営業の仕事をしていると、ただ「会話が得意」だけでは通用しないと感じる面も出てきます。

相手が知識や経験を積んだ人となると、ただお決まりのセールスポイントをアピールするだけでは契約を取り付けられません。営業マンには、相手の心の中に入り込み、気持ちを動かす専門のスキルが必要です。

今回は、そんな営業マンに必要な営業スキルを詳しくご紹介します。営業担当の方もこれから営業を始めるという方も、ぜひ記事を読んで今後のセールスの参考になさってください。

 

1.好印象スキル

人の「第一印象」は、相手が見て決めるもので、スキルとして身に付けるものではないと思う人もいるでしょう。しかし、第一印象は本人次第である程度コントロールすることが可能です。

第一印象は出会って5秒で決まると言われ、それを覆すのは容易ではありません。最初は「話だけも聞いてみようか」と思っても、担当者の印象があまりにも悪いために、2度目以降は話に興味がなくなってしまったというケースもよくあることです。しかし初対面の人に「この担当者と付き合っていきたい」「この担当者なら信頼して任せられそうだ」と思ってもらえれば、その後の商談を有利に進めることができます。

「好印象スキル」は、「清潔な身だしなみ」「明るくはっきりとしたトーンの声」「姿勢や態度」で決まってきます。
顔立ちは関係なく、身のこなしが凛としていてすがすがしいことが大切です。理想とする先輩の身だしなみを真似たり、自分で鏡を見て確認するなどで、比較的簡単に身に付けられるスキルです。

 

2.ヒアリングスキル

「ヒアリングスキル」とは、「聞き上手」という意味です。

営業マンと言えば、セールストークが達者なイメージがありますが、まずは相手の意見をしっかりと聞くことが大切になります。相手が困っていること、悩んでいることに対して的確なアドバイスや商品説明ができれば、相手もこちらに好印象を抱き、話に興味を持つようになるからです。

準備した資料を是非見せたい、商品についてのメリットについて存分に説明したいと焦って営業トークをおこなってしまうと、こちらが一方的にしゃべるだけになり、顧客も関心が持てずに終わってしまうことになります。

まずは、相手が何に困っているのか、どうしたいのか。
予算はどれくらい、誰が最終的に判断するのかなどを、できるだけ細かく引き出します。

商品説明をする時に、「〇〇が困るとおっしゃっていた件ですが、この機能を使えば~も可能です」など、相手の状況に沿って説明できれば、顧客も「ちゃんと考えてくれているんだな」と感じます。逆に、以前既に聞いたことを再度聞いてしまうと、「人の話をちゃんと聞いていない人だ」と心証を悪くされてしまいます。

こういった事態を避けるためにも、集中して相手の話を聞いて記憶し、状況をしっかり把握できるようになりましょう。顧客が欲しいもの、買いたいものに的を絞って説明することで、さらに相手から情報を聞き出しながら、効果的な営業を行うことができるでしょう。

 

3.クロージングスキル

「クロージングスキル」とは、顧客の背中を押して、決断を促すスキルです。先方に十分な説明をして、理解してもらった段階で商談を締めるのですが、その時相手に「この商品が欲しい」という気持ちにさせることが大切です。

商品を押し付けるのではなく、顧客にとって「契約しない理由がない」状態にして、最後に「お客様にとっても良いお話と思いますが、如何でしょうか」と決断を促すのです。

「クロージングスキル」を身に付ける為には、まずは上記で紹介したヒヤリングをしっかりとしておくことが基本です。ヒヤリングによって顧客側の抱える問題点や希望を引き出して整理しておき、決断力のある人の前で適切なプレゼンができれば、それだけ良い結果につなげられます。何度も顧客の元に通い説明を繰り返すよりも、ポイントを決めて攻略した上で、ベストなタイミングを計って「さあ、いかがですか?」と一押しすることが大切です。

 

4.コミュニケーションスキル

営業における「コミュニケーションスキル」は、日常的な「人と話すのが得意である」「いつも明るくはきはきしている」ということではありません。どれだけ相手の心をゆさぶり、信頼関係を築けるかがポイントになります。

課題やトラブルなどを抱えている企業に対して、「人と話すのが得意だから」と、自分の言いたいことを一方的に喋るだけの営業マンは、相手から信頼されません。また、資料をひたすら見せて「ここから選んで下さい」などと言う営業マンも同様です。

「コミュニケーションスキル」とは、相手を尊重しながら言いたことが言える環境づくりをおこなうスキルのことです。「この人なら何でも話せそう」「どんなつまらない質問でもできそう」と思って貰えるようにするトークや雰囲気のことを言うのです。

意外なことに、「話し下手な人」「口数の少ない人」でもトップセールスとして成功している人もいます。その人達に共通しているのは、最初から商品説明に入らず、相手の話をじっくりと聞いた上で、「その様なケースですと、こちらの商品がお役に立てるかと思います」と相手に最適な資料を提示し、営業を行うという点です。

