SNS運用代行の対応範囲とは、「月額内で任せられる作業」と「別料金になる作業(条件)」を整理したものです。
投稿作成・画像/動画制作・コメント返信・分析レポートなどは基本対応に入りやすい一方で、本数・修正回数・撮影有無・対応時間(平日/休日)が増えると追加費用になりやすいです。追加費用は多くの場合、「量・範囲・スピード」のどれかで発生します。
まずは早見表で、含まれる作業と別料金の境界を一覧で確認してください。
先に代行会社を比較したい方は、SNS運用代行会社のおすすめ一覧をご覧ください。
https://comperu.jp/library/sns-marketing/
対応範囲の定義|「どこまで任せられるか」は契約と別料金の線引きで決まる
SNS運用代行の対応範囲とは、契約で合意した業務のうち、追加費用なしで任せられることの範囲を指します。「SNS運用代行」はあくまで総称で、含まれる作業は会社やプランによって異なるため、契約で業務を特定してはじめて範囲が確定します。決め手になるのは ①含まれる作業(基本対応) と ②別料金になりやすい条件(追加対応) の線引きです。
この線引きが曖昧なままだと、同じ運用代行でも認識がズレます。たとえば「投稿作成」と書かれていても、どこまで含まれるかは会社によって違います。
- 企画(テーマ設計・投稿カレンダー)まで含むのか
- 文章だけなのか、画像デザインも含むのか
- 動画は「カットのみ」なのか、テロップ・BGM・撮影まで含むのか
- コメント返信やDM対応は「一次返信」までなのか、個別対応も含むのか
同じ作業名でも前提が違えば、実際に任せられる範囲は別物になります。だから最初に揃えるべきなのは、価格やおすすめ会社ではなく、「何が基本で、何が追加になりやすいのか」という定義です。
この記事では、対応範囲の話を次の3つに分解して整理します。
- 基本対応になりやすい作業(含まれる作業)
- 別料金になりやすい作業と、その発生条件(境界のパターン)
- どこまで任せるかを決めるための確認項目(ミニチェック)
先に全体像だけ掴みたい方は、次の「早見表」を見てください。ここで「基本対応/別料金/確認項目」の位置関係が分かると、後半の詳細も一気に理解しやすくなります。
対応範囲の全体像|依頼できる内容を業務カテゴリ別に整理(早見表)
SNS運用代行の対応範囲は、①基本料金に含まれる作業と、②別料金になりやすい境界(追加費用の条件)で決まります。同じ「SNS運用代行」でも、会社ごとに含まれる範囲が微妙に違うため、比較するときはサービス名ではなく業務カテゴリ単位で揃えるのがコツです。
この章の早見表は、対応範囲を「投稿」「制作」「返信」「分析」などに分解し、さらに追加費用が出やすい境目と、見積をブレさせない確認項目まで一緒に整理しています。候補会社が複数ある場合は、ここを埋めてから見積を取ると「A社は安いけど返信は別料金」「B社は動画が含まれる」など、条件差が一気に見えるようになります。
見方(30秒)
- 「含まれやすい」=月額内に入りやすい代表例
- 「別料金」=追加費用が出やすい境界線
- 「確認項目」=見積依頼に書くとブレが減る項目
早見表:SNS運用代行の対応範囲(含まれる/別料金/確認項目)
| 業務カテゴリ | 基本料金に含まれやすい(例) | 別料金になりやすい(境界) | 見積前に確定すべき確認項目(固定) |
| 0. 体制・窓口 | 月次定例(1回)、窓口1名、簡易連絡(メール/Chat) | 専任PM/複数担当、週次MTG、オンサイト、複数部門調整 | 担当体制(PM/制作/運用/分析)/連絡手段/MTG頻度/対応時間帯 |
| 1. 戦略・方針設計 | 初期ヒアリング、運用方針・トンマナ整理 | 競合調査の深掘り、ペルソナ設計、KPI設計、ブランドガイド作成 | 目的(認知/リード/採用/売上)/KPI(保存/クリック/問い合わせ等)/対象媒体 |
| 2. アカウント/権限設定 | プロフィール整備、ハイライト構成、基本設定 | 運用移管(権限再設計)、複数アカ統合、管理体制再構築 | 権限(誰が管理者か)/ログイン管理/2FA/運用終了後の引継ぎ |
| 3. コンテンツ企画 | 月次企画案(投稿テーマ出し) | 企画本数増、キャンペーン企画、企画会議の頻度増 | 企画本数/月/企画会議の有無/キャンペーン有無(年◯回) |
