報、商談内容、未公開情報などを扱うことがあります。利用するAI、データ保存方法、外部AIサービスへの入力範囲、アクセス権限などを事前に確認しましょう。
5. 営業データを自社に残せるか
外注中に蓄積した営業履歴、顧客反応、スクリプト改善履歴などを自社でも利用できる状態にしておくと、営業代行会社を変更したり内製化したりするときにも活かせます。
6. AI活用によって何を改善するのか
AIを使うこと自体を目的にせず、調査時間の短縮、アプローチ数の増加、CRM入力負担の削減、商談準備時間の短縮など、改善対象を具体化します。
7. AI・ツール費を含めた総額で比較する
営業代行費のほかに、AIツール利用料、データベース料金、初期構築費などが必要な場合があります。見積もりでは、必要な機能をすべて使った場合の総額を確認しましょう。
AI営業代行を導入する流れ
- 営業課題を整理する:人手不足、アポ不足、調査工数、営業管理など、解決したい課題を決めます。
- 外注する営業工程を決める:リスト作成、初回接触、IS、商談など、任せたい範囲を整理します。
- AIを使いたい工程を決める:大量処理や自動化が必要な部分と、人に任せたい部分を分けます。
- サービスの種類を絞る:営業代行、AI SDR、営業AIツールのどれが必要か判断します。
- 複数社を比較する:支援範囲、料金、AI利用方法、情報管理、人の関与を比較します。
- 小さく開始する:対象商材・ターゲット・期間を絞って、成果と運用負荷を確認します。
- データをもとに改善する:アポ数だけでなく、商談化率、受注率、失注理由なども確認します。
営業DX全体の進め方を検討している場合は、営業DXを外注する方法を解説した記事も参考にしてください。
AI営業代行を利用する際の注意点
AIの誤りを前提に運用する
生成AIは、もっともらしい誤情報を出すことがあります。企業情報や担当者情報、商談内容など、営業判断に影響する情報は必要に応じて人が確認する運用が必要です。
大量自動送信で企業イメージを損なわない
AIで文面作成・送信を効率化できても、対象企業との関連性が低い連絡を大量に送れば、営業効率だけでなく企業イメージにも悪影響を与える可能性があります。
送信量だけでなく、ターゲット精度、文面品質、除外ルール、停止条件を確認しましょう。
AIを入れただけで成果が出るとは考えない
営業成果は、ターゲット、商材、営業戦略、営業担当者、顧客体験など複数の要素で決まります。AIは営業活動を支援する手段であり、営業設計そのものが不適切なら成果は出にくくなります。
AI営業代行についてよくある質問
AI営業代行は営業担当者が不要になりますか?
サービスによります。リスト作成や初回アプローチをAIで自動化できるサービスはありますが、複雑なヒアリング、提案、交渉、クロージングなどでは人が重要な役割を担うケースが多くあります。
AI営業代行とAI SDRの違いは何ですか?
AI営業代行は、人による営業代行とAI活用を組み合わせたサービスまで含む広い表現として使われます。AI SDRは、見込み顧客の特定、初回接触、フォロー、日程調整など営業プロセス前半をAIで支援・自動化するサービスを指すことが一般的です。
AI営業代行の方が通常の営業代行より安いですか?
一概には言えません。AIツールだけを利用する場合は人の稼働を含む営業代行より低額に見えることがありますが、自社の営業人員や運用工数が必要です。必要な人員・ツール・データ費用まで含めた総額で比較しましょう。
AI営業代行はどんな商材と相性が良いですか?
ターゲット企業を特定しやすく、企業調査や初回アプローチを標準化しやすいBtoB商材は活用しやすい傾向があります。ただし、商材だけで判断せず、LTV、営業プロセス、専門性、外注範囲まで確認してください。
自社商材との相性については、営業代行に向いている商材を解説した記事も参考にしてください。
AIを使っている営業代行会社はどう比較すればよいですか?
AI利用の有無だけでなく、実際にAIが担当する業務、人の営業範囲、情報管理、料金、営業データの扱い、改善方法まで比較してください。営業人材そのものを外注したい場合は、人による営業実行まで含まれているかが特に重要です。
AI活用も含めて営業代行会社を比較するなら「コンペル」
AI営業代行には、人が営業を代行しながらAIを活用するサービス、AI SDR、自社営業向けのAIツールなど複数の種類があります。
そのため、「AIを使える会社」という条件だけで探すのではなく、自社が任せたい営業工程、必要な人員、商材、予算などを整理して比較することが重要です。
営業代行会社を探す際にAI活用を重視したい場合も、その旨をコンペルの相談時にお伝えください。営業課題や希望する委託範囲を踏まえて、営業代行会社探しをサポートします。ご利用料金はかかりません。
この記事の監修者
鶴田克之
株式会社ジャパンプ取締役
営業歴20年以上。様々な業界の営業代行を担当し、
楽天やミスミなど大手企業の営業支援も経験。
新規開拓に加え、営業チームの立ち上げ・マネジメントにも携わる。
営業代行の発注設計と会社選定(相場・依頼範囲)に関する内容を監修。
岡林洋祐
株式会社ジャパンプ取締役
営業歴15年以上。様々な業界の営業代行を担当。
リクルートやキーエンスなど大手企業の営業支援も経験。
スクリプト改善や架電運用の最適化など、現場で成果を出す実務に強みを持つ。
営業代行で成果を出すための運用設計(品質管理・改善・教育)に関する内容を監修。


