SEO対策において「キーワード選定」は非常に重要です。
しかし、
「キーワード選定ってそもそもなに?」
「なぜキーワード選定が重要なの?」
「キーワード選定ってどうやるの?」
と、SEO対策をはじめて間もない方であれば様々な疑問をお持ちだと思います。
キーワード選定の重要性を理解せずにWEB上でページやコンテンツを作成してしまうと、まったくアクセスが集まらず時間と労力を無駄にする可能性があるので注意が必要です。今回の記事では、SEO対策初心者でもわかりやすく、キーワード選定の重要性と具体的な方法について紹介します。
1.キーワード選定とは?
SEO対策において「キーワード選定」は非常に重要です。
「キーワード選定」とは、公開するページ(またはコンテンツ)のテーマとなるもので、そのページにアクセスするユーザーが検索するキーワードを選ぶ作業のことを意味します。人気のキーワードになればなるほど競合が多く、検索順位でトップを獲ることが難しくなってきますが、複数のキーワードを組み合わせた「複合キーワード」を選定することでトップを狙得る可能性も高くなります。
たとえば、「ダイエット」という単キーワードでは大量の競合がいますが、「ダイエット 太もも 自宅 筋トレ」など、複数のキーワードを組み合わせると特定のニーズに絞ることになるため競合も少なくなっていきます。
キーワード選定は、WEBサイトを運営していくうえでアクセスアップやユーザーのニーズにマッチさせるために非常に重要となります。逆に、キーワード選定をおこなわないままWEBページやコンテンツを作成すると、全くアクセス数が伸びない可能性が高くなります。
そうならないためにも、SEO対策を始めるにあたってキーワード選定についてよく理解しておきましょう。
2.キーワード選定が【最重要】な理由
キーワード選定が重要な理由については簡単に解説しましたが、もう少し深堀してみましょう。キーワード選定をおこなう意味を理解すると、SEO対策の全体像が理解しやすくなります。
キーワード=ユーザーの悩み・興味
「キーワード」は「ユーザーの悩み・興味」と考えると理解しやすいでしょう。
もしあなたがWEB上で何かを検索する場合、まずおこなうことは何でしょうか?
おそらく”検索”だと思います。
たとえば、同じ職場で働いている30代女性の誕生日が近くなり、プレゼント選びに困ったとします。自分ではいいプレゼントが思い浮かばず、WEB上でヒントをもらおうと検索するとしたら、どういったキーワードで検索するでしょうか。
「誕生日プレゼント 30代 女性 〇〇円(予算)」という風に検索すると思います。
つまり、 検索するユーザーにとっては検索キーワード=悩み・興味なのです。そのため、WEB上でコンテンツを作成する運営側は、このユーザーが検索するであろうキーワードを先回りして理解しておく必要があります。キーワードによって検索するユーザーのニーズにピッタリと合致するページやコンテンツを作成することができれば、アクセス数も上がりますし、場合によってはページやコンテンツがWEB上で拡散されることもあります。
逆に、キーワードとコンテンツの内容がズレていると、SEOで上位を獲得するのは難しくなるので注意しましょう。
ユーザーは知らない言葉を検索できない
ページやコンテンツを作成する際、キーワード選定をおこなわずに自社製品の名前をそのままページタイトルに入れてしまう企業などがあります。しかし、前述のとおりユーザーは”検索”によってWEBページにたどり着くことがほとんどです。
もしとある企業が30代女性への誕生日プレゼントとしてピッタリな商品を開発し、提供していたとしましょう。ユーザーは「誕生日プレゼント 30代 女性 〇〇円(予算)」というキーワードで検索します。しかし、その企業はページのキーワードを新商品の名前にしていたとすると、ユーザーはその商品名で”検索”をおこなうでしょうか。
「テレビCMで紹介されている」、「芸能人がおすすめしている」という一部の例外をのぞいて、ユーザーが知らない言葉で検索をおこなうことはありません。つまり ユーザーは知らない言葉を検索することはできないのです。
そのため 、コンテンツを提供する側は、ある程度自社製品やページ・コンテンツにアクセスするユーザーのニーズを先回りして調べ、検索するキーワードを選定する必要があります。
3.キーワード選定の5ステップ
キーワード選定の重要性については理解してもらえたと思います。
次にキーワード選定の5つのステップについて解説します。
キーワード選定に決められたルールなどはなく、基本的に自由ですが、下記の手順でおこなえばSEO初心者でも精度の高いキーワード選定がおこなえます。
