コールセンターの運営について、自社で内製もしくは専門業者に業務委託するかを選択する際には、コストや運用の柔軟性など多くの要素が影響します。

初期費用やランニングコスト、人件費などの比較は、多くの企業が悩むポイントです。また、委託先を選ぶ際には、費用体系やサポート体制、実績など多角的な視点が求められます。

そこで今回は、コールセンター運営の最適な選択肢を見極めるために、内製と業務委託の具体的な費用比較や選び方のポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

コールセンター運営の基本|内製と業務委託の違いも解説

コールセンターとは、企業が電話を使って顧客対応を専門に行う窓口や拠点のこと。コールセンターの主な役割は、顧客からの問い合わせやクレームへの対応、商品の説明や注文受付などです。コールセンターは、電話でのコミュニケーションに特化しており、顧客の疑問や悩みを解決し、企業と顧客をつなぐ重要な役割を担っています。

内製型コールセンターとは

内製型コールセンターは、自社内にオペレーターや管理者、システムを配置し、運営・管理をすべて自社で行う方式です。自社の業務や商品知識に精通したスタッフが対応できるため、ブランドやサービス方針に沿ったきめ細やかな顧客対応が可能です。

ノウハウや顧客対応力が社内に蓄積されやすく、情報共有や業務改善のスピードも高いのが特徴ですが、初期費用や人件費、教育・管理の手間が大きく、運用開始までに時間とコストがかかる点がデメリットといえるでしょう。

業務委託(外注)型コールセンターとは

業務委託型コールセンターは、コールセンター運営を専門業者に外部委託する方式です。システムや人員の準備が不要で、短期間で立ち上げられるのが大きなメリットです。

専門的なノウハウや経験豊富なオペレーターを活用できるため、業務量の変動にも柔軟に対応できます。初期費用や運営負担を抑えられる一方で、委託先とのコミュニケーションや品質管理が課題となる場合があります。また、長期的なランニングコストがかかる点にも注意が必要です。

両者の特徴と適する企業像

方式 主な特徴 適する企業像
内製型 ・自社で全て管理・運営

・ノウハウ蓄積・柔軟な運用

・高品質な顧客対応

・初期コスト・運用負担大

・ブランドや顧客体験を重視したい

・長期運用・規模が大きい

・ノウハウを社内に残したい

業務委託型 ・外部業者に委託

・短期間で立ち上げ可能

・専門知識・人材活用

・初期費用抑制・柔軟な人員調整

・短期で立ち上げたい

・コストやリソースを抑えたい

・業務量変動に対応したい

上記のように、内製型は、高度な顧客対応やブランド価値の維持、ノウハウ蓄積を重視する企業に向いています。一方、業務委託型はコストやリソースを抑えつつ、迅速な立ち上げや業務量の変動に柔軟に対応したい企業に最適です。

コールセンターの運営費用を徹底比較

内製型コールセンターにかかる費用(初期・ランニングコスト)

内製型コールセンターでは、初期導入費用としてシステム(CTIやCRM)導入費、オフィス機材、ネット・電話回線工事、採用・教育費などが必要です。相場は30~250万円と高額で、規模やシステムの種類によって大きく変動します。

運用開始後も、人件費やシステム保守費、地代家賃、光熱費などのランニングコストが毎月3~70万円程度かかります。さらに、外部システムとの連携やライセンス料も必要で、年間約50万円が目安です。

業務委託型コールセンターの費用形態(固定型・従量型)

費用形態 特徴 費用相場・目安 向いているケース
月額固定型 月ごとに一定額で対応件数に上限あり 5席規模:月額30万~80万円前後 問い合わせ件数が変動しやすい場合や安定運用
従量課金型 コール件数や通話時間ごとに課金 1件あたり150~600円、初期費1.5万~5万円 件数が少ない、または繁閑差が大きい場合

月額固定型は、応答数が多い月でも追加費用が発生しにくく、予算管理がしやすいのが特徴です。一方、従量課金型はコール数や通話分数ごとに費用が発生し、少量から導入しやすい反面、件数が多いとコストが増加します。

費用を比較する際のポイントと注意点

コールセンター運営費用を比較する際は、初期費用とランニングコストの両方を正確に把握することが重要です。

内製型はシステム導入や機材、採用・教育費など初期投資が高額で、月々の人件費や維持費も継続的に発生します。一方、業務委託型は初期費用が低く、月額固定型や従量課金型など契約形態によって運用コストが変動します。