| 4. クリエイティブ制作:画像 | テンプレ活用の静止画制作(一定本数) | 完全新規デザイン、撮影・レタッチ、素材購入、複数サイズ展開 | 画像本数/月/素材(支給 or 代行)/デザイン難易度/サイズ展開数 |
| 5. クリエイティブ制作:動画 | 既存素材の簡易編集(一定本数) | 撮影込み、台本/構成、字幕・テロップ作り込み、尺長、修正多 | 動画本数/月/尺(秒/分)/撮影有無/工程(字幕/テロップ/BGM/サムネ)/修正回数 |
| 6. コピー/文章作成 | キャプション作成(一定本数) | 監修付き(法務/薬機/金融)、長文、複数案出し | 投稿本数/月/文字数目安/監修要否/NG表現ルール |
| 7. 投稿作業・予約投稿 | 予約投稿、タグ付け、リンク設定 | 投稿本数増、急な差し替え、複数媒体同時、深夜休日投稿 | 投稿本数/月(媒体別)/投稿時間帯/差し替え頻度/対応可能な締切 |
| 8. コメント対応 | 監視+一次返信(定型/軽微) | クレーム/炎上対応、個別判断が必要、対応時間延長 | 対象(コメント/DM)/一次返信範囲(定型のみ等)/エスカレ条件/対応時間帯 |
| 9. DM対応(問い合わせ) | 受付・振り分け(テンプレ) | 商談化対応、個別提案、即時対応、CRM連携 | DMの役割(受付のみ/一次回答まで)/返答SLA(◯時間以内)/引継ぎ先 |
| 10. 監視・レピュテーション | 平日定時の軽い監視 | 休日/夜間監視、キーワード監視、危機対応プロトコル | 監視時間帯/休日対応/アラート条件/初動SLA/危機時フロー |
| 11. 分析・レポート | 月次レポート(定型)+改善案 | 週次レポート、ダッシュボード構築、GA/計測連携の深掘り | レポート頻度/指標(保存/CTR/流入/ CV)/比較軸(前月/前年) |
| 12. 改善運用(PDCA) | 月次で改善提案→翌月反映 | A/Bテスト設計、クリエイティブ検証、複数施策並行 | 改善サイクル(いつ反映)/テスト対象/意思決定者 |
| 13. 広告運用(SNS広告) | (別契約が多い)最小限の相談 | 広告設計/運用/クリエイティブ/LP改善、日次最適化 | 広告の有無/媒体/月額広告費/運用手数料(% or 固定)/KPI |
| 14. キャンペーン・UGC施策 | 小規模企画の相談 | 景品設計、規約/当選対応、インフルエンサー、二次利用管理 | 実施回数/運営範囲(事務局/当選連絡)/UGC二次利用の権利 |
| 15. 炎上・危機管理 | 基本は注意喚起まで | 初動対応、謝罪文、社内調整、休日即応 | 炎上定義/連絡先/承認フロー/休日対応の有無 |
| 16. 成果物・権利・データ | 投稿テキスト/画像の納品(場合により) | 元データ(PSD/AI/プロジェクト)、撮影素材、二次利用 | 納品物の範囲/元データ提供有無/権利帰属/運用終了後の引継ぎ |
別料金の境界は「量・範囲・スピード」で決まる
同じ業務カテゴリでも、追加費用が出るパターンはだいたい共通しています。見積を比較するときは、次の3つのどれで増えているのかを見れば、理由が説明できます。
- 量:投稿本数、画像/動画本数、尺、修正回数、媒体数が増える
- 範囲:撮影・監修(法務/薬機)・危機対応・広告など専門領域まで踏み込む
- スピード:当日差し替え、短納期、休日/夜間対応など対応時間が広がる
見積依頼にコピペできる最小テンプレ(条件を揃える)
候補会社に見積を依頼するときは、まず下の空欄を埋めて渡すと、価格差の理由が「範囲の違い」として比較しやすくなります。
- 対象媒体:Instagram / X / TikTok / LINE(該当)
- 投稿本数:媒体別 ◯本/月(投稿時間帯:◯時〜◯時)
- 画像:◯本/月(素材:支給 or 代行)
- 動画:◯本/月(尺:◯秒、撮影:有/無、修正:◯回、字幕:有/無)
- 返信:コメント(一次返信:定型のみ/個別判断あり)、DM(受付のみ/一次回答まで)
- 監視:平日◯時〜◯時、休日:有/無、初動SLA:◯時間
- レポート:月次/週次、指標:◯◯、改善提案:毎月 有/無
- 成果物:元データ提供:有/無、権利帰属:明記希望、運用終了後の引継ぎ:要/不要
含まれる作業|基本対応になりやすい業務一覧(任せられること)
「SNS運用代行」とひとことで言っても、その中身は意外と幅があります。
