営業代行

営業代行の導入前に準備すべきことは?発注・立ち上げチェックリストを解説

2025.03.31

営業代行を導入する方針が決まっても、すぐに営業代行会社へ丸投げしてよいわけではありません。

営業代行をスムーズに立ち上げるには、相談前に「何のために導入するのか」「どの営業工程を任せるのか」「何を成果とするのか」を整理し、契約後は営業資料や顧客情報、社内の受け入れ体制、CRM・SFAなどを準備しておく必要があります。

準備が曖昧なまま始めると、営業代行会社との認識がずれたり、アポイントが取れても社内で対応できなかったり、営業活動から得られた情報が自社に残らなかったりする可能性があります。

この記事では、営業代行を導入する企業向けに、相談前に決めること、営業代行会社へ渡す発注要件、契約後から営業開始前に準備する資料・社内体制・システム、営業開始後1か月で確認したいポイントまで、実務の順番に沿って解説します。

営業代行の導入前準備が必要な理由

営業代行会社は、自社の営業課題やターゲット、商材、委託範囲などをもとに営業活動を設計します。

そのため、発注企業側の要件が曖昧なままだと、提案内容や見積もりを正確に比較しにくくなります。

また、契約後も自社から営業資料や既存顧客情報を共有できなかったり、商談の引き継ぎ先が決まっていなかったりすると、営業開始までに手戻りが発生します。

営業代行を導入するときは、会社選びと並行して、発注企業側の受け入れ準備を進めることが重要です。

STEP1|営業代行会社へ相談する前に決める7項目

営業代行会社へ問い合わせる前に、まず次の7項目を整理しておきましょう。

項目 決めておきたい内容
1. 導入目的 商談数不足、人員不足、新規事業立ち上げ、新市場開拓など
2. 現在の営業課題 リスト不足、アポ不足、追客不足、商談人員不足など
3. 外注範囲 リスト作成、初回接触、アポ獲得、商談など、どこまで任せるか
4. ターゲット 業界、企業規模、地域、部署、役職など
5. 成果地点 担当者接触、アポイント、有効商談、受注など
6. 予算 月額予算、成果報酬の上限、初期費用など
7. 開始希望時期 営業開始希望日、テスト期間、繁忙期など

導入目的を「営業を増やしたい」で終わらせない

営業代行を導入する目的は、できるだけ具体的にします。

たとえば「営業を強化したい」だけではなく、「新規商談数を増やしたい」「新規事業の市場反応を確認したい」「社内営業を商談へ集中させたい」など、解決したい課題まで言語化します。

目的が違えば、必要な営業代行会社や委託範囲も変わります。

外注する営業工程を明確にする

営業代行では、営業リスト作成からクロージングまで幅広い工程を外注できます。ただし、すべてを外部へ任せる必要はありません。

「テレアポだけ外注して商談は自社」「インサイドセールスを任せてフィールドセールスは自社」といった分業も可能です。

まだ外注範囲が決まっていない場合は、営業アウトソーシングの委託範囲を整理した記事も参考にしてください。

営業代行会社へ渡す「発注要件」を作る

複数の営業代行会社から提案を受ける場合は、各社へ同じ条件を伝えると比較しやすくなります。

次のような発注要件を1枚にまとめておくと、相談・見積もり時の認識合わせに使えます。

項目 記入例
導入目的 新規商談を月20件増やしたい
商材 人事部門向けSaaS
ターゲット 従業員100〜500名の企業、人事部門
外注範囲 営業リスト作成〜アポイント獲得
自社担当範囲 商談・提案・クロージング
成果条件 対象企業の人事責任者または担当者との商談
除外先 既存顧客、商談中企業、競合会社
月間目標 有効商談20件
開始希望 10月開始
利用ツール Salesforce、Google Workspace