費用比較では、コール数や業務量の変動、品質要件、自社の予算や運用負担も考慮し、単なる価格だけでなくコストパフォーマンスや業務適合性を重視することがポイントです。

コールセンター運営で重視すべきコストの内訳

コールセンターを運営する際に重視すべきコストの内訳を以下でまとめます。

コスト項目 内容・内訳例 相場・目安費用 備考
システム・設備費用 CTI・CRMシステム導入、電話機・PC・PBX・ヘッドセット、回線工事 初期:30万~250万円

保守:年30万~150万円

システム規模・機能で大きく変動する。
人件費・運用管理コスト オペレーター採用費、給与(時給1,100~3,000円)、管理者人件費、教育・求人広告 月20万~80万円(規模・地域で変動) 管理者や教育・採用コストも含む。
ライセンス料・インフラ維持費 システム利用ライセンス料、オフィス光熱費、通信費、設備メンテナンス費 ライセンス:月4万円(年約50万円)

インフラ:月3万~70万円

利用システムや拠点規模で変動する。

業務委託先の選び方とポイント

費用体系の比較と見積もりの取り方

業務委託先を選ぶ際は、月額固定型や従量課金型など費用体系の違いを理解し、自社の業務量や予算に合ったプランを選ぶことが重要です。

複数社から詳細な見積もりを取り、初期費用・運用費・追加費用の有無やサービス内容を比較しましょう。

費用だけでなく、費用対効果やコストパフォーマンスも重視して選定することがポイントです。

サポート体制・実績・対応品質の評価

委託先の選定では、過去の導入実績や業界での信頼性、クオリティの高さを確認しましょう。特に自社と同じ業種や規模での対応経験があるかが重要です。

また、オペレーターの教育体制やトラブル時のサポート、進捗報告の頻度など、運用面でのサポート体制も評価基準となります。顧客満足度や応対品質向上に直結するため、慎重に見極めましょう。

契約前に確認すべき項目

契約前には、業務範囲や成果基準、KPI、セキュリティ対策、情報共有の方法などを明確に取り決めることが重要です。追加費用や解約条件、トラブル時の対応フローも事前に確認しましょう。

自社の課題や要望をしっかり伝え、委託先が柔軟に対応できるかどうかも確認することで、長期的な信頼関係と安定運用につながります。

コールセンター運営の課題と解決策

内製と外注それぞれの課題

内製型コールセンターの課題としては、オペレーターの採用・教育コストや人材定着の難しさ、離職率の高さが挙げられます。業務の複雑化やクレーム対応によるストレスで人材が定着しにくく、ノウハウの属人化や品質管理の負担も増大しがちです。また、システム導入や運用管理など初期・ランニングコストも高額なのがネックとなります。

一方、外注(業務委託)型コールセンターの課題としては、委託先とのコミュニケーションや品質管理が難しく、対応品質のばらつきや自社ノウハウの蓄積が困難になる可能性が挙げられるでしょう。また、コスト面では業務量や契約条件によっては長期的に割高になることもあり、セキュリティや情報共有体制の確保も重要な課題です。

コスト削減と品質向上の両立方法

コスト削減と品質向上を両立するためには、AIや自動化ツールの積極活用が有効です。AIエージェントや音声解析システムを導入することで、オペレーターの負担軽減と応対品質の均一化、業務効率化を同時に実現できます。

また、チャットやメールなど複数チャネルを組み合わせて業務を分散し、人手不足やコスト増加に対応することも重要です。さらに、KPIを明確にし、定期的な品質モニタリングや教育研修を実施することで、コストパフォーマンスと顧客満足度の両立が可能となります。

最新のコールセンターの運用トレンド

2025年のコールセンター運営では、生成AIや自律型AIエージェントの導入が急速に進んでいます。AIによる自動応答やリアルタイム音声解析、ナレッジ共有の自動化など、業務効率化と品質向上を同時に実現するソリューションが主流です。

また、チャットやSNSなどデジタルチャネルの活用拡大、インサイドセールスやカスタマーサクセス領域への業務拡張も進んでいます。

今後は、人手に依存しないデジタルと人の融合型運営が、持続的な成長と競争力強化のカギとなるでしょう。

コールセンター運営の最適解を見つけるには「コンペル」に相談するのがおすすめ!

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複数の業者から見積もりを一括取得できるため、費用体系やサポート体制、実績を客観的に比較でき、コスト削減と品質向上を両立した最適な選択が可能です。

さらに、最新のAIやシステム導入、部分的な業務委託など、トレンドを踏まえた柔軟な運営戦略を提案できるため、現場の課題解決と持続的な成長を同時に実現できるでしょう。

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