ここでは、一般的に基本対応として含まれやすい作業を、工程ごとに整理します。
ただし注意したいのは、同じ作業名でもどこまでやるかが会社によって違うことがある点です。
ここではまず、全体像を押さえましょう。
初期に任せられること|アカウント設計・投稿方針・運用ルール
運用を始める前に行うのが、初期設計です。
代表的な内容は次のとおりです。
- プロフィール設計(自己紹介・リンク設計)
- 投稿の方向性整理(誰に向けて何を発信するか)
- トンマナ(言葉づかい・世界観)の定義
- KPIの整理(フォロワー・保存数・クリックなど)
- 投稿カレンダーの設計
ここまでは、多くの運用代行で基本対応になりやすい領域です。
ただし、「戦略設計をどこまでやるか」は会社によって差が出ます。
ヒアリング中心で簡易的に整理する場合もあれば、市場調査や競合分析まで踏み込む場合もあります。
日々の運用で任せられること|投稿作成・投稿作業・簡易コミュニケーション
もっともイメージしやすいのが、日々の投稿業務です。
含まれやすい作業には、次のようなものがあります。
- 投稿文の作成
- ハッシュタグ選定
- 画像の軽微なデザイン
- 動画の簡易編集(カット中心など)
- 予約投稿・投稿代行
- 投稿スケジュール管理
この部分は、月額の中心業務になることが多いです。
ただし、「画像はテンプレ使用のみ」「動画は短尺のみ」など、範囲が限定されることもあります。
作業名だけで判断せず、「どこまでやるのか」を確認することが重要です。
改善で任せられること|数値の見方・改善提案・企画の見直し
SNS運用は投稿して終わりではありません。
含まれやすい改善業務としては、
- 月次レポート(数値報告)
- 数値の簡単な分析
- 次月の改善提案
- 投稿テーマの見直し
などがあります。
ただし、「数値の報告のみ」なのか、「仮説立てまで行う」のかで、運用の質は大きく変わります。
ここは含まれる作業に見えても、実は範囲に差が出やすい部分です。
作業と成果物の整理|何をやるか/何を受け取れるか
ここで一度整理しておきたいのが、「作業」と「成果物」は別物だということです。
たとえば、
- 投稿文を作る(作業)
- 投稿文のデータを納品する(成果物)
は似ているようで違います。
画像制作でも、
- 画像を作る
- 元データ(編集可能データ)を渡す
では意味が変わります。
後から内製化する可能性がある場合や、別会社に引き継ぐ可能性がある場合は、成果物の定義まで確認しておくと安心です。
ここまでが、「基本対応になりやすい作業」の全体像です。
次は、同じ業務カテゴリでもどこからが別料金になりやすいのかを具体的に整理します。
別料金の境界|追加費用が出やすい条件は「量・範囲・スピード」
SNS運用代行で「想定より費用が増えた」「思っていた範囲と違った」となりやすいのは、ほとんどがこの章の話です。
ポイントは、別料金になるかどうかは作業名だけで決まらず、発生条件(量・範囲・スピード)で決まりやすいことです。
同じ「動画編集」でも、月数本の簡易編集なら基本対応に入っていることがあります。一方で、尺が長い・編集が重い・修正が多い・撮影が必要…となると、別料金になるケースが一気に増えます。
ここでは、別料金になりやすい作業を「なぜ追加になりやすいのか」という共通パターンで整理します。
制作が重いもの|撮影・高度な編集・複数パターン制作
制作系は、工数が読みにくく、追加になりやすい代表格です。
別料金になりやすい例は、こんなものがあります。
- 撮影(現地撮影・スタジオ撮影・人物撮影)
- 高度な動画編集(アニメーション、モーショングラフィックス、複雑なテロップ設計)
- クリエイティブの作り込み(ブランドガイドライン準拠、複数案の提案)
- サムネ・バナーの量産(キャンペーンやシリーズ企画など)
ここで確認したいのは「やる/やらない」よりも、どの程度まで含まれるかです。
たとえば「画像制作」が含まれるとしても、テンプレ適用までなのか、毎回デザインから作るのかで負荷がまったく違います。
回数・量で増えるもの|投稿本数追加・修正回数増・媒体追加
運用代行は、基本的に「月の作業量」を前提に組まれます。
だから、回数や量が増えると追加になりやすいです。
よくある増え方はこの3つです。
- 投稿本数が増える(週◯本 → さらに増やしたい、など)
- 修正回数が増える(差し戻しが多い、関係者が多い)
