ランチェスター戦略とは、競争に勝つための理論と実務であり、世界で最も活用されている戦略の1つである。この戦略のルーツはイギリスのランチェスターが戦争を有利に進めるために考えたランチェスターの法則を経営戦略に応用したものである。

ランチェスターの法則は第一法則と第二法則がある。第一法則は戦闘力=武器効率(質)×兵力数(量)、第二法則は戦闘力=武器効率(質)×兵力数の2乗(量)である。この法則をランチェスター戦略は弱者の戦略論と強者の戦略論にそれぞれあてはめた戦略を編み出している。

弱者の戦略論は第一法則にあたり、数ではなく、質を高める戦略に替えることが好ましい。基本的に差別化を行う。強者の戦略論は第二法則にあたり、差別化戦略を封じ込めるミート戦略を行うことがよいとされている。

 

ランチェスター戦略を用いて成功した事例を2つ紹介する。
1つ目はハウステンボスである。ハウステンボスは長崎県佐世保市にある、オランダの町並みを楽しむことができるテーマパークである。ハウステンボスは経営破綻を起こしていたが、2010年に社長に就任した澤田秀雄氏の取り組みにより、再建されていった。ハウステンボスはテーマパークとしてではなく、観光ビジネス都市という位置づけをすることで、ディズニーランドなどと差別化を行った。行った取り組みは耕地面積の3分の1を無料公開し、有料ゾーンを3分の2とし空き店舗をなくした。また、子供人気があるワンピースを導入し、ファミリー層からの指示を受け、規模を拡大した世界一のイルミネーションは若者からの支持を受けるようになった。ハウステンボスにしかないオンリーワンコンテンツ、ナンバーワンコンテンツの導入したことが圧倒的な違いを生み出し差別化を図ることで成功を収めた。

2つ目はセブンイレブンである。1990年代の関西圏ではローソンに劣る弱者だった。セブンイレブンは販売地域を細分化し、大阪という限定された地域に資本を集中させることで新規店舗を出店した。弱者の戦略のうちで一騎打ちと呼ばれる手法を選択し、大阪という局地戦を制したことで成功を収めることに繋がった。

 

【ランチェスター戦略】

読み方:らんちぇすたーせんりゃく

英語:Lanchester strategy

例文
(1)我々はランチェスター戦略のうち差別化戦略を取ることで確固たる地位を確立させた。
(2)ランチェスター戦略は弱者が勝つためのマーケティング戦略である。

 

 

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