昨今は個人法人問わず無駄なサービスにお金を払うことは極力避ける傾向にあり、営業パーソンには高い営業スキルが求められるようになりました。他社と差別化を図るためにも、営業職における優秀な人材の育成はこれまで以上に重要度を増しています。
また営業として採用したスタッフが営業未経験の場合、社員が一から育成を行う必要があります。しかし営業の現場で即戦力となる人材を早く育成するためにはどうすべきか、効果的な育成ノウハウを持たずに頭を抱えている人も多いでしょう。
今回は営業未経験のスタッフを即戦力にする育成プロセスについて、その手法やポイントを解説します。
1.現場で活躍できる営業スタッフを早く育成するには
「適正」を重視した採用で時短育成ができる
営業職はほかの職種と異なり、様々な立場の人と円滑なコミュニケーションを取る必要があります。多様なタスクに取り組んだり、複数のプロジェクトを同時進行で管理していく事務処理能力・ストレス耐性なども必要となります。
この中で、特に入社後の早期教育が難しいのは「コミュニケーションスキル」と「ストレス耐性」です。したがって、求職者がこれらの適性を持っているかを採用段階で見極めれば効果的に人材育成を行うことが可能になります。
そこでチェックするべきは、求職者が「接客業経験」かどうかになります。以下の職種は営業職との親和性が高いため、求職者の職歴をチェックする上で参考にしてみてください。
・飲食店でのホール
・スーパーなどでの接客販売
・ホテルスタッフ
・テレホンアポインター
他者とのコミュニケーションが日常的に必要な職種の経験者であれば、自分なりのコミュニケーションスキルを身に着けているため、営業職としても成功しやすくなります。
失敗も含めていろいろな経験を積ませる
育成するといっても座学やデモトレーニングだけでは限界があります。そこで重視したいのが、現場での経験を積ませることです。失敗から学ぶのは営業に限らずすべての仕事に共通する考え方です。
今の若い人は失敗を恐れてしまい、それを避けるために新しい挑戦をしない傾向にあります。失敗をしないことも大切ですが、ただ避けているだけでは必要な経験を積むことができません。
営業は体当たり精神も必要になりますので、失敗を恐れずに向かっていけるマインドを育むことは重要です。まず営業に関する経験を積ませることが、現場で活躍できる営業スタッフを早く育成するための第一歩です。
課題をみつけて解決する流れを身につけさせる
経験を積ませる過程で実践したいのが、課題をみつけて解決する流れを覚えてもらうことです。営業の仕事をするうえでどこに問題点があるかを分析させ、課題を解決するためにどうすれば良いのかを試行錯誤してもらいます。
自ら問題を分析・解決できれば、営業スタッフとしても成長できます。次に同じような問題にぶつかっても、解決法がわかっていればすんなりと乗り越えられるでしょう。課題を乗り越えられれば自信に繋がりますし、より上を目指そうと意欲的になれます。
積極的に課題をみつけて解決する流れが身につけば、たとえ未経験から営業を始めたスタッフでも著しく成長します。課題を発見やその解決に必要であれば手を貸しつつ、一連の流れを身につけてもらうことが重要です。
営業計画を立てられるように指導する
営業未経験のスタッフには、営業計画を立てられるように指導することも大事です。ただ単に与えられた仕事を淡々とこなすだけでは、ノルマばかりに気を取られてしまい、受動的に営業を行ってしまう恐れがあります。
もしも自分なりに営業計画を立てられれば、どうやって営業していけば良いのかを自分の頭で考えるようになります。自分の取り組む仕事に対して長期的な視野を持つことができ、より能動的に取り組めるようになります。
営業計画を立てても計画通りに進むとは限りませんが、計画通りに進まないことも含めて営業経験に繋がります。
2.営業のプロを育てるためのプロセスについて
定期的に新しいタスクを任せる
スタッフが営業のプロになるためには、定期的に新しい仕事を覚えさせることが大事です。未経験から営業を始めてある程度慣れ、一通り仕事をこなせるようになればどうしても安心します。
そのため新しい営業先を開拓する、より高い目標を達成させる、新たに担当エリアを増やすなど、新しい仕事に挑戦してもらうことが大切です。とはいえ、ただ厳しくするだけでは仕事に嫌気がさしてしまうことになりかねないため、一度に任せる課題の分量には気を付けましょう。
顧客心理を重視した営業を意識させる
顧客の心理やおかれている立場をしっかりと理解した上で営業を行うことも大切です。そのためにも、顧客心理と行動心理について学ぶことは欠かせません。
相手の考えていることを把握しながら営業を行うことで、より効果的に商材をアピールすることができます。もし相手にとって意欲的に買いたいものでなかったとしても、丁寧に営業を行うことで気分を害すこともないので、話を聞いてもらえる確率は上がります。
このように、顧客心理を重視した営業が成功すれば、成果が出やすくなります。
顧客に共感してもらえる提案力を鍛える
顧客心理を重視した営業手法の1つに、顧客に共感してもらえる提案が挙げられます。
そのためには自社の事業への思いや、商品・サービスへの思いや、制作時のストーリーについて共感してもらうことが有効です。こういった共感しやすい話を織り込むことにより、顧客は警戒心を抑え、こちらが提案するサービスについてより興味を抱くようになります。
また「常に相手と同じ目線であるように配慮する」ことも大切です。例えば提案の際にできるだけお互いの共通語や、顧客の普段使っている言葉を使うことで意思疎通がスムーズになるため、営業を成功させやすくなるでしょう。
3.営業スタッフを育成するうえで気をつけたいこと
どのような営業スタッフを育てるのか明確にする
営業パーソンを育成するなら、どのような営業スタッフを育てるのかをはっきりと明確にしないといけません。目標像があいまいでは、一貫した教育が行えずに社員も戸惑ってしまうでしょう。育成する側は理想の営業像を明確にし、その目的に沿った研修・育成を行いましょう。
育成の方法を手順化して統一する
育成の方法をある程度手順化し統一すれば、効率的で均一な人材育成ができます。もし育成方法が統一されていなければ、指導者によって営業パーソンの育成効率と質が変わることになり、社内で指導方法のずれが起きる原因にもなりえます。
あらかじめ育成方法が手順化されていれば、指導担当が変わっても同じクオリティの育成を行うことができるため、指導も行いやすく担当者の負担軽減にもるでしょう。
営業未経験スタッフをしっかり育成して即戦力にしよう
いかがでしたでしょうか。今回は営業未経験者を即戦力に育てるためのポイントを詳しくご紹介しました。採用の段階で適性を見極めることも即戦力に繋がる人材の雇用になりますし、既に雇用している場合であっても、上記のポイントを押さえて指導を行うことで、しっかりとした営業パーソンに育てることができます。この記事を参考にして、これからの営業の人材育成に役立てていただければと思います。
取り急ぎ営業スキルを上げたいという方であれば、営業研修もおすすめです。専門の業者による営業マン研修ならば、上記に上げたようなスキルについて、それぞれ分かりやすく研修を受けることができます。研修によって考え方や心構えだけではなく、自分に足りないスキルは何であるか、それを満たす為にはどうすれば良いのかを、プロならではの視点で指摘してくれることもあるでしょう。
今回の記事でご紹介した営業スキルを参考に、ぜこれからの営業活動に役立てていただければさいわいです。
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