発注要件は営業代行会社へ一方的に指定するためのものではありません。提案を受けたうえで、ターゲットやKPI、委託範囲を調整する前提で作成するとよいでしょう。

STEP2|契約後〜営業開始前に準備する情報・資料

営業代行会社が決まったら、実際に営業活動を開始できるよう、自社の情報や営業資料を共有します。

準備するもの 営業代行会社が確認する内容
商品・サービス資料 機能、価格、導入メリット、契約条件など
過去の営業資料 提案方法、訴求ポイント、商談の進め方
既存営業リスト 過去の接触先、既存顧客、見込み顧客
営業禁止・除外リスト 既存顧客、競合、クレーム先など
受注しやすい顧客像 業界、規模、部署、課題など
過去の失注・断り理由 価格、時期、機能、競合利用など
FAQ 顧客からよく聞かれる質問と回答
競合との違い 比較されやすいサービス、自社の強み・弱み
成功した営業トーク 反応の良かった切り口や訴求
NG表現・回答できない内容 営業時に使ってはいけない表現、要確認事項

「営業資料を渡せば終わり」にしない

営業代行会社が必要としているのは、商品説明だけではありません。

「どの顧客に売れやすいか」「どんな理由で断られるか」「競合と比較されたとき何を伝えるか」といった営業現場の情報も共有すると、営業設計を具体化しやすくなります。

社内の受け入れ体制を決める

営業代行会社側の準備だけでなく、自社側で誰が何を担当するかも決めておきましょう。

役割 決めておきたいこと
営業代行の社内窓口 質問、資料共有、定例会などの担当者
商談担当 アポイント獲得後に誰が対応するか
承認担当 スクリプト、営業資料、ターゲット変更などを誰が承認するか
エスカレーション先 クレーム、重要顧客、専門的な質問の対応者
CRM・SFA管理担当 データ入力ルール、権限、重複処理などを管理する人

特に重要なのが、アポイント後の受け皿です。

営業代行会社が商談を獲得しても、自社の商談担当者がすぐ対応できなければ、営業成果につながりにくくなります。

KPIと成果条件を決める

営業代行の成果を評価するためには、契約開始前にKPIと成果条件を決めておきます。

たとえばテレアポ代行であれば、単純なアポイント数だけでなく、次のような指標があります。

  • 架電数
  • 接続数・接続率
  • 担当者との有効会話数
  • アポイント数
  • 有効商談数
  • 商談実施率
  • 受注数・受注率

成果報酬の場合は、「日程が決まれば成果」なのか、「ターゲット条件を満たす企業との商談だけを成果」とするのかまで明確にします。

費用や料金体系を詳しく確認したい場合は、営業代行の費用相場の記事も参考にしてください。

契約前に最低限確認しておきたいこと

契約書については専用記事で詳しく確認できますが、導入準備の段階では少なくとも次の項目を確認しておきましょう。

  • 業務範囲
  • 成果の定義
  • 報酬・追加費用
  • 契約期間・更新条件
  • 途中解約条件
  • 秘密保持・顧客情報の取り扱い
  • 営業リストや成果物の取り扱い
  • 契約終了時のデータ返却・削除

契約内容の詳細は、営業代行の業務委託契約書を解説した記事で確認できます。

営業代行開始前のシステム・権限を準備する

営業活動を開始する前に、営業代行会社が利用するシステムやアカウントも整理します。

項目 確認したいこと
CRM・SFA 入力権限、閲覧範囲、必須入力項目
営業用メール 自社ドメインを使うか、署名や送信ルール
カレンダー 商談担当者の空き枠確認、日程調整方法
ファイル共有 営業資料、FAQ、リストなどの保存場所
チャット 緊急連絡、質問、日常連携に使うツール
録音・通話データ 録音の有無、閲覧権限、保存ルール
各種アカウント 発行・停止・権限変更の担当者

必要以上の権限を付与せず、業務上必要な範囲に絞ることも重要です。契約終了時にアカウントやアクセス権を停止する手順も決めておきましょう。

STEP3|営業開始後1か月で確認すること

営業代行は、開始直後の数値だけで良し悪しを判断するのではなく、顧客反応をもとにターゲットや営業トークを改善していくことが重要です。

時期 主な確認内容
1週目 営業開始。接続状況、顧客反応、よくある質問・断り理由を収集
2週目 営業リスト、ターゲット、トーク・メール文面などを見直す
3週目 アポイントの質や、自社への引き継ぎ条件にズレがないか確認
4週目 KPIをまとめ、次月のターゲット・活動量・営業方法を調整