- 媒体が増える(Instagramだけ → XやTikTokも追加、など)
特に注意したいのは、修正回数です。
修正が増える原因は、制作側だけではなく、社内の承認フロー(確認者が多い・指示が変わる)にあることも多いので、回数の上限と修正の範囲(文言のみ/構成変更OKなど)を先に決めておくと揉めにくくなります。
スピードや時間帯で増えるもの|急ぎ対応・休日対応・夜間対応
意外と見落としがちなのが「対応スピード」です。
- 当日中に差し替えたい
- 明日の朝に出したい
- 休日に返信したい
- 夜間も監視してほしい
こういった要望は、体制(担当人数・稼働時間)に直結するため、別料金になりやすいです。
ここは「できるかどうか」だけでなく、
- 対応時間(平日◯時〜◯時)
- 休日対応の有無
- 緊急時の連絡手段
- 初動だけ対応/完全対応
のように、ルールで整理しておくと後からブレません。
権利や外部調整が絡むもの|素材権利・キャスティング・許諾対応
SNSは、クリエイティブだけでなく「権利」が絡むと一気に複雑になります。
たとえば、
- BGM・画像・フォントなどの権利確認
- 使用許諾の確認(引用・タイアップ表記など)
- キャスティング(モデル・インフルエンサー起用)
- 外部パートナーとの調整
このあたりは、対応可否も会社で差が出ますし、含まれていても範囲が限定されていることが多いです。
「どこまで確認するのか」「最終判断は誰が持つのか」まで含めて確認できると安心です。
追加費用が出やすい発生条件の考え方|何が追加かより、どうなると追加か
別料金の話で一番重要なのは、作業名の羅列よりも、発生条件を言語化することです。
覚えておくと便利なのは、この3つです。
- 量が増える(本数・媒体数・修正回数・対応件数)
- 範囲が増える(企画・制作の作り込み・高度な編集・分析の深掘り)
- スピードが増える(急ぎ・休日・夜間・即レス体制)
このどれかが増えると、追加になりやすいです。
逆に言えば、ここを先に揃えておけば、「どこから別料金になりやすいか」が自分で判断できるようになります。
次の章では、「別料金の境界」とも関係する 同じ運用代行でも中身が違うポイントを整理します。
同じ言葉でも差が出る部分を知っておくと、候補を見たときの見極めが一段ラクになります。
差が出るポイント|代行会社で対応範囲(サービス内容)が変わる観点
ここまでで、「含まれる作業」と「別料金になりやすい領域」は整理しました。
しかし実際には、同じSNS運用代行でも、対応範囲の中身には違いがあります。
たとえば「投稿作成」「改善提案」「返信対応」といった言葉はどの会社でも出てきますが、どこまでやるのか、どのレベルまで対応するのかは大きく異なります。
ここでは、差が出やすい6つの観点を整理します。
戦略の深さ|方針づくりまでか、運用代行中心か
SNS運用には大きく2つのタイプがあります。
- 投稿の実務を回す「運用中心型」
- 方針設計から入る「戦略設計型」
前者は、既に方向性が決まっている企業に向いています。
後者は、「何を発信すべきか」から整理したい場合に適しています。
同じ「運用代行」でも、
- 競合分析を行うか
- ペルソナ設計まで行うか
- 企画の方向性をゼロから提案するか
によって、役割は大きく変わります。
制作の重さ|テンプレ中心か、作り込み前提か
画像制作や動画編集も、差が出やすいポイントです。
- テンプレートに沿った軽微なデザイン
- 毎回オリジナルで設計するデザイン
- アニメーションや高度な動画編集を含む制作
どこまで作り込むかで、必要な工数も体制も変わります。
「画像制作あり」と書かれていても、その中身は会社ごとに違うため、どの程度まで制作するのかを確認することが重要です。
承認フロー|提出タイミング・関係者数・差し戻しの扱い
意外と見落とされがちなのが、承認の仕組みです。
- 投稿前に何日前に提出されるか
- 承認者は何人いるか
- 修正は何回まで可能か
- 承認が遅れた場合の扱いはどうなるか
承認フローが複雑になると、修正回数が増え、スケジュールもずれやすくなります。
ここを整理しておかないと、「含まれている作業」なのに実質的に回らない、という事態が起きます。
一次返信・休日対応|対応範囲と時間のルール
コメントやDMへの一次返信を任せるかどうかも、大きな違いです。
- コメントのみ対応
- DMも対応