Step1.主要キーワードの選定
Step2.関連キーワードの洗い出し
Step3.ユーザーの深い悩みを探り、ブラッシュアップする
Step4. キーワードをカテゴリごとに整理する
Step5.競合・検索ボリュームから優先順位をつける
これらのステップについて、ひとつずつ解説していきます。
step1.主要キーワードの選定
まずは始めにおこなうのは、主要キーワードの選定です。主要キーワードを選定することは、運営しているWEBページやコンテンツのジャンルや市場を選定することにも繋がる“メインキーワード”になります。
たとえば、今見ているこのページのメインキーワードは「SEO」です。 このようなコンテンツのジャンルを特定できるようなメインキーワードを「ビッグワード」と呼びます。他の市場でいうと「カメラ」、「ダイエット」、「筋トレ」などもビッグワードです。このようなビッグワードは、 検索市場を決定すると同時に、そのキーワードに基づく様々なニーズが期待できます。そしてこの主要キーワードによって検索数や市場の規模が決まるため、選定には注意が必要になります。
たとえば、検索数が少なすぎる市場を狙うと、どんなにSEO対策をおこなったとしても、検索するユーザーの絶対数が少ないため、アクセス数に伸び悩みます。検索数が多いジャンルは競合が多いですが、ジャンルごとにニッチなキーワードを狙うことでアクセス数のアップが狙えます。
step2.関連キーワードの洗い出し
次におこなうことは、関連キーワードの洗い出しです。 主要キーワードに関連するキーワードを「サジェストワード」と言います。
たとえば、Googleなどの検索エンジンで「ダイエット」というキーワードを入力すると、関連検索ワードとして次のようなキーワードが表示されます。
ダイエット 食事
ダイエット サプリ
ダイエット メニュー
ダイエット レシピ
ダイエット スープ
ダイエット アプリ
ダイエット 朝ごはん
上記の場合であれば「ダイエット」が主要キーワードで、その次のキーワード(「食事」や「サプリ」など)がサジェストワードとなります。これらのサジェストワードについて「このキーワードでアクセス数は上がるだろうか…?」とひとつずつ吟味していると、時間がいくらあっても足りません。
とりあえず、 自分が選定した主要キーワードのサジェストワードは手当たり次第にピックアップしましょう。キーワード選定のための専用メモや、アプリなどに保存しておくといいでしょう。また、実際にそのキーワードで検索してみて、検索上位を獲得しているWEBサイトのタイトルに使われているキーワードなども参考にしましょう。
SEO対策で非常に大切なのは、「実際にアクセスを獲得しているサイトを参考にする」という点です。
step3.ユーザーの深い悩みを探り、ブラッシュアップする
ステップ1と2はある程度簡単にできます。ステップ3では洗い出したキーワードからユーザーの深い悩みを探り、ブラッシュアップします。
選んだキーワードをそのまま使用しても、検索上位のサイトに太刀打ちできるとは限りません。あくまでも、検索上位を狙うためには競合より良いコンテンツを作る必要があるからです。
深堀の方法としては下記のような方法があります。
・直接ユーザーに聞く
・WEB上で検索する
・その業界の専門家にヒアリングする
上記の方法によって、 表面上では見えなかったユーザーの深い悩みや興味を発見することができます。たとえば「ダイエット メニュー」であれば、「なぜメニューで困っているのか?」という深い部分を探ります。
「仕事で忙しくて食事に気を配れない」、「毎日献立を考えるのが大変で挫折する」という深いニーズが見つかれば、また違ったキーワードが見えてきます。
「仕事で忙しくて食事に気を配れない」
⇒ 仕事で忙しい人おすすめ!コンビニで買える・作れるダイエットメニュー
「毎日献立を考えるのが大変で挫折する」
⇒ 簡単・手軽!作り置き可能なダイエットメニュー
といった風に、その市場にいるユーザーが「そうそう!そういうのが知りたかった!」と言いたくなるような、刺さるコンテンツを作成することができるようになります。
step4.キーワードをカテゴリごとに整理する
キーワード選定をしていると、大量のキーワードがピックアップされていきます。
キーワード自体に派生が少なく、ピックアップされる量も少ない場合は問題ありません。しかし 大量のキーワードが抽出されるジャンルの場合はカテゴリごとに整理しておきましょう。キーワードをカテゴリごとに整理しておくことで、重複や抜けを防ぐことができます。
