営業の外注とは、企業の営業活動を専門業者に委託することで、即戦力の確保や営業ノウハウの導入、固定費の削減など多くのメリットが得られる手法です。
営業の外注は、人員やリソースの不足、新規開拓が進まない場合など、さまざまな課題を解決する選択肢として注目されています。
ただし、情報管理や進捗把握の難しさ、外注先への依存などに注意が必要です。
職種や目的に応じた代行会社の選び方を理解することで、より効果的な営業活動を実現可能です。
そこで今回は、営業の外注とは何か、メリットや注意点、職種ごとの代行会社の選び方を解説します。ぜひ参考にしてください。
営業の外注とは?仕組みやサービス内容を解説
まずはじめに、営業外注の仕組みやサービス内容を解説します。
営業外注の定義
営業外注とは、自社の営業活動の一部または全体を外部の専門業者や営業代行会社に委託することで、営業アウトソーシングとも呼ばれます。
外注先は、依頼企業が求める営業成果に向けて営業戦略を立案し、スタッフの監督や指揮、実際の営業活動まで一貫して担います。
これにより、自社のリソースや人材不足、専門ノウハウの欠如といった課題を解消しつつ、市場での競争力を高めることが可能です。
営業外注の仕組み
営業外注の仕組みは、単なる人材の派遣ではなく、営業活動全体の設計や実行、進捗管理、成果の評価までを外部企業が引き受ける点が特徴です。依頼企業は営業目標や方針を共有し、外注先がそれに基づいて営業活動を推進します
営業外注の主な種類とサービス内容
営業外注には多様なサービスが存在し、企業のニーズや課題に応じて選択できます。
主な種類とサービス内容は以下の通りです。
主な種類 | サービス内容 |
テレアポ代行 | 見込み顧客リストへの電話架電によるアポイント獲得や、商談設定の代行を行います。 |
インサイドセールス代行 | メールや電話、Web会議など非対面での見込み顧客育成、ナーチャリング、休眠顧客の掘り起こし、商談化までを担当します。 |
フィールドセールス代行 | 実際に顧客先を訪問し、課題ヒアリングや提案、商談、クロージングまでを一貫して代行します。 |
商談代行 | 商談や契約交渉の場に同席・代行し、クロージングや受注獲得までをサポートします。 |
カスタマーサクセス代行 | 契約後の顧客フォロー、活用支援、アップセル・クロスセル提案、継続利用促進など顧客満足度向上のためのサポートを実施します。 |
営業戦略立案・コンサル | ターゲット選定、市場調査、営業戦略の立案、営業資料やトークスクリプト作成など営業活動全体の設計やコンサルティングを行います。 |
営業リスト・資料作成 | 見込み顧客リストや営業資料、リサーチ資料の作成、営業事務サポートなどバックオフィス業務の代行します。 |
アフターフォロー営業 | 商談後や契約後のフォローアップ、リピート受注や顧客満足度向上のための継続的な営業活動を行います。 |
上記のように、営業外注にはリード獲得からクロージング、契約後のサポートまで、営業プロセス全体をカバーする多様なサービスがあります。
自社の課題や目的に合わせて、必要なサービスを選択することが重要です。
営業を外注するメリット5つ
以下では、営業を外注するメリットを5つ紹介します。
1.人手不足を即座に解消できる
営業外注を活用すると、自社で採用活動や育成を行う手間を省き、必要なタイミングで即戦力となる営業人材を確保できます。
通常、営業担当者を新たに採用し育てるには多大な時間とコストがかかりますが、外注ならばプロフェッショナルな人材を迅速に動員できるため、急な案件増加や新規事業の立ち上げ時にも柔軟に対応できます。
人員不足による機会損失を防ぎ、利益拡大のチャンスを逃さずに済む点が大きなメリットです。
2.コスト削減と変動費化が可能
営業外注を利用することで、正社員の採用や教育にかかる固定費を大幅に削減可能です。
外注費は成果報酬型やプロジェクト単位など柔軟な契約が可能なため、人件費を変動費として扱えます。これにより、事業の成長や縮小に応じてコストを最適化でき、予算管理がしやすくなるでしょう。
無駄な固定費を抑えつつ、必要な時に必要な分だけ営業活動を強化できるのがメリットです。
3.営業のプロによる高い専門性とノウハウを活用できる
営業外注先は営業活動に特化したプロフェッショナル集団であり、豊富な経験と専門知識を持っています。