- テンプレ返信のみ
- 個別判断が必要なケースは社内エスカレーション
さらに、
- 平日のみか
- 休日対応ありか
- 対応時間帯は何時までか
によって、体制は大きく変わります。
「返信対応あり」と書かれていても、どの範囲・どの時間帯かまで確認することで、認識のズレを防げます。
改善の考え方|報告中心か、提案までか
レポートの中身にも差があります。
- 数値をまとめて共有するだけ
- 数値に対する簡易コメント付き
- 仮説立てから改善案まで提示
- 企画の抜本的な見直しまで行う
改善提案の有無や頻度によって、成果の出方は変わります。
「レポートあり」という言葉だけで判断せず、どこまで踏み込むかを見ることが大切です。
複数媒体の注意|媒体ごとの作法・工数・管理方法
Instagram、X、TikTokなど、複数媒体を運用する場合も差が出ます。
- 同じ内容を横展開するのか
- 媒体ごとに最適化するのか
- それぞれに企画を立てるのか
媒体が増えると、単純に作業量が増えるだけでなく、求められる表現も変わります。
「複数媒体対応」と書かれていても、どこまで個別最適化するのかは確認が必要です。
ここまでが、「同じ運用代行でも中身が違う」代表的な6つの観点です。
この違いを理解しておくと、次に候補を見たときに、
- 自社はどこまで任せたいのか
- どこは社内で持つべきか
が判断しやすくなります。
媒体別に増える作業|Instagram・X・TikTok・LINEで別料金になりやすいポイント
複数媒体を運用する場合は、媒体ごとに増えやすい作業(=別料金になりやすい条件)も押さえる必要があります。
同じ「運用代行」でも、媒体によって工数の中心が違うため、見積もりの内訳が変わりやすいからです。
Instagramで増えやすい作業(制作工数)
- リール動画の本数増・長尺化(字幕/テロップの作り込みを含む)
- 撮影込み(ロケ・出演・物撮り・スタジオ手配)
- クリエイティブの複数パターン(A/B、サイズ展開)
確認ポイント:リール本数/尺/撮影有無/修正回数/素材支給か代行か
X(旧Twitter)で増えやすい作業(返信・監視)
- 返信範囲の拡張(一次返信→個別判断→エスカレーション)
- 監視時間帯の拡張(休日/夜間、アラート条件、SLA設定)
- クレーム・炎上時の初動(承認フロー、文案作成)
確認ポイント:返信対象(リプ/引用/DM)/監視時間帯/休日対応/初動SLA
TikTokで増えやすい作業(撮影・編集工程)
- 撮影込み(台本/構成、出演、撮影日数、ロケ)
- 編集工程の増加(字幕/テロップ、効果音、トレンド寄せ)
- 修正回数の増加(修正定義が曖昧だと特に増える)
確認ポイント:動画本数/尺/撮影有無/編集工程(字幕等)/修正回数
LINEで増えやすい作業(設計・計測)
- セグメント配信やステップ配信の設計(分岐、タグ設計)
- クリエイティブより運用設計(配信パターン増)
- CV計測や外部ツール連携(計測範囲が広いほど工数増)
確認ポイント:配信本数/ステップ数/セグメント数/計測範囲(CV定義)
まとめると、Instagram=制作、X=返信/監視、TikTok=撮影/編集、LINE=設計/計測で「増える作業」が変わります。
複数媒体で見積を取るときは、媒体ごとに確認項目を分けて揃えると、価格差の理由が分解できます。
次は、ここまでの内容を踏まえて、どこまで任せるかを具体的に決めるためのミニチェックに進みます。
確認項目|依頼範囲を確定するミニチェック(見積もり前に決めること)
ここまで読んで、「対応範囲の考え方は分かったけれど、自社の場合はどこまで任せるべきか迷う」という方も多いはずです。
そんなときは、次のミニチェックで整理してみてください。
これは会社を比較するためというより、自社としてどこまで任せるのか(依頼範囲)を言語化するための確認項目です。
ミニチェックリスト(9項目)|どこまで任せるかを決めるための確認
次の9項目を埋めていくと、どこまで任せるかがはっきりします。
① 対象媒体は何か
- どのSNSを運用対象にするか(1媒体/複数媒体)
- 複数媒体の場合、媒体ごとに個別最適化するか(投稿形式・頻度・分析など)
運用対象が増えるほど対応範囲(工数)が広がり、追加費用が発生しやすくなります。
② 投稿の形式と本数
- 静止画・テキスト中心の投稿だけか
- 動画投稿も含めるか(短尺動画など)
