請求書発行システム

 

毎月の請求書発行作業は、取引先が増えれば発行部数も増え、月末月初はそれで手一杯という経理担当の方も多いのではないでしょうか。クレジットカードや携帯の明細の閲覧がWEB化しているように、請求書をはじめとする帳票もWEBで管理する企業が増えています。請求書という性質上、効率化だけでなく、そこに正確性がなければなかなか導入を決められないと思います。

今回の記事では、毎月の帳票発行の作業負担が減り、正確に請求書を発行できる『請求書発行システム』について詳しくご紹介します。働き方が多様化する中、テレワークを進展していきたい企業の方で、経理も対応できる方法をお考えの方にもぜひ参考にしていただければと思います。

請求書発行システムとは

請求書発行システムとは、今まで手動で行われていた請求書にまつわる業務を電子化したものです。作成・郵送までの作業をWEB上で行うことで効率化につながる為、多くの企業で導入、検討されています。

請求書発行のほかにも、見積書、納品書、支払明細書、領収書といったあらゆる帳票作成が可能です。

近年はオンライン上で管理するクラウド型のサービスが多く、出先や在宅勤務といったシーンでも、相手先情報や金額を入力するだけでどこでも対応できる大変便利なサービスです。

 

請求書発行システムの機能紹介

機能 説明
請求書・見積書・納品書の作成 ・テンプレートに必要事項を入力し自動作成する機能
・毎月送る内容は自動作成が可能
・企業ロゴ、印影の自動押印ができる
・一括作成
請求書・見積書・納品書の送付 ・WEB上からメール送付が可能
・紙で郵送したい場合は封入、郵送代行も可能
作成書類の管理 ・案件ごとやステータスごとに管理・検索が可能
・請求金額を売上レポートに反映
会計ソフトとの連携 データを連携し、自動取込・自動仕訳が可能

 

請求書発行システム5つのメリット

発行業務にかけていた時間の削減

請求書発行システムを使うことで、作成から発送までの手順が短縮され、大幅な時間の削減に繋がります。

今まで一件一件に必要だった作成後の印刷・押印・確認作業なども全てWEB上で行え、相手が電子データでの請求書で問題なければクラウドから自動送信できます。印刷・封入・投函の作業もなくなります。毎月決まった内容での書類発行があるなら、自動作成機能を活用することでさらに業務効率が上がり、毎月の作業が、早く、楽に、行うことができます。

発行コストの削減

これまで郵送していた際にかかっていた印刷や郵送のコストが無くなります。作業にかかっていた時間の短縮により、人件費コストも縮小できます。請求書の発行部数が多い企業ほど、コスト削減できる額も多大になることが見込まれます。

作業ミスの防止

どうしても人力での作業ですと、ミスの可能性はゼロではありません。データ連携することで、記入漏れ、金額間違い、宛先間違いなどのヒューマンエラーの防止になります。電子化することにより封入ミスなどもなくなります。

保管が楽になり、リスクも回避

保管や管理もオンライン上で行う為、ファイリングしたり探したりする手間や時間がかかりません。特に過去の請求書を探す作業は大変なものだと思いますが、これも検索機能により解決できます。今まで保管していたスペースに空きができ、紛失のリスクもありません。現物保管をしないため、万が一の盗難の心配も不要です。

いつでもどこでもスピーディーに対応

オンライン環境であれば、いつでもどこでも即座に対応が可能です。急ぎの案件であっても出先でWEB上にアクセスして発行ができ、スピーディーな対応で相手を待たせません。また郵送によるタイムラグもかからず、遠方のクライアントにもすぐに送付ができます。

 

請求書発行システムのデメリット

インターネット環境が必須

オンライン上でやり取りをする為、取引先にもインターネット環境が必要です。大半の企業はネット環境は整っていますが、店舗等によってはPCの設置がない場合もありますので注意しましょう。
〈解決策〉
PCは無くても、最近では予約確認等のためにタブレットは持っているという方も増えました。オンライン環境があれば、スマホやタブレットで確認が可能です。

 

取引先の理解が必要

2005年4月に「e-文書法」が定められ、請求書の電子化は以前より普及が進みましたが、それでもまだ電子化することに抵抗を持っている企業もあります。また、取引先は受け取った請求書を印刷保管する可能性もあり、送信側はコスト削減等のメリットがあっても、受信側は印刷の手間が発生している場合も否めません。