アポイント数だけで初月を評価しない

営業開始直後は、アポイント件数だけではなく、接続率、有効会話、断り理由、商談実施率なども確認します。

たとえば、アポイントが少なくても「担当者にはつながっているが時期が合わない」のであれば、ターゲット自体ではなく追客方法を改善すべきかもしれません。

逆に接続率が極端に低ければ、営業リストやアプローチ時間帯の見直しが必要です。

営業代行導入・立ち上げチェックリスト

営業代行会社へ相談する前から営業開始までに、次の項目を確認しておきましょう。

チェック 確認項目
営業代行を導入する目的を言語化した
現在の営業課題を整理した
外注する営業工程を決めた
ターゲット・除外企業を整理した
KPI・成果地点を決めた
予算・開始希望時期を決めた
商品・サービス資料を準備した
既存リスト・過去の営業情報を整理した
FAQ・競合比較・NG表現を整理した
営業代行との社内窓口を決めた
アポイント後の商談担当者を決めた
営業代行会社から自社への引き継ぎ条件を決めた
CRM・SFA・メール等の利用ルールを決めた
契約・情報管理・データ返却条件を確認した
初月に確認するKPIと定例会の予定を決めた

準備ができたら営業代行会社を比較する

導入目的、外注範囲、ターゲット、成果条件などが整理できたら、営業代行会社へ相談・見積もりを依頼します。

比較するときは、料金だけではなく、自社が任せたい営業工程への対応力、自社業界・商材の経験、実担当者、改善体制、CRM・SFAへの記録なども確認しましょう。

具体的な営業代行会社を比較したい方は、営業代行おすすめ会社の比較記事も参考にしてください。

営業代行の導入準備に関するよくある質問

営業代行会社へ相談する前に、すべての条件を決める必要がありますか?

すべてを確定する必要はありません。

少なくとも導入目的、現在の課題、希望する委託範囲、ターゲット、予算感などを整理しておくと、各社から具体的な提案を受けやすくなります。詳細なKPIや営業方法は、提案を受けながら調整してもよいでしょう。

営業資料が十分にそろっていなくても依頼できますか?

会社によっては営業資料やスクリプトの作成から支援できます。

ただし、商品情報、顧客事例、競合との違い、よくある質問など、自社しか持っていない情報はできるだけ整理して共有しましょう。

営業代行の社内担当者は必要ですか?

専任である必要はありませんが、営業代行会社との窓口は明確にした方が運用しやすくなります。

質問への回答、営業資料の更新、ターゲット変更の承認、定例会などを誰が担当するか決めておきましょう。

営業開始までにどれくらい準備すればよいですか?

必要な準備量は、依頼する営業工程や商材によって異なります。

少なくとも、ターゲット、成果条件、営業資料、商談引き継ぎ先、情報共有方法が決まっていれば、営業代行会社と立ち上げ準備を進めやすくなります。

営業代行開始後にターゲットやKPIを変更してもよいですか?

契約条件の範囲内で調整できる場合があります。

実際の顧客反応を見ながらターゲットやスクリプトを改善することは重要です。変更できる範囲や追加費用の有無を契約前に確認しておきましょう。

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営業代行の導入をスムーズに進めるには、会社を探す前に、目的・外注範囲・ターゲット・成果条件などを整理することが重要です。

「自社ではどこまで準備すべきか分からない」「希望条件に合う営業代行会社を比較したい」「複数社から提案を受けたい」という場合は、コンペルにご相談ください。

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この記事の監修者

鶴田克之のプロフィール写真

鶴田克之

株式会社ジャパンプ取締役

営業歴20年以上。様々な業界の営業代行を担当し、

楽天やミスミなど大手企業の営業支援も経験。
新規開拓に加え、営業チームの立ち上げ・マネジメントにも携わる。
営業代行の発注設計と会社選定(相場・依頼範囲)に関する内容を監修。

岡林洋祐のプロフィール写真

岡林洋祐

株式会社ジャパンプ取締役

営業歴15年以上。様々な業界の営業代行を担当。
リクルートやキーエンスなど大手企業の営業支援も経験。
スクリプト改善や架電運用の最適化など、現場で成果を出す実務に強みを持つ。
営業代行で成果を出すための運用設計(品質管理・改善・教育)に関する内容を監修。

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