たとえば「ダイエット」という主要キーワードであれば、「ダイエット 食事」という1つのカテゴリーを作り「食事 簡単」、「食事 コンビニ」、「食事 夜」などとさらにサジェストワードによって細かく分類できます。これら細かい分類を「食事」のカテゴリーとして整理しておくと便利です。
このように、キーワードはカテゴリごとにメモやエクセルなどを使って管理しましょう。
step5.競合・検索ボリュームから優先順位をつける
最後に検索エンジンやツールを使って競合性や検索ボリュームをチェックし、優先順位をつけましょう。ただし、優先順位はWEBページやコンテンツを作成する企業や個人によって異なります。
なぜなら、検索するユーザーが多いキーワードや、人気のキーワードが必ずしもいいわけではないからです。あくまでも 作成するコンテンツは「自社が勝てる見込みがあるキーワード」を選定しましょう。検索エンジンやツールを使って競合をチェックし、「このキーワードの市場なら自社でも上位を狙える!」という部分を攻めることで、効率的に検索上位を獲得することができます。
4.キーワード選定・分析に便利なおすすめツール
続いてキーワード選定や分析に便利なツールを用途別にご紹介します。
キーワード候補の洗い出しツール
キーワード候補の洗い出しツールとしてGoogleが提供している「キーワードプランナー」がおすすめです。狙いたい市場のキーワードをひとつ入力すると、そのキーワードを元に関連性の高いキーワードを順番に表示してくれます。
無料で利用できるうえに見やすく、キーワードを入力すると自動的にサジェストワードが出てくるので、キーワードの洗い出しには最適のツールです。
流入キーワードの抽出ツール
すでにWEBサイトを運営していてある程度のアクセス数がある場合は、作成したページ・コンテンツがどんな検索ワードでアクセスされているかを知るツールとして「Google search console(グーグル・サーチ・コンソール)」が便利です。
サーチ・コンソールでは、どのようなキーワードから自社サイトに流入があるか視覚的に確認することができます。アクセスが集中している時間帯や、どんな年齢層の人がアクセスしてきているかなども確認することができる非常に便利なツールです。
キーワードプランナーと同じく無料で使用できるので、初めての方におすすめです。
検索ボリュームの確認ツール
特定のキーワードについて「月間にどのくらいの検索数があるか?」を確認するツールとしては前述の「キーワードプランナー」がおすすめです。
キーワードプランナーでは、検索サジェストと一緒に月間の検索ボリュームも確認することができます。ただし、Google広告で出稿していない場合は10〜100などという風に大まかな数字しか確認できません。Google広告を利用して少額の広告出稿をおこなうと、月間検索ボリュームも正確な数値が表示されるようになります。
そのため、精度を上げたい場合は500円〜1,000円程度でもいいのでGoogle広告でなにか出稿してみるとよいでしょう。
5.キーワード選定の前に確認しておくべき3つのポイント
キーワード選定をおこなう場合、最初は「アクセス数がアップするキーワードを選びたい」と思う方が多いです。もちろん、自社の売上をアップさせることや、認知度をあげることを目的とするのは企業として重要な目的だと思います。
しかし、大切なのは「キーワードを選ぶこと」ではありません。キーワードを選ぶことが目的になってしまうと、最終的にWEBページやコンテンツの方向性がブレてしまいます。
そうならないために、キーワード選定をおこなう前に確認しておくべき3つのことについて解説します。
【なぜ?】キーワード選定の目的を確認しよう
ツールなどを使ってキーワードを探していると、いろんな発見があって楽しいです。自分が知らない市場のキーワードの検索ボリュームが多いと「え!?このキーワードでこんなにアクセス数があるんだ!」と驚くこともあります。そうすると、あれもしたい、これもしたい、とキーワードを選定することの目的自体がブレてしまいがちになります。
そうならないためにも、「なぜ、キーワード選定をするのか?」ということを事前に確認しておきましょう。多くの企業にとって、キーワード選定は自社商品によってユーザーの悩みを解決するための「手段」だと思います。その場合、キーワード選定をおこなう目的は「自社の商品を適切なユーザーに届けること」でしょう。
つまり、無闇にアクセス数を稼ぐことが目的ではないということです。ブレない軸を持っておくと、キーワード選定をする際にもブレることなく統一感のあるキーワードを選ぶことができるようになり、WEBのページやコンテンツもブラッシュアップされていきます。
【なに?】自社が提供したいサービスとユーザー層を理解しよう