- 月に何本投稿する想定か
作業量は別料金の代表的なトリガーです。繁忙期の増加想定まで決めておくと比較がしやすくなります。
③ 制作の範囲
- 画像はテンプレ調整だけか、オリジナル制作か
- 動画は簡易編集か、本格編集か
- 撮影は必要か
同じ「動画編集」でも工程が違えば対応範囲は別物になります。
④ 成果物の扱い
- 投稿データは納品されるか
- 元データ(編集可能データ)は受け取れるか
- レポートはどこまで含まれるか
作業名ではなく成果物で確認すると、契約後のズレが減ります。
⑤ 修正の考え方
【代行会社側のルール(契約条件)】
- 修正は何回までか
- 文言のみか、構成変更も含むか
【自社側の前提(承認体制)】
- 誰が承認するか(関与者数・段数)
- 承認に必要な日数(目安)
社内で何度も直したい場合、代行側の修正回数(上限)を超えやすくなります。超えた分は追加対応(別料金)になりやすいので、最初に決めておくのが安全です。
⑥ 承認フロー
- 原稿(案)の提出タイミングはいつか(投稿予定日の何日前までに提出するか)
- 承認が遅れた場合はどうするか(投稿日をずらす/即日修正で対応など)
納期や緊急対応の前提が曖昧だと、特急対応(追加対応)になりやすくなります。
⑦ 返信対応の範囲
- コメントのみか、DMも含むか
- 対応時間帯はいつか
- エスカレーションのルールはあるか
返信対応は「どこまで任せるか」で最も差が出る領域です。
⑧ 改善のレベル
- 数値報告のみか
- 改善提案まで含むか
- 企画の見直しまで任せるか
改善をどの程度まで深くやってもらえるかは、工数と費用に直結します。
⑨ 追加になりやすい条件
- 本数増加
- 急ぎ対応
- 媒体追加
- 制作の作り込み
「どこから追加になっても納得できるか」を先に決めておくと、後で迷いません。
これらを整理することで、「任せる範囲」が具体的になります。
チェックが埋まるとズレが減る理由|作業・成果物・境目が揃う
このミニチェックの目的は、細かい契約条件を決めることではありません。
- 何を任せたいのか
- どこは社内で持つのか
- どこから追加になっても納得できるのか
を先に言語化することです。
これが整理できていれば、会社側の提案内容を見たときに、
- これは基本対応の範囲だ
- ここは条件によって変わる部分だ
と冷静に判断できるようになります。
比較・相談の前に決めること|最短3点で話がブレなくなる
9項目すべてを固める必要はありません。
まずは、次の3点だけ決めておけば十分です。
① 目的|何を良くしたいのか
認知拡大か、集客か、採用か。
目的によって、任せるべき対応範囲は変わります。
- 認知 → 投稿頻度や拡散設計
- 集客 → 導線設計や改善提案の深さ
- 採用 → コンテンツの作り込み
「フォロワーを増やす」の先にある目的まで言語化すると、必要な範囲が見えてきます。
② 役割分担|社内でやること/代行会社に任せること
- 企画(テーマ設計)は社内か、代行会社か
- 素材(写真・動画・商品情報)を用意するのは社内か、代行会社か
- コメント返信/DM対応は社内か、代行会社か
- 問い合わせ・炎上時の一次対応は社内か、代行会社か
役割分担が曖昧だと、「思っていたより手間が残る」状態になりやすいです。
③ 優先順位|何を一番重視するのか
- 投稿本数を増やす
- 制作クオリティを高める
- 社内負担を減らす
- 改善提案を厚くする
すべてを最大化するのは難しいからこそ、優先順位が重要です。
3点が決まると何が変わるか
目的・役割分担・優先順位が整理できていると、
- 提案内容の良し悪しが判断しやすい
- 不要なオプションに振り回されにくい
- 「どこまで任せるか」が自然に定まる
逆にここが曖昧なままだと、どれだけ丁寧な説明を受けても最終判断が難しくなります。
迷う項目がある場合は、無理に判断を進める必要はありません。
むしろ曖昧なまま契約するほうが、後でズレやすくなります。
「何を任せるべきか」から相談できる会社もあります。
重要なのは、価格の前に、自社の依頼範囲を言語化することです。
媒体別の追加確認項目(複数媒体を運用する場合)
複数媒体でSNS運用代行を依頼する場合は、媒体ごとに確認項目を分けて整理すると、見積のブレを防げます。
以下は、特に差が出やすいポイントです。
Instagramを含む場合
- リール本数/月
- 動画の尺(◯秒)