 

5.Win-Win維持スキル

ビジネスは、お客様に自社の商品やサービスを提供して、それに見合う金額と等価交換することが基本です。ですので、本来顧客と営業は「上下関係」ではなく「Win-Win」の関係で、対等であるべきといえるでしょう。

営業マンが失敗する要因として、お客様に対して過剰にお世辞を言い過ぎてしまったり、必要以上に顔色を伺うということがあります。あまりに低姿勢な接客は、逆に顧客に不快感を与えてしまうことになりかねません。

お客様に対しては、謙遜し過ぎずに「お金を支払う価値のある商品やサービスを紹介している」というプライドを持って接しましょう。自社の商品は素晴らしいので必ず相手の役に立てる、自分はそれをサポートするのだという自信を持ち、必要以上に自分を下げないことが大切です。

ただ、商談に難色を示したり、文句を言われたりしたときはすぐ諦めず、しかし誠実に対応しましょう。

 

6.課題分析スキル

「課題分析スキル」というと難しそうですが、簡単に言えば「相手が困っていそうなことを推測すること」です。例えば、多くの作業をマニュアル通りに進めている会社の場合、オペレーションに不具合などあっても気にせず受け入れてしまっていることもあります。その様な企業に「何かお困りのことはありませんか」と言っても「特にないよ」と言われてしまうでしょう。

商談を持ち掛ける前にまず、関係する市場やトレンド、顧客の同業他社の事情などを調べておき、「この会社にはこの部分が足りないのでは」と思うことでかつ、自社が対応できることをいくつか見つけておきましょう。そこに誘導する様に話を持ちかけると「そう言えばそう思っていた」と、相手が改めて課題を自覚でき、かつこちらに有利に営業をかけることができます。

 

7.時間効率化スキル

営業マンは基本的に外回りが多いぶん、移動する間の隙間時間を有効に使って1件でも多く顧客を訪問できる様にすることが大切です。外出中にリモートでできる連絡や作業は済ませておく、訪問する順番を考えて移動時間の無駄をなくすなどの工夫によって、5分、10分の効率化はすぐに行えます。

時間の効率化は営業にも大きく影響します。「どうしても今日来てほしい」と思う顧客に対して、「今日はあいにくスケジュールがいっぱいで」と断るのと、「遅くなりますが、5時過ぎにならお伺いができます」と言うのとでは、後者の方がグンとイメージが良くなります。

時間の無駄をなくして効率化を心掛けることで、より多く顧客と接する機会を作ることができ、より多くの営業チャンスを掴むことができます。

 

8.トラブル対応スキル

営業マンは、顧客からトラブルの報告があった時には、最優先で顧客の対応に当たらなければなりません。これは、対応の仕方次第で顧客とのその後の関係が大きく影響されるためです。前提として、普段から顧客が現在どの様な状況で商品を利用しているのか、顧客にどの程度商品知識があるのかなどを把握しておく必要があります。

そして顧客からトラブル発生の連絡があった時には、当日中に状況を見に行ける環境を整えておくか、あるいは電話などで適切なアドバイスができるようにしておきましょう。自分がその商品の知識を持ち、使いこなせるようにしておいたり、エンジニアと信頼関係を築いておいて、すぐにサポートして貰えるようにすることも大切です。

 

9.ストレス耐性スキル

営業マンに必須なスキルのなかでも、「ストレス耐性スキル」は特に重要です。毎日顧客と応対して、時には嫌味を言われたりすることあるでしょう。それだけでなく業績が悪ければプレッシャーを感じたりと、そのストレスは計り知れません。真面目なことは良いことですが、何かあるごとに全て受け止めてストレスを溜めてしまっては、そのうち精神的に参ってしまうでしょう。

嫌なことがあった場合は、それを一つの試練だと考えるようにしましょう。仕事が終ればそこでオンオフを切り替え、プライベートを充実させることも大切です。反省や対策をしっかりとして、後は「起きるべきして起きたことだから仕方がない、良い勉強になった」とポジティブに考えるようにしましょう。

 

さいごに

今回の記事では営業マンに必要な営業スキルについてご紹介しました。営業マンには数多くのスキルがありますが、これらのスキルを個人で身に付けるのは相応の時間がかかるものです。取り急ぎ営業スキルを上げたいという方であれば、営業研修もおすすめです。専門の業者による営業マン研修ならば、上記に上げたようなスキルについて、それぞれ分かりやすく研修を受けることができます。研修によって考え方や心構えだけではなく、自分に足りないスキルは何であるか、それを満たす為にはどうすれば良いのかを、プロならではの視点で指摘してくれることもあるでしょう。

今回の記事でご紹介した営業スキルを参考に、ぜこれからの営業活動に役立てていただければさいわいです。

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