繰り返しになりますが、SEO対策とは単にアクセス数をアップさせることではありません。SEOにおいて最も重要なのは、「求めている・悩んでいるユーザーに対して有益な情報を提供する」ということです。
ひと昔前までは、ユーザーのニーズにマッチしていないWEBサイトでも、表面的なテクニック(コピペや誇大表現など)を使用することで検索順位のトップを獲れていました。しかし、現在ではAIの発達によって上位表示するコンテンツの品質選定は非常にシビアになっています。
つまり、WEB上のコンテンツにおいて大切なのは、自社が提供したいサービスと、それにピッタリなユーザーがマッチすることです。そのため、WEB上でマーケティングをおこなう場合やSEO対策をおこなう場合は、「見込み顧客」の選定をおこない「自社の商品をどんな人に知って欲しいのか?」を明確にしておくことが大切です。
【どうやって?】戦略・仮説・検証・改善を繰り返そう
SEO対策をおこなううえで「仮説」は非常に重要です。
たとえば、あるキーワードにおいて「このキーワードであれば、3ヶ月間コンテンツをしっかり作ればこれだけのアクセス数が見込める」という仮説を立てたとします。この場合、この仮説が正しいか間違いかはそれほど重要ではありません。大切なのは、「立てた仮説に対してどういう結果が出たか?」ということです。なぜなら仮説がなければ、結果そのものの良し悪しを判断することができないからです。
もしくは、学校のテストで80点を獲ることを目標として勉強したとします。60点しか獲れなかった場合は「改善の余地あり」ですが、90点が取れれば「取り組み方は間違ってなかった」と判断できます。
SEO対策も同じで、戦略と仮説を立てて検証をおこない、改善をおこなうことでより深めることができます。
6.キーワード選定をおこなう際の注意点
最後にキーワード選定をおこなう際の注意点について解説します。
キーワード選定は継続的におこなう
キーワード選定は1度だけで終わるものではありません。
なぜなら、キーワード自体は世の中のニーズや流れによっていくらでも変化していくからです。
たとえば、「ダイエット」というキーワードの市場に参入していたとしましょう。最近では新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増え「コロナ太り」というキーワードが発生しています。そうすると「ダイエット コロナ太り」、「ダイエット コロナ 自宅でできる」という今までになかったキーワードでのアクセスが見込めるようになります。
このように市場や世の中の流れをいち早く察知するためには、キーワード選定は継続的におこなうことが大切です。
使用したキーワードは管理しよう
コンテンツを作成していると、使用済みキーワードが大量になります。
同じキーワードでもページやコンテンツのタイトルをズラすことでSEO対策となります。しかし全く同じタイトルやURLを使用すると逆にSEOに悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。
最初のうちは頭の中だけでも管理できますが、1年〜2年と継続的にWEBサイトを運営していると数が増え、キーワード管理の重要性が増してくるでしょう。SEO対策に取り組む場合はキーワード管理を習慣つけることをおすすめします。
競合は定期的にチェックしよう
SEO対策において最も参考になるのは「競合(ライバルサイト)」といっても過言ではありません。
キーワード選定は紹介したように時間がかかる細かい作業であり大変に感じるかもしれませんが、WEB上で検索上位を獲得しているサイトも同じような作業をしていると考えてみて下さい。そうすると、自分だけでは気づけなかった視点や、自社サイトの改善のヒントとなる部分がたくさん発見できるはずです。
また、自社サイトのコンテンツ順位が上がらないときの指標ともなるため、競合は定期的にチェックすることをおすすめします。
作成したコンテンツは定期的にアップデートしよう
コンテンツは作成して終了ではなく、定期的にアップデートしましょう。
常に最新の情報を提供するように心がけたり、もっと良い表現があった場合はリライトするなど、コンテンツをメンテナンスすることでSEO評価もアップします。
アルゴリズムのアップデートに注意しよう
Googleは定期的にアルゴリズムもアップデートをおこなっています。そのため、「検索上位を獲得できていたページやコンテンツが、ある日突然圏外まで落ちてしまった!」という事例は少なくありません。
Googleのアルゴリズムのアップデートについての情報をまとめているサイトやGoogleがアップデート後にアルゴリズムの指針を発表した場合は、すぐに内容をチェックