E-A-Tは2014年の登場した概念で、SEO対策において年々その重要性は高まっています。
最近では、質の高いコンテンツを作ることに加えてE-A-Tの基準を満たすことがSEO対策として重要視されるようになりました。特にYMYLと呼ばれるジャンルで検索上位を目指すなら、E-A-Tを意識したコンテンツ作りが非常に大切になります。

今回の記事では、E-A-Tの詳しい内容とその対策のコツについて詳しく解説します。現在SEO対策に取り組んでいる方は必ず知っておきたい内容に仕上げていますので、ぜひご一読ください。

1.そもそも「E-A-T」とは?

SEOにおける「E-A-T」とは、Googleの検索品質ガイドラインの「ページ品質評価の最重要項目」で定義されている3つの頭文字をとって名付けられています。

・専門性:Expertise
・権威性:Authoritativeness
・信頼性:Trustworthiness

このE-A-Tの基準は2014年3月に初めて追加された項目です。
効果的なSEO対策をするために、E-A-Tはしっかり押さえておきましょう。

それぞれの項目についてわかりやすく紹介していきます。

1.専門性:Expertise

1つ目は、専門性(Expertise)です。

SEOにおける 「専門性」とは、WEBサイトが何かしらの専門分野に特化していることを指します。

例えばあるWEBサイトに「料理」「ファッション」「ゲーム」という3つの異なるジャンルのコンテンツがある場合、そのWEBサイトは専門分野に特化しているとはいえません。専門性を高めるのであれば「料理」など分野を絞り、かつ「日本料理」、「イタリアン料理」、「中華料理」という風に特化するようにしましょう。

特定のジャンルに特化することで、ユーザーは求める情報に素早くアクセスできるようになります。

2.権威性:Authoritativeness

2つ目は権威性(Authoritativeness)です。

権威性とは、「誰が作ったコンテンツか」を重視することを指しています。

たとえばGoogleでは権威性について、医療系に関する情報を例にとって解説しています。
医療系の情報を発信する場合、医療関係従事者は素人ブロガーよりも権威性が高くなります。

どのジャンルでも同じく、ただ本やネットで得た情報を発信する「個人」「素人」よりも、そのジャンルの「経験者」「専門家」「有資格者」の方が権威性が高いと判断されます。権威性が高い=有益な情報と判断されるため、検索で上位表示される可能性も高くなります。

3.信頼性:Trustworthiness

3つ目は信頼性(Trustworthiness)です。

権威性と少し似ていますが、権威性が「そのコンテンツは誰が作っているか」を重視する一方、 信頼性は「そのWEBサイトは信頼できるかどうか」を重視する項目となります。

ブログなどのコンテンツでは、様々な情報をユーザーに発信することになりますが「その情報はどこから得たものか」「実体験に基づいているか」「その証拠写真などを掲載しているか」「WEBサイトの運営者は誰か」などがチェックされます。

現在では一般ブロガーによる信憑性の薄い情報が氾濫しているため、丁寧に信頼性を高めていくことはSEOで上位表示されるために非常に大切な点となっています。

2.SEOでE-A-Tが重視される理由

2014年から始まったE-A-Tは、SEO対策において年々重要性を増してきています。
ではなぜE-A-Tが重要視されるようになったのでしょうか。

その背景をわかりやすく紹介していきます。

1.低品質のコンテンツの量産が背景にある

E-A-Tが登場した大きな理由の一つは、大量に増えた情報発信者による「低品質コンテンツの氾濫」です。

インターネット上では、現在コストを掛けずに誰でも情報発信することができるようになりました。その結果、素人や個人、悪徳業者に大量生産された低品質なコンテンツがネットに出回るようになりました。

Googleはこの大量に溢れる情報の中から、ユーザーにとって真に有益な情報をピックアップすることが課題となっています。E-A-Tという基準を作ることで、有益な情報が提供できるように尽力しているのです。

2.Googleの理念は「ユーザーファースト」

SEO対策において押さえておきたいのは「E-A-T」そのものではありません。Googleの最大の理念は「ユーザーファースト」です。

「ユーザーファースト」とは、ユーザーにとって有益かつ使いやすいツールであることを指します。
Googleは下記のようなステップで物事は成功するという考え方を持っています。

1.ユーザーにとって有益な情報が素早く手に入る
2.情報を手に入れるためにユーザーがGoogleを使うことを優先する
3.Googleのユーザー数が増加する
4.Googleの広告がユーザーの目に触れる
5.Googleの広告収入が増える
6.さらにサービスを改善することができる

Googleでは「悪いことをしなくてもお金は稼げる」と公言しているとおり、ユーザーファーストの理念をもって検索エンジンの改善に取り組んでいます。

つまり、E-A-Tはそれ自体が目的ではなく「ユーザーファースト」という理念を達成するためのひとつの手段ということです。

3.Googleで最重要項目のひとつになっている

E-A-Tはユーザーファーストという理念を達成するために作られた施策の一環です。
Googleでは、下記の5つがページ品質評価ガイドラインの最重要項目として挙げられています。

1.ページの目的
2.E-A-T
3.メインコンテンツの質と量
4.WEBサイトのメインコンテンツの作成者の情報
5.WEBサイトのメインコンテンツの作成者の評判

これをわかりやすく簡単に解釈すると「何のために作られたページか、しっかりとE-A-Tを踏まえているか。ユーザーから評価を得られているか」が重要視されているということになります。

よい評価を得られるよう、ユーザーファーストの理念を汲み取り、長期的な目線でコンテンツの品質を高めていきましょう。

3.E-A-Tを踏まえたSEO対策12のコツ

では続いて、E-A-Tを踏まえたSEO対策のコツについて詳しく解説していきます。

ユーザーファーストのコンテンツ作成の際は、ぜひ次に紹介するE-A-T対策を実践してください。

1.WEBサイトを1つのテーマ・ジャンルに特化する

WEBサイトは必ず1つのテーマ・ジャンルに特化しましょう。
もし複数のテーマ・ジャンルのコンテンツを作成したい場合は、WEBサイト自体を分けて作成することをおすすめします。

たとえば「ファッション」というジャンルでも、男性向けなのか女性向けなのかで変わってきます。また、男性向けだとしても、どのくらいの年齢層向けで、どのくらいの年収の方に向けられて作られているのか等、細かく特化していくといいでしょう。

多くの人に幅広くという考えもありますが、ターゲットを絞り、特定の層にとって100点のサイトを作ることで、ユーザーの満足度を上げることができます。

2.実体験に基づいた情報を記載する

コンテンツで記載する情報はできるだけ実体験に基づいたものにするのが望ましいです。

たとえば「本から得た情報」よりも、「本から得た情報を実践した結果」の方がユーザーにとっては有益になるということです。

もし何かの商品を紹介するのであれば、下記の情報を記載するとE-A-Tにおける「信頼性」があがります。

・購入した写真を掲載
・購入した商品の使用感
・商品でどのような効果が得られたかの結果

上記は実体験に基づいた独自の情報となるため、信頼性の向上につながります。

3.記事の作者をページごとに記載する

記事などのコンテンツを作成した場合、ページにはコンテンツの作者について記載しましょう。

Googleの検索品質評価ガイドラインでは、WEBサイトやコンテンツの作成者についての記載を推奨する記載があります。
具体的には下記のことを記載することが望ましいとされています。

・WEBサイトの責任者(個人、会社、ビジネス、財団など)
・ページの作成者(個人、会社、ビジネス、財団など)

丁寧に作成した作成者の実績や経歴、資格を記載することで、よりよい評価を受けやすくなります。

4.専門家に監修を受ける

コンテンツを作成するにあたり、作成者に資格や実績がないこともあると思います。
そういった場合、 専門家の監修を受けてE-A-Tの基準を満たすという方法もあります。

後ほど詳しく紹介しますが、金融系や医療系といったユーザーの生活に重要な影響を与える分野では、E-A-Tが特に重視されます。

医療系の記事を作成した場合であれば、作成した記事を医療関係者にチェックしてもらいましょう。
その上で、その監修者の実績や資格、氏名、勤め先の病院などを記事に記載するといいでしょう。

5.サイト運営者の情報を記載する

WEBサイトの運営者の情報を記載することも大切です。
WEBサイト運営者の情報とは、具体的に下記のようなものがあります。

・メールアドレス
・電話番号
・住所
・問い合わせフォーム

特にアフィリエイトやECサイトではユーザーを悪徳業者から守るために「特定商取引法に基づく記載」が義務つけられています。自社サイトが収益を目的としているいないに関わらず、どちらの場合も連絡が取れるように記載することが大切です。

6.「whois」情報を公開する

whois情報とはドメインを取得した登録者のIPアドレスや細かい情報を一般ユーザーが参照できるサービスです。
下記のような情報がwhois情報として確認できます。

・登録ドメイン名
・登録年月日
・ドメイン名登録者の氏名、住所

whois情報を開示することによって一般ユーザーに会社情報を伝えることができるため、信頼性の向上に繋がると考えられます。

7.被リンクやサイテーションを集める努力をする

Googleでは、他人から自分のサイトを紹介してもらう「被リンク」や、自分のサイトについて言及してもらう「サイテーション」は投票とみなされます。被リンクやサイテーションは、多くの人から評価されていると判断され、権威性や信頼性の向上に繋がります。

被リンクやサイテーションを集められるよう、SNSなどを活用して自社サイトを効果的に宣伝していきましょう。被リンクやサイテーションを自作自演など悪質な方法で集めてしまうと、ペナルティ対象になるため気を付けましょう。

8.公的機関から引用・参照する

記事などのコンテンツでは、様々な場所から情報の根拠となるデータを集めることがあります。

記事で記載する情報は信憑性の高い公的機関から引用・参照しましょう。もし何かしらの商品についての情報を記載するのであれば、公式サイトから引用・参照しましょう。

また、一般企業のデータでもその企業が有利になるようなデータの集め方をしている可能性もあります。
情報はしっかりと吟味し、客観性・信憑性のあるデータを引用しましょう。

