メルマガには「到達率」、「開封率」、「クリック率」など様々な用語がありますが、
今回は「開封率」について紹介します。

どれくらい届いたのかを図る「到達率」も大切ですが、どれくらい開封されたのかがわかる「開封率」は、より自社の利益に反映されやすく重要な指標の一つです。この記事では開封率の具体的な計算方法に加えて、開封率を上げるための7つのコツ、測定方法についてわかりやすく紹介します。メルマガをこれから展開していきたい方や、メルマガについて改善していきたい問題がある方は、ぜひこの記事を参考にされてください。

1.メルマガの「開封率」とは?

メルマガの「開封率」とは、読者に送信したメルマガが読者全体の中でどれくらい開封されているのかを示す比率です。

メールマーケティングでは読者の表情やリアルな反応を確認できないため、開封率のような数値を参考にしながらサービス改善を行う必要があります。開封率を上げていくことで自社の利益率の向上にも繋がります。開封率を上げているコツを理解して実践に取り入れていきましょう。

2.メルマガにおける開封率の目安

まず、メルマガにおける開封率の計算方法と、業界別の開封率の平均について紹介します。

1.開封率の算出する計算式

メルマガの開封率は下記の計算式で算出することができます。

開封率算出の計算式
(開封数÷メール到達数)×100(%)

たとえば、メルマガ読者1,000人に1通のメルマガを配信し、1,000人にメールが届いたと仮定します。
そのメルマガを100人が開封したのであれば「100÷1,000×100=開封率10%」となります。

2.全体の開封率はおよそ20%前後

では、一般的な開封率とはどのくらいなのでしょうか?
業種によって多少の違いはあるものの、概ね20%前後となっています。

アメリカ・ジョージア州にあるメール配信ツール提供会社『MailChinp社』が発表している業種別のメルマガ開封率を一部抜粋して紹介すると下記のとおりです。

業種 開封率
農業・食品 23.31%
建設・建築 22.51%
芸術 26.27%
美容 16.65%
ビジネス・経済 21.56%
コンピュータ・電気 19.29%
コンサルティング 20.13%

引用元:Email Marketing Benchmarks and Statistics by Industry

上記のように、約20%前後となっているため、メルマガを配信するのであれば、暫定の目標値は20%以上が望ましいでしょう。

3.メルマガの開封率を上げる7つのコツ

メルマガの開封率を上げるための方法は長年様々な会社で研究され、下記のような方法が提唱されています。

・読者の質を上げる
・読者を属性ごとに分ける
・スパム認定されるようなメルマガを送信しない
・開封されやすい曜日・時間帯に送信する
・メルマガの送信頻度を最適かする
・読者の関心を惹くタイトルにする
・メルマガ内では読者の個人名が出るように設定する

上記のコツについて、ひとつずつ紹介します。

1.読者の質を上げる

メルマガは、読者が多ければ多いというわけではありません。

読者の数が多かったとしてもその質が低ければ、読者数に対してメルマガを開封する人の数が減ることになります。
ですので開封率を上げるために読者の質を上げていく必要性があります。

一般的には読者を整理するために、開封してなさそうな人や反応が悪い人をリストから削除する「リストの整理」が行われます。メルマガの開封率が低いと送信する側のモチベーションも下がってしまいます。まずはリストの整理を行い、メルマガ読者の質を上げましょう。

2.読者を属性ごとに分ける

メルマガ読者は興味・関心がそれぞれ異なり、属性もばらばらです。
例えば下記のような分け方が可能です。

・全く反応なし
・特定のメルマガについて返信をくれた
・1度だけ商品を購入してくれた
・毎回商品を購入してくれるリピーター

このように読者層を属性で分けた上で、メルマガの内容も可能な限りそれぞれの属性に最適化することで、開封率上りやすくなります。

3.スパム認定されるようなメルマガを送信しない

メルマガは有料の配信ツールを使ったとしても想定ほど広く届かないケースがあります。

気を付けないといけないのは、スパム認定させるようなメルマガを送信しないことです。
見て欲しい・シェアしたい情報が複数あったとして、メルマガ内に外部リンクのURLを大量に貼ったとします。そうすると、そのメルマガはメールサーバー側で勝手に「スパムメール」と判断され、読者に届かなくなってしまいます。

下記ようなワードの使用でもスパム認定される要因となりうるため、注意しておいてください。

・「すぐに稼げる」
・「誰でもお金持ち」

4.開封されやすい曜日・時間帯に送信する

メルマガは読者が開封しやすい曜日、時間帯を狙って配信しましょう。

専業主婦であれば家事がひと段落するランチタイム、会社員であれば通勤時間・退勤時間などメールをチェックしやすい時間帯などが開封率が高くなります、このように最適な曜日や時間帯は読者の属性によって変化します。自分がメルマガ配信に使用しているツールを使い、平均してどの時間帯が最も開封率が高いかを計測してみましょう。