自社では得られない最新の営業ノウハウや業界特化の知見を活用できるため、成約率の向上や新規開拓のスピードアップが期待できます。
また、外部の視点を取り入れることで自社の営業課題が明確になり、営業戦略のブラッシュアップにもつながるのもメリットです。
4.自社リソースをコア業務に集中できる
営業活動を外注することで、自社の社員や経営資源を本来注力すべきコア業務や戦略分野に集中できます。営業以外の業務に専念することで、事業全体の生産性や効率が向上するでしょう。
また、営業活動の一部を外注することで、社内の負担を分散し、組織全体のバランスを保つことも可能です。限られたリソースを有効活用し、企業の成長を加速させる手段としても有効です。
5.スピーディーな営業活動と成果を創出できる
営業外注は、既に営業手法や顧客リストを持つ代行会社を活用できるため、短期間で営業活動を立ち上げ、成果を出すことが可能です。
自社でゼロから営業体制を構築するよりも圧倒的にスピード感があり、競合他社よりも早く市場にアプローチできます。
新規事業や新商品の立ち上げ時など、スピードが求められる局面で特に大きな効果を発揮します。
営業を外注する際の注意点3つとその対策
次に、営業を外注する際の注意点3つと、その対策方法も解説します。
1.情報漏洩リスクへの十分な対策が必要
営業を外注する際には、自社の顧客情報や営業ノウハウ、戦略などの機密情報を外部企業と共有する必要があります。そのため、情報漏洩のリスクに対する対策が必要です。
万が一、競合他社に情報が渡ると、営業戦略が逆に利用される恐れや、社会的信用の喪失、損害賠償の発生など重大な経営リスクにつながります。このようなリスクを未然に防ぐためには、外注する業務の範囲や共有する情報を慎重に選定し、必ず機密保持契約(NDA)を締結することが不可欠です。
また、システムや端末の利用制限、アクセス権限の明確化など、実務レベルでのセキュリティ対策も徹底しましょう。
2.業務管理・進捗把握の難しさ
営業外注では、実際の営業活動やプロセスの管理、進捗の可視化が難しくなる傾向があります。なぜなら、外注先が主体となって営業活動を行うため、自社で直接マネジメントができず、業務内容や顧客対応の実態が見えにくくなるからです。
報告内容と実際の活動に乖離が生じるリスクや、外注先の営業手法が自社の方針と合致しない場合、顧客の信頼を損なう可能性もあります。
このような事態を防ぐためには、定期的な業務報告やKPIの設定、コミュニケーションルールの明確化など、進捗管理体制を事前に整備することが重要です。
3.自社ノウハウの蓄積や育成機会の損失
営業を外注すると、営業ノウハウや顧客対応力が自社に蓄積されにくくなる可能性があります。なぜなら、外注先が営業活動を担うことで、社内の営業担当者が実践経験を積む機会が減り、長期的な人材育成や組織力の強化が難しくなるからです。
また、契約終了後には外注先のノウハウや経験が社内に残らず、再び営業力が不足するリスクも考えられます。
これを防ぐには、外注と並行して社内の営業教育やノウハウ共有の仕組みを構築し、外注に依存しすぎない体制づくりを意識することが大切です。
職種ごとの営業代行会社の選び方
以下では、主な営業代行の職種ごとの選び方を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
テレアポ・インサイドセールス向けの営業代行会社の選び方
テレアポやインサイドセールス代行会社を選ぶ際は、まず自社が求める成果(アポイント獲得数、クロージング率など)を明確にし、その実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。
商材がシンプルな場合はテレアポ代行、複雑な場合はインサイドセールス代行が向いています。
費用対効果や外注したい業務内容との適合性、得意領域が自社ビジネスと重なるか、サービス体制の質、営業ノウハウの連携体制なども比較ポイントです。
また、トークスクリプトやターゲットリストの有無も確認し、必要に応じて戦略設計から支援してくれる会社を選ぶのがおすすめです。
フィールドセールス・商談代行向けの営業代行会社の選び方
フィールドセールスや商談代行を外注する場合は、実際の訪問営業やクロージング力が高い会社かどうかがポイントです。自社商材の業界経験や、同業他社での成功実績が豊富な会社を選ぶことで、現場での課題解決力や提案力に期待ができるでしょう。
商談の質や受注率を重視する場合は、担当者の営業経験や教育体制、商談の進め方やレポーティング体制もチェックする必要があります。
さらに、フィールドセールスの場合は、営業エリアや対応可能な地域も確認が必要です。
コンサルティング・戦略設計型の営業代行会社の選び方
コンサルティングや戦略設計型の営業代行会社を選ぶ際は、単なる営業実務の代行だけでなく、営業戦略の立案やマーケティング支援、営業組織の構築サポートまで対応できるかが重要です。自社の課題をヒアリングし、現状分析からKPI設計、ターゲット選定、トークスクリプト作成など、上流工程から伴走できる会社を選びましょう。
過去のコンサルティング実績や成功事例、担当コンサルタントの専門性や提案力も比較のポイントです。長期的な営業力強化やノウハウの社内蓄積を目指す場合におすすめです。
営業外注の費用相場と契約時に確認すべきポイント
次に、営業外注の費用相場と契約時に確認すべきポイントを解説します。
料金体系と費用相場
営業外注(営業代行)の料金体系は主に「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型(固定+成果報酬)」の3つに分かれます。
以下の表に代表的な費用相場をまとめますので、ぜひ参考にしてください。
料金体系 | 内容 | 費用相場(目安) |
固定報酬型 | 月額や日当で一定額を支払う | 月額50~70万円程度
日当2.5~3.5万円程度 |
成果報酬型 | アポイントや受注など成果ごとに支払う | アポ1件あたり1.5~5万円程度
受注は売上の30~50%が目安 |
複合型 | 固定+成果報酬を組み合わせた契約 | 固定で約25~30万円程度+成果報酬 |
商材の専門性や依頼業務の範囲によっては、固定報酬型で100万円を超える場合や、成果報酬型で単価が高くなるケースもあります。自社の営業案件に合わせて適切な代行会社と料金形態を選択することが重要です。
契約時に確認すべきポイント
営業外注を契約する際は、以下の点を必ず確認しましょう。
業務範囲・成果基準の明確化
委託する業務内容や範囲を具体的に契約書へ記載することが重要です。例えば、リスト作成からアポイント取得、商談、クロージング、アフターフォローまで、どこまでを外注先が担当するのか明確にしましょう。
また、成果報酬型の場合は「成果」の定義(例:アポイント獲得数、受注件数など)を具体的に設定し、双方の認識違いを防ぐことが大切です。曖昧なまま契約すると業務範囲や成果基準をめぐるトラブルに発展しやすくなるため、注意が必要です。
費用と支払い条件の詳細
報酬額や支払い方法、支払い時期、費用負担の範囲などを契約書で明確に定めておくことが重要です。
固定報酬型か成果報酬型か、または複合型かを明示し、追加費用や交通費などの経費負担者も明記しましょう。
また、支払いのタイミングや遅延時の対応、振込手数料の扱いなども細かく規定することで、後々の金銭トラブルを防止できます。
レポート・進捗報告体制
外注先による営業活動の進捗や成果を把握するため、定期的な報告義務やKPI設定、レポート内容・提出方法を契約書に盛り込むことが重要です。
週次や月次でのレポート提出や、必要に応じてミーティングを設定するなど、進捗状況を可視化できる体制を整えることで、業務の透明性を高め、問題の早期発見や改善につなげられるでしょう
契約期間と解約条件
契約の開始日と終了日、更新の有無やその方法、途中解約時の条件や違約金の有無など、契約期間に関する事項を明確にしておきましょう。
特に自動更新の有無や、解約の申し入れ期限、契約違反時の解除条件などを具体的に記載することで、トラブル発生時の対応基準が明確になり、安心して契約を進められるでしょう。
情報管理・セキュリティ体制
営業外注では自社の顧客情報や営業ノウハウを外部と共有するため、情報漏洩リスクへの対策が不可欠です。
機密保持契約(NDA)の締結や、情報の取り扱い方法、アクセス権限の設定、データ管理体制などを契約書でしっかり規定しましょう。
これにより、万が一のトラブル時にも法的な対応がしやすくなります。
営業外注に成功するための外注先の選び方
外注先を選ぶ際は、次の点を十分に確認しましょう。
実績・専門性の確認
営業代行会社の選定では、過去の実績や同業種・同規模での成功事例を必ず確認しましょう。