- 撮影の有無
- 修正回数
- デザインはテンプレか完全新規か
X(旧Twitter)を含む場合
- 返信範囲(コメントのみ/DM含む)
- 個別判断の有無
- 監視時間帯(平日/休日)
- 初動SLA(◯時間以内対応)
TikTokを含む場合
- 動画本数/月
- 撮影込みか否か
- 編集工程(字幕・BGMなど)
- 修正回数の上限
LINEを含む場合
- 配信本数/月
- ステップ配信の有無
- セグメント数
- CV計測・外部ツール連携の範囲
※媒体ごとに条件を明確にしないまま見積を取ると、「対応範囲が広い会社ほど高く見える」という現象が起きやすくなります。
失敗例|対応範囲を決めないまま進めると起きるすれ違い
ここまでで、「含まれる作業」「別料金になりやすい領域」「差が出るポイント」「ミニチェック」を整理してきました。
それでもトラブルが起きるとすれば、原因の多くはひとつです。
どこまで任せるかを曖昧なまま進めてしまうこと。
ここでは、実際に起きやすいすれ違いのパターンを紹介します。
含まれると思っていた作業が入っていなかった
よくあるのがこのケースです。
- 「返信対応もやってくれると思っていた」
- 「動画も含まれていると思っていた」
- 「改善提案まで当然あると思っていた」
しかし実際には、
- 返信はテンプレのみ
- 動画は別料金
- レポートは数値共有のみ
というように、認識がズレていることがあります。
これは、作業名だけを見て判断してしまったことが原因です。
「どこまでやるか」を具体的に確認していれば、防げたケースがほとんどです。
成果物のイメージが違っていた(納品物のズレ)
次に多いのが、成果物の認識違いです。
たとえば、
- 投稿文はもらえると思っていたが、データは共有されなかった
- 画像は作ってもらえたが、元データはもらえなかった
- レポートは簡易版で、改善提案は含まれていなかった
「やる作業」と「受け取れるもの」は別です。
ここを整理せずに進めると、後から「思っていたのと違う」と感じやすくなります。
修正・承認で止まり、投稿が回らなくなった
承認フローの整理不足も、よくある原因です。
- 社内の確認者が多い
- 修正が何度も入る
- 指示が途中で変わる
こうした状況になると、スケジュールが崩れ、投稿が安定しません。
結果として、「運用代行がうまくいっていない」と感じてしまうこともあります。
しかし実際には、範囲やルールを決めていなかったことが原因である場合も多いのです。
一次返信や休日対応の認識違いが起きた
返信対応は特に誤解が起きやすい領域です。
- コメントは対応するが、DMは対象外だった
- 平日のみ対応だった
- 炎上時の即時対応は含まれていなかった
「返信対応あり」という一言では、内容は分かりません。
対応範囲と時間帯を具体的に決めておくことで、トラブルは大きく減ります。
改善の期待値が合わず、やりっぱなしになった
最後に多いのが、改善に対する期待値のズレです。
- もっと積極的な提案があると思っていた
- 数値が伸びない原因を深く分析してくれると思っていた
- 企画を大きく見直してくれると期待していた
しかし実際には、報告中心の契約だったというケースもあります。
ここでも重要なのは、「どこまで任せるか」を事前に言語化しておくことです。
失敗を防ぐために
これらのすれ違いは、特別なトラブルではありません。
多くは、任せる範囲の定義が曖昧だったことから生まれます。
だからこそ、
- 含まれる作業
- 別料金になりやすい境目
- 修正・返信・改善の範囲
を、先に整理することが重要です。
次は、比較や相談に進む前に、最低限決めておきたい3つのポイントを整理します。
よくある質問|SNS運用代行の対応範囲で迷いやすいポイント
ここでは、SNS運用代行の対応範囲について特に多い質問をまとめます。
本文で整理した「含まれる作業」と「別料金の境目」を前提に確認してください。
SNS運用代行の対応範囲はどこまでが一般的ですか?
投稿作成・画像制作・簡易動画編集・一次返信・月次レポートまでが基本対応に含まれることが多いです。
ただし、次の条件に当てはまると別料金になることがあります。
- 投稿本数や制作本数が増える(量)
- 撮影・監修・広告など専門領域まで求める(範囲)
- 当日差し替えや休日/夜間対応を求める(スピード)
別料金(追加費用)になりやすいのはどんなときですか?