5.メルマガの送信頻度を最適化する

メルマガはどんなに有益な情報だったとしても、大量に送信すると敬遠されてしまいます。

1日に3通のメールが何度も届けば、一般的な読者であれば読むのをやめてしまうでしょう。メルマガ1通の情報量にもよりますが、1週間に3通前後を目安とし、読者の生活リズムの邪魔にならない頻度での送信を行いましょう。

6.読者の関心を惹くタイトルにする

メルマガの開封率を上げるためには、ブログやコンテンツと同様に、タイトルのつけ方が重要です。

たとえば、「6月29日のメルマガ」という質素なタイトルより「〇〇を改善するコツ」といったような、読者のニーズに合った興味を掻き立てるタイトルをつけましょう。

7.メルマガ内では読者の個人名が出るように設定する

メルマガの本文内では「みなさん」といった不特定多数を示す言葉よりも「あなた」や「〇〇さん」といった個人を示す言葉を使いましょう。

読んでいる人に直接話しかけるような文調にすることで、読者は親近感を抱きやすくなります。
ポジティブに感じてもらえると内容を真剣に読んでくれる確率や、その後の開封率の向上に繋がります。メルマガ配信ツールによっては登録者の氏名を本文中に組み込める設定があるため、うまく活用しましょう。

4.メルマガの開封率が上がるタイトル付けのコツ

前述の中でも紹介したとおり、メルマガにおいて開封率を上げる要素に「タイトル」があります。熱心な読者であればどんなタイトルでも読んでくれる可能性がありますが、登録して間もない読者や興味・関心が薄れた読者はタイトルが開封のための重要なきっかけとなります。

タイトル付けのコツとしては下記の5つを意識しましょう。

・具体性
・意外性
・ニュース性
・希少性
・パーソナライズ

これらそれぞれについて紹介します。

1.具体性

メルマガのタイトルで具体性を上げるためには、数値化などが効果的です。
たとえば「メルマガの開封率がちょっと上がった方法」よりも「メルマガ開封率を2.3%上げる方法」、「開封率が2倍になった話」などの方が具体的ですよね。

料理ジャンルでレシピを紹介するなら「5人分の昼食たった3分で作れる簡単レシピ」といったように、効果を数値化すると目を引きます。化でなくても、具体的にどういったことができるのか具体的に紹介することも効果的です。メルマガを読むメリットを想像しやすくなり、読者の興味・関心を惹くことができます。

2.意外性

タイトルに意外性があると、反射的に開封したくなるため効果的です。

ベストセラーになった本で「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40あげて慶應大学に現役合格した話」といったものがあります。
具体的で意外性があるタイトルですよね。このように、見ただけでメールを開きたくなる意外性のあるタイトルを考えましょう。コツはギャップのある言葉や真逆の言葉をタイトルに組み込むことです。

3.ニュース性

ニュース性があることでクリック率が高まるのは有名な話です。

例えばYahooニュースのトップページはどのタイトルもニュース性が高く、反射的にクリックしたくなると思います。自分が取り扱っているジャンル・業界で話題の情報をタイトルに組み込むことで応用してみましょう。

この記事を読んでくれている方であれば「【速報】2021年6月の業界別メルマガ開封率発表!」などというタイトルが興味が湧くのではないでしょうか。ニュース性はタイミングも重要なため、常にアンテナを張り、その時々の話題に敏感であることも大切です。

4.希少性

希少性は限定性ともいわれます。
人は商品やサービスが限定的と思われる場合に、通常よりその商品やサービス魅力を感じる傾向があります。

たとえばスーパーで「卵はお一人様おひとつ限り」という書かれていると「とりあえず買っておくか」という気分になりやすいものです。有名な実業家の堀江貴文さんのメルマガタイトルも「堀江貴文のブログでは言えない話」といった希少性を漂わせるタイトルです。

メルマガ配信者向けの記事であれば「9割の人が知らないメルマガ開封率の話」といったものが興味をひきやすいと思います。自分の配信しているジャンルにあわせて希少性のあるタイトルを作成してみましょう。

5.パーソナライズ

タイトルのパーソナライズ(一人ひとりに合わせて変更する)ことは手間がかかり難しいですが、開封率を上げるためにとても効果的な方法です。

メルマガ読者が属性ごとに分けられているのであれば、属性ごとに合わせたタイトル付けも良いでしょう。メルマガ読者が「今日の内容は私に向けられたメルマガだ」と感じられるタイトルであれば開封率は上がります。