9.記事は最新の情報に更新する

記事は作成して完成ではなく、定期的な更新が必要です。

たとえば、令和3年4月1日からモノの価格は消費税を含めた「総額表示」が義務付けられています。そのため、昔作成した記事でも更新が必要になる場合があります。

作成した記事はしっかり管理しながら、必要な情報は更新していきましょう。

10.記事の公開日・更新日を記載する

記事の公開日や更新日は記載するように設定しておきましょう。

公開日や更新日が記載されていることで、その情報がいつのものなのかがユーザーにすぐにわかるようになります。

古い情報はそれだけで信頼性の低下につながるため、前述のとおり記事は定期的に最新情報へ更新したうえで公開日・更新日を記載しましょう。

11.一次情報をコンテンツにする

記事の情報は一次情報を記載しましょう。
下記は一次情報、二次情報、三次情報の定義です。

◇一次情報
情報元となる情報や、公的機関により発表された情報

◇二次情報
一次情報をベースに編集された情報、人から聞いた情報

◇三次情報
情報元のわからない情報

このように、情報量と信憑性は圧倒的に一次情報の方が高くなります。
記事に利用する情報は、一次情報を取り入れることが大切です。

12.Googleマイビジネスに登録する

「Googleマイビジネス」とは、Googleが無料で提供しているサービスです。
登録すると会社情報や所在地、ユーザーからのレビューが投稿できるようになります。

たとえば、飲食店であれば検索順位を目指すのであればGoogleマイビジネスの登録は必須といえます。Googleではあらゆる評価を対象とするため、 Googleマイビジネスに登録しておくことでE-A-Tの向上につながります。

ただし、ユーザーからのレビューで不満が多い場合は逆にマイナス評価になることもあるため、ただ登録するだけではなくしっかりとユーザーからの評価を得られるコンテンツやサービスにしましょう。

4.E-A-T対策で意識したいことまとめ

次に、E-A-Tで意識したい対策を項目別にご紹介します。

1.専門性を高めるために意識すること

専門性を高めるために意識することは下記のようなものがあります。

・WEBサイトを特定のジャンルに特化させる
・コンテンツで提供する専門知識の質と量を上げる
・一次情報を提供する
・専門家の監修を受ける

個人でもできること、有資格者や経験者にしかできないことなどがあるため、臨機応変に取り入れましょう。

2.権威性を高めるために意識すること

権威性を高めるために意識することは下記のようなものがあります。

・他サイトの被リンクやサイテーションを集める
・専門家の監修を受ける
・資格者などがコンテンツを作成し、作成者の情報を記載する

一般的に権威性の獲得には時間がかかるとされています。
継続的に質の高いコンテンツを提供することが重要になるため、コツコツとした積み重ねが大切です。

3.信頼性を高めるために意識すること

信頼性を高めるために意識することは下記のようなものがあります。

・一次情報を提供する
・WEBサイトの運営者、記事の作成者などを記載する
・whois情報を公開する
・問い合わせ先を作成する

信頼性をあげるためには、情報の正確さと引用・参照元の記載とともに、WEBサイトやコンテンツ作成者の情報をオープンにすることを心がけましょう。

5.E-A-Tが特に重視される「YMYL」とは?

E-A-Tと合わせて知っておきたいことの一つに「YMYL」があります。

YLYMとは「Your Money or Your Life」の略で、ユーザーの幸福や健康、お金に関する情報などを指します。
YLYMに該当するジャンルの情報発信では、特にE-A-Tが重視されます。

YMYLに該当する主なテーマ・ジャンル

YMYLとは"Your Money or Your Life"の略語で「人の健康、安全、幸福、経済的安定に影響を与える可能性のあるページ」を指します。
YLYMに関するジャンルの代表例としては下記のようなものがあげられます。

・金融系
・医療系
・健康系
・法律系

低品質のYMYL情報は、誤った情報によって健康を害したり、詐欺によりお金を失ったり、社会的な不和を引き起こす可能性があります。そのためYMYLページに関しては、他のジャンルに比べてE-A-Tを含めて非常に高い品質評価基準が設けられています。

まとめ

E-A-Tとは、世の中に大量に溢れる情報のなかからユーザーにとって有益な情報を優先して表示するためのGoogleによる対策です。

ユーザーファーストの考え方に基づき、「どうすればユーザーにとって有益なコンテンツになるか」意識しつつ、E-A-Tの基準も取り入れながらコンテンツ作成を行いましょう。新しく作成する際はもちろん、すでに作成しているコンテンツにも応用していくことがおすすめです。新旧のコンテンツにE-A-Tを取り入れて定期的に情報をアップデートしていくことで、サイト全体の評価も上がりやすくなります。

Googleによるサイトの評価基準や重要視している考え方を理解した上で、コンテンツ制作やサイト運営を丁寧に行っていきましょう。

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