別料金は多くの場合、「量・範囲・スピード」が増えると発生します。
見積で差が出やすい具体例は次の通りです。
- 量:投稿本数、動画本数、動画の長さ、修正回数、媒体数が増える
- 範囲:撮影、素材購入、法務/薬機などの監修、危機対応、広告運用を含める
- スピード:短納期、当日差し替え、休日・夜間の即応(SLA設定)
画像や動画制作は基本料金に含まれますか?
画像制作は含まれることが多く、動画は内容次第で追加費用になることが一般的です。
別料金になりやすいのは次のケースです。
- 撮影込み(ロケ/出演/機材手配など)
- テロップ・字幕・BGMなど編集工程が多い
- 長尺(例:1分超)や複数パターン納品が必要
- 修正回数が多い、または修正定義が曖昧
コメント返信やDM対応はどこまで対応してもらえますか?
定型的な一次返信(テンプレ対応)までが基本料金に含まれることが多いです。
次の条件は追加費用や別対応になりやすいです。
- 個別判断が必要な返信(判断・承認・社内確認が必要)
- クレーム/炎上の一次対応や謝罪文作成
- 休日/夜間対応、または「◯時間以内」などの即時SLA
- 商談化(提案・ヒアリング・日程調整)まで担う運用
監視(炎上・危機対応)は対応範囲に含まれますか?
平日・定時の簡易監視は含まれることがありますが、緊急対応や休日対応は別料金になりやすいです。
見積前に確認すべきポイントは次の通りです。
- 監視の時間帯(平日/休日、何時〜何時)
- アラート条件(どの投稿・キーワードで通知するか)
- 初動SLA(検知から連絡までの目安)
- 危機時の承認フロー(誰が最終判断するか)
成果物(元データ)や権利はどこまで受け取れますか?
納品範囲と権利(著作権/二次利用)は会社によって異なるため、契約前に明確化が必要です。
トラブルを防ぐために、最低限次を確認してください。
- 納品物の範囲(画像/動画/投稿文/レポート)
- 元データ提供の有無(PSD/AI/編集プロジェクト/撮影素材など)
- 権利帰属(二次利用・転載は禁止利用・改変の可否)
- 運用終了後の引継ぎ(アカウント権限、投稿データ、素材の扱い)
次にやること|候補を見つけて条件に当てはめる(迷う場合は相談)
ここまでで、
- 任せられる範囲の大枠
- 含まれる作業
- 別料金になりやすい境目
- 差が出るポイント
- ミニチェック
- 事前に決めるべき3点
を整理してきました。
次のステップはシンプルです。
候補を見つけて、自社の条件に当てはめてみるステップです。
会社候補の一覧記事へ|まずは選択肢を把握する
具体的な会社名を見ながら考えると、イメージは一気に具体化します。
候補を確認するときは、次の視点で見ると効果的です。
- 基本対応にどこまで含まれているか
- 別料金になりやすい領域はどこか
- 制作や改善のスタンスはどのタイプか
- 自社の目的と合っているか
このとき、前の章で整理した「ミニチェック」を横に置いて読むと、
単なる雰囲気比較ではなく、条件ベースで判断できるようになります。
候補を一覧で見たい方は、こちらから比較できます。
https://comperu.jp/library/sns-marketing/
選び方を先に整理したい方へ|比較の軸を明確にする
「まだ何を基準に選べばいいか迷っている」という場合は、
選び方そのものを整理してから候補を見るのも有効です。
- 実績重視か
- サポート体制重視か
- 価格より対応範囲重視か
- 戦略提案の有無を重視するか
基準が定まると、候補は自然と絞られていきます。
迷う場合は相談という選択肢もある
「どこまで任せるのが正解か分からない」
「社内体制とのバランスに自信がない」
こうした場合は、候補を無理に決めなくても大丈夫です。
むしろ、曖昧なまま契約を進めるほうが後からズレやすくなります。
最近は、いきなり契約ではなく、範囲整理の相談から受けてくれる会社も増えています。
- どこまで外注すべきか
- 内製とのバランスはどう取るか
- 最小構成で始めるならどの範囲か
こうした整理から始めるのも、賢い選択です。
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まとめ
SNS運用代行で迷いやすいのは、「会社選び」そのものよりも、
どこまで任せるかを決めないまま比較してしまうことです。
まずは、
- 含まれる作業
- 別料金になりやすい境目
- 自社の目的と優先順位
を整理する。
そのうえで、候補を条件に当てはめる。
迷う部分は相談で確認する。
この順番で進めれば、大きなズレは防げます。