5.メルマガの開封率が上がらない原因と対処法

もしメルマガ配信において開封率が上がらないのであれば、下記の点に注意してみましょう。

・そもそも読者に届いていない
・迷惑メールに振り分けられている
・タイトルが興味をそそらない
・メルマガの内容が読者のニーズとズレている
・読者に飽きられている
・送信する曜日や時間帯がバラバラ

1.そもそも読者に届いていない

メルマガは開封率の前に「到達率」(メルマガが読者に到達した率)を上げることが大切です。到達率を上げる方法には下記のようなものがあります。

・スパム認定されるような内容を送らない
・送信ドメイン認証をおこなう
・エラーメールが発生している場合はすぐに対応する
・読者にブロックされないようなメールを送る

メール配信ツールを使っている場合は「送信ドメイン認証」と呼ばれる、送信者がなりすましでないかどうかを確認する認証サービスがあります。「SPF」や「DKIM」といった設定があるため、配信前に自分が利用しているメール配信サービスで各種設定をおこない、しっかりと読者にメールが届くように対策しましょう。

2.迷惑メールに振り分けられている

メールは読者の意図にかかわらず、迷惑メールに振り分けられることがあります。

前述したように、大量のURLを貼っているとメールサーバーに迷惑メールと判断されやすくなります。迷惑メールフォルダに振り分けられるほか、最悪サーバー側で受信をブロックされることもあります。

そのため、読者には登録時に自動返信で「登録完了メールを送ったので、届いてない場合は迷惑メールフォルダを確認してください」、「迷惑メールフォルダに入る場合は設定を変更してください」など、先立ってフォローを入れておきましょう。

3.タイトルが興味をそそらない

メールが届いているのに開封率が上がらない原因のひとつは、タイトルです。
前述したように

・具体性
・意外性
・ニュース性
・希少性
・パーソナライズ

といったテクニックを利用して開封率の向上を目指しましょう。

4.メルマガの内容が読者のニーズとズレている

どんなに有益な情報だとしても、読者とのニーズがズレていては開封率は上がりません。メルマガ発信者としては読者が何を求めているのかを想像する力が求められます。

ニーズに合った情報を提供するために、定期的に読者アンケートをとったり、感想を求めましょう。アンケートや感想の返信率が上がるよう、返信してくれた方へ簡単なプレゼントを用意することも効果的です。

5.読者に飽きられている

メルマガの内容は、毎回読者の好奇心を常に刺激するような新しい情報である必要があります。

登録したステップメールを自動的・機械的に送信してしまうと、情報鮮度が低く読者に飽きられやすいです。
常に世の中の動向に合わせた、鮮度の高い内容のものを送信することを心がけましょう。

6.送信する曜日や時間帯がバラバラ

送信する曜日や時間帯がバラバラであるよりも、特定の曜日の特定の時間にメルマガを送信すると開封率が上がりやすくなります。読者のルーティーンの一部として定着すれば、自然とメルマガをチェックしてくれるようになります。
そのためにも、配信する曜日や時間帯はできるだけ固定しましょう。

6.メルマガの開封率を測定する方法

メルマガの開封率を測定する方法は一般的に下記の2つが用いられます。

・Googleアナリティクス
・メルマガ配信ツール

おすすめは、メルマガ配信ツールで提供されている測定設定です。

1.Googleアナリティクスで測定する

Googleアナリティクスは、Googleが提供している無料の解析ツールです。

メルマガの開封率を計測するためのURLを設置することができます。測定するには「Google Hit Builder」というサイトでコードを作成し、配信メール内に埋め込む必要があります。

2.メルマガ配信ツールで測定する

利用している配信ツールによって開封率の測定方法は若干異なるものの、大抵の場合は設定メニューなどをチェックして計測できるようになります。

Googleアナリティクスのように専門的な知識や設定の手間がなくミスなども起きにくいため、簡単に始めることができます。確実に開封率を計測したいのであればメルマガ配信ツールを活用してみましょう。

まとめ

メルマガは画面の向こうの顔が見えない人とのやりとりになるため、細かなデータをチェックしながら興味・関心を拾っていく作業が必要になります。その一つの指標が「開封率」のため、メルマガ配信者にとって開封率は大切なデータの一つです。

件名に具体性やイメージを喚起する言葉が入っているだけでも開封率は変わってきます。メルマガ読者が何に興味を引かれるのかを考えて言葉を選びましょう。今回ご紹介した開封率の計測方法や開封率を上げる方法を参考にして、自社サービスや利益の向上につなげてください。

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