業界特有の商習慣や課題への対応力、ノウハウの蓄積がある会社は、迅速な成果や的確な提案が期待できます。
また、担当者や実働スタッフの経験値も重要な判断材料です。公式サイトや資料、面談時に具体的な数字や事例を提示できるかも、重要なチェックポイントです。
担当者のコミュニケーション能力
営業代行会社の担当者と自社の意思疎通がスムーズかどうかは、プロジェクトの成否を左右します。商談時や打ち合わせの際のレスポンスの早さ、課題への理解度、提案内容の具体性を確認しましょう。
担当者の人柄や対応力、実際に現場を担当するスタッフとの相性も重視すべきポイントです。信頼関係を築けるかどうかが、長期的な成果につながります。
サービス内容の柔軟性
自社の営業課題や目標に合わせて、サービス内容を柔軟にカスタマイズできるかを確認しましょう。
例えば、インサイドセールスやフィールドセールスなど、営業プロセスごとに強みを持つ会社や、戦略立案から実行まで一貫対応できる会社など、得意領域が自社のニーズと合っているかが重要です。
また、対応エリアや業界特化の有無も、比較のポイントとなります。
成果報酬型か固定報酬型かの適合性
営業代行の料金体系には成果報酬型や固定報酬型などがあるため、自社の営業目標やリスク許容度に合わせて選定する必要があります。
初期投資を抑えたい場合や成果重視なら成果報酬型、長期的な安定運用や戦略的な営業強化を目指すなら固定報酬型が適しています。
契約前に、料金体系ごとのメリット・デメリットや追加費用の有無も細かく確認しましょう。
情報開示・透明性
営業活動の進捗や成果をしっかり開示し、定期的なレポートやミーティングで状況を共有できる体制があるかを重視しましょう。
業務内容やKPIの達成状況、課題発生時の対応など、情報の透明性が高い会社は信頼性も高く、トラブル防止にもつながります。
契約時には報告頻度や内容についても具体的に取り決めておくことが重要です。
このように、料金体系や費用相場を把握し、契約内容の詳細を確認した上で、自社に合った外注企業を選定することが営業外注の成功につながります。
営業外注の成功事例と失敗例
以下では、営業外注の成功事例と失敗例を挙げて、そこから学ぶべきポイントを解説します。
成功事例に学ぶポイント
営業外注の成功事例として、IT・ソフトウェア業界のSaaS企業が営業代行を活用し、新規顧客開拓に成功したケースがあります。
営業代行業者がターゲットリストを作成し、メールや電話で見込み客へアプローチしました。ニーズを的確に把握した上でアポイント獲得に注力した結果、商談件数が月平均50%増加し、契約獲得率も向上。売上は前年比30%アップを達成しました。
成功のポイントは、外注先と自社が密に連携し、ターゲットやKPIを明確に設定したこと、そして定期的な進捗共有や改善策の実施にあります。
失敗例とその対策方法
営業外注の失敗例として、成果報酬型で依頼した際に「質の低いアポイントばかり増えて受注につながらなかった」というケースがあります。
原因は、成果基準を「アポ獲得数」だけに設定し、アポイントの質や受注確度を考慮しなかったことです。
対策としては、成果基準を「受注につながるアポイント」など質も重視した内容に見直し、トスアップ基準やターゲット選定を外注先と共有することが重要です。
また、定例ミーティングや進捗報告を通じて、課題発見と改善を“共同作業”で進めることが失敗防止につながります。
自社に最適な営業代行会社探しなら「コンペル」におまかせ!
自社に最適な営業代行会社を見つけるには、「コンペル」がおすすめです。なぜなら、コンペルを活用することで、自社に最適な営業代行会社を効率的に比較・選定できるからです。
コンペルには多様な営業代行会社の情報や実績が集約されており、業種や商材、依頼内容に合った会社を一括で比較できるため、ミスマッチのリスクを減らせます。
また、各社の強みや費用、過去の成功事例なども分かりやすく掲載されているため、専門知識がなくても安心して選定が可能です。
コンペルは、短期間で最適なパートナーを見つけたい場合に非常に有効なサービスとしておすすめです。
業者探しにあまり時間や手間をかけられない方や、依頼をお急ぎの方は、お気軽にコンペルにご相談下さい!営業代行探しの専門アドバイザーが、あなたに代わってぴったりの会社をお探しいたします。ご利用料金は無料です。