ただし、2020年10月1日に、電子帳簿保存法が改正され、請求書の原本保存をしなくてよくなりました。これにより印刷やファイリングの手間が省け、保管場所を確保する必要がなくなる等、受信側にとってのメリットが増え、電子化への理解はさらに進んで行くと予想されます。

もし取引先によって電子化の理解が得られない場合は、請求書発行システムで郵送の代行も行っているサービスを活用すれば、個別に郵送が必要な取引先にも対応できます。

参考:電子帳簿保存法Q&A(一問一答)

情報漏洩リスクがゼロではないと知っておく

各社セキュリティ対策は設けているものの、WEB上で情報を扱う為、情報漏洩のリスクにおいて絶対に大丈夫という保証があるわけではありません。

〈解決策〉
サービスのセキュリティ対策を確認する。情報の抜き取りを防ぐためにIDとパスワードは必ずかけ、取引先の閲覧者にも共有しましょう。

 

請求書発行システムを選ぶポイント

請求書発行システムのメリット・デメリットがわかったら、次はどの点に注意して選べば失敗しないかについ見ていきましょう。
実際導入する際に選ぶポイントは5つあります。

1.セキュリティ対策

請求書発行システムのほとんどがクラウド上に請求書などの書類データを保存する為、セキュリティ面のしっかりしたサービスを利用したいところです。
以下チェックポイントで、万全のセキュリティか必ず確認しておきましょう。
・監視体制は常時(24時間365日)か
・通信データは暗号化されているか
・バックアップは常時行われているか

2.予算内で自社に必要な機能を選ぶ

自社で毎月何通の請求書発行をしているかで大体の予算を組むことができます。そのほかにも請求書発行や郵送サービスだけでなく、定期的に自動作成できる機能や、請求金額を売上レポートに反映させる機能、会計ソフトと連携させて決算書作成できる機能等があり、機能が多くなれば価格も上がります。まずは、「何のために請求書発行システムを導入するのか」「最低限必要な機能は何か」「解消したいものは何か」を明確にし、予算内で目的に見合ったサービスを選ぶことから始めましょう。

3.サポート体制の確認

請求書発行業務は、取引先とお金が絡む大切な業務である為に、業務に支障が出ないようにしなければなりません。何か不具合が起きたとき、どこに問い合わせればよいのか、すぐ対応してもらえるのか、といったサポート体制も大切なチェックポイントです。万が一に備え、十分なサポート体制が整っているかを確認しておきましょう。土日も稼働する企業なら、平日だけでなく土日も対応しているかの確認も必要です。

4.自社で使用中のシステムとの連携

自社で使っている会計システムや販売管理システムと連携させることができれば、請求書を送る業務を全て自動化することができ、大幅に業務効率をあげることが可能です。別々に管理していたデータを連携させることで、請求書だけでなく納品書や見積書といった、様々な帳票作成がミスなく作成可能になります。

会計システムと連携させることで、取引先への督促や、仕分けデータまで自動反映してくれるものもあります。取引先が多い企業は、API連携で、自社で使用中のシステムを連携させれば、顧客データを請求書発行システムに反映させたり、情報に変更があった際も同期が可能になります。

 

5.郵送代行サービスの有無

電子帳簿保管法の施行により帳票の原本保管が不要になる為、またエコの観点からもペーパーレス化が進んで行くことが想定されますが、それでも取引先の中には紙の請求書が必要という企業がいるかもしれません。その際は郵送代行サービスを利用し、郵送業務に時間をかけないようにしましょう。相場としては1通150円ほどで、今まで郵送の為に行っていた、印刷から宛先確認、封入、切手貼り、投函などの作業時間が全てなくなります。定期的に自動郵送してくれるサービスもありますので、毎回送る時期と金額が同じであれば有効活用できるでしょう。

 

おすすめの請求書発行システム8選

1.MakeLeaps(メイクリープス)


画像出典:MakeLeaps公式HP

特徴

「MakeLeaps」はクラウド上で簡単に見積書から請求書まで書類作成ができ、直感的で扱いやすいインターフェースで業界問わず個人事業主から大手企業まで、さまざまな企業に選ばれています。

Salesforce(セールスフォース)と連携させれば、Salesforce内でMakeLeapsの書類を発行、送付が可能に。取引先ごとにいつどんな書類を送ったか、今どのステータスにあるかを管理できるので、取引先が増えてきて各社の状況を一目で管理したい方におすすめです。

ポイント

・Salesforceとデータ連携して請求書作成したい方
・毎月の発行書類の量が多く、効率化したい方
・オプションで会計ソフトとも連携可能
・外貨、バイリンガル対応

料金プラン

個人プラン 法人プラン 郵送代行 お試し期間
月額500円/人 月額800円/人 5ページ以下 148円/1通 30日間

 

初期費用は無料。個人プランはメンバー3名、取引先10社まで利用可能。法人プランはメンバー数・取引先も無制限。取引先数は10社まで無料、それ以上は50~80円の別費用が発行社数ごとに発生。

 

2.BtoBプラットフォーム請求書


画像出典:BtoBプラットフォーム請求書公式HP

特徴

「BtoBプラットフォーム請求書」は請求書の発行だけでなく、受取(支払い)も全て一つのクラウド上で可能なサービスで、現在43万社以上で利用されています。発行側の業務が効率化するのはもちろん、支払い側は、請求書を即座に受け取ることができ、月次精算を早期化できます。

会計システムや販売管理システムと連携させれば、データを自動で取込み支払通知書や請求書を一括で発行することができます。2019年度クラウド請求書サービスでは国内シェアNo.1の電子請求書サービスとして選ばれています。

 

ポイント

・社内システムと連携できる外部システムは50以上!
・安心の24時間365日の監視体制で20年以上の運用実績
・導入時や導入後のサポートが充実。取引先への案内も対応可能。

料金プラン

・月額基本料 15,000円
・初期設定費 300,000円~

導入後のシステム維持費や更新料などの費用は無料です。

 

3.Misoca


画像出典:Misoca公式HP

特徴

Misocaは、1分で簡単に見積・納品・請求書の作成ができるサービスです。月間の請求書作成数に応じた料金プランで利用が可能で、個人事業主~法人まで様々な企業で導入されています。シンプルな操作性で管理もカンタン。クラウド上で全ての帳票が一元管理され、社内の情報連携もスムーズに!バックオフィスの業務効率化につながります。

電話、メール、チャットでのサポート体制で安心できる点や、通信暗号化や自動バックアップといった万全のセキュリティ体制ももちろん整っています。

ポイント

・シンプルでわかりやすい操作性
・弥生の申告ソフト、freee、MFクラウド会計・確定申告等の連携サービスも充実
・消費税率10%、軽減税率8%での帳票作成、自動計算、区分記載請求書に対応

料金プラン

無料プラン プラン15 プラン100
ずっと無料 年額8,000円 年額30,000円
月間請求書作成:5通 月間請求書作成:15通 月間請求書作成:100通

初年度は無料。
月間請求書作成の超過分は1通70円で利用可能。(プラン15は16通以上、プラン100は101通以上の場合)
どのプランも見積書作成・納品書作成・取引先登録はすべて無制限で利用可能。
郵送代行は160円/通(オプション)

 

4.請求管理ロボ


画像出典:請求管理ロボHP

特徴

請求管理ロボも、請求書を自動作成できる人気のクラウドツールで、500社以上の企業で導入されています。
最初に請求情報を設定すれば、次からは取引先ごとに毎月自動作成してくれます。
さらに、取引先の決算手段も銀行振込、口座振替、コンビニ決済、クレジットカード決済と連動し、一元管理できる点が魅力です。

決算手段ごとの異なるオペレーションを同一化し一元管理したい方におすすめです。

ポイント

・登録は最初だけで次回以降は自動化
・4つの異なる決算手段を一元管理できる
・Salesforce・kintoneと連携可能
請求管理業務を丸投げできる「請求まるなげロボ」を利用すれば何もしなくてOK

料金

月額費用:50,000円~
導入費用:300,000円

プランの選び方
・ライトプラン…請求書の管理・発行・送付といった基本的な機能の自動化をしたい方。
また、入金データの一括管理・請求書と入金データの自動消込も行えます

・スタンダードプラン…自社で使っているSFAと連携させたり、仕訳データを会計ソフトに連携させて活用したいなどのニーズがある方。

・プロフェッショナルプラン…内部統制やガバナンスを強化したい大手企業の方にはこちら。

※郵送は1通150円~利用可能

 

5.freee


画像出典:freee公式HP

特徴

会計freeeは、日々の経理に必要な書類の作成管理から決算までをまとめて行えるクラウド会計システムです。
誰でも扱いやすいデザインの為、経理業務が初めての方や、簿記の知識がない方でもすぐに使えます。

請求書の発行・送付・管理だけでなく、経理業務全体を効率化できるツールをお探しの方におすすめです。

ポイント

・簿記や経理の知識がなくても使える
・簡単に決算書の作成もできる会計ソフト
・メール、チャット、電話などサポートが充実
・税理士の方と画面共有すれば、経理業務の確認作業もオンラインで可能

料金プラン

ミニマム ベーシック プロフェッショナル
月額 1,980 円 月額 3,980 月額 39,800 円
ユーザー上限3名まで
決算書の作成
チャット/メールサポート
ユーザー3名まで無料
請求書の定期・一括請求機能
従業員の経費精算機能
ワンクリックで振込
ユーザー10名まで無料
予実管理機能
プロジェクト会計
より複雑な申請経路の設定

各プラン30日間無料
郵送は1通150円(税別)で利用可能
ベーシックプラン以上はユーザーの追加可能

 

6.楽楽明細


画像出典:楽楽明細公式HP

特徴

次に紹介するのが『帳票発行を楽に。印刷封入作業をゼロに』のCMでお馴染みの楽楽明細です。
現在1600社での導入実績があり、2020年のクラウド帳票発行サービスで売上シェアNo.1となっています。

導入のハードルが低いのも人気の理由で、自社で利用中のシステムから請求データを楽楽明細に取り込むだけでだれでも簡単に操作が可能です。

 

ポイント

・どんな帳票発行も可能
・データ連携はPDFまたはCSVデータをアップロードするだけ
・システムが苦手な方でもわかりやすい操作画面。複雑な機能が無いので使いやすい。
・導入後のサポートが充実、わかるまで教えて貰える

料金と機能

◆料金

初期費用:100,000円
月額費用:24,000円~

郵送は1通164円(税別)で利用可能

◆機能

・API連携で基幹システムや販売管理システムと自動データ連携が可能
・リマインドメール:請求書発行してから一定時間が経過しても未ダウンロードの企業に自動でお知らせできる
・帳票と合わせて同封したいお知らせも合わせて送付可能

 

7.マネーフォワードクラウド請求書


画像出典:moneyforwardクラウド請求書公式HP

特徴

マネーフォワードクラウド請求書は、安心して利用できるサポート体制とセキュリティの高さにより、さまざまな業界業種の企業で使われています。
請求書をはじめとする帳票の毎月自動作成はもちろん、ステータスごとの書類管理なども可能です。

現在マネーフォワード社が提供するサービスをお使いの方は、会計ソフト「クラウド会計・確定申告」と自動連携できるのでおすすめです。

 

ポイント

・サポートサイトがあるので困ったときに助かる。直接問い合わせもOK。
・クレジット支払いを希望するクライアントにも対応できる
・金融機関と同じレベルでのセキュリティ対策がある。また、データは全て暗号化して保存。

料金と機能

スモールビジネス ビジネス エンタープライズ
月額 2,980 円(年額 35,760 円) 月額 4,980 (年額 59,760 円) 要問合せ
請求業務全般
決算書の作成
経費精算
請求業務全般
郵送・メール送信等の一括操作
振込データの作成
決算書の作成
経費精算

 

8.INVOY


画像出典:INVOY公式HP

特徴

INVOYはすべての機能が無料で使えるクラウド請求管理サービスです。シンプルな使い方で、どんな人でも必要な項目を上から順番に入力するだけで簡単に作成ができます。

無料でありながらもテンプレートが充実していたり、他書類へもカンタンに変換できたりと、これまでの書類作成の手間を省くことができます。請求書・領収書・見積書等の作成でお悩みの方におすすめです。

ポイント

・利用料は無料
・初めてでも使いやすい
・一度取引先を登録すれば次回からは入力が省略できる
・定期的に送付する請求書は自動作成可能

料金プラン

全て無料で利用可能
郵送代行は147円(税別)/通で利用可能
※発行額 1,000,000,000 円 以上/月または、発行枚数 5,000 枚 以上/月の場合は要相談となります

 

まとめ

請求書発行システムの選び方とおすすめツールについてご紹介しました。

請求書の発行は毎月ある作業であり、さらに事業拡大し取引先が増えればその分作業量も多くなります。
適切なツールを使用すれば、毎月末月初の作業効率アップはもちろん、ミスも軽減されます。

書類の発行・管理の効率化ができればよいのか、決算業務まで紐づけたいのか、営業で使っているSFAとリンクさせる必要があるのか、など自社に必要な機能と費用のバランスを考え、最適なツールを選びましょう。

請求書発行システムを導入し、コスト削減と毎月の作業効率アップを実現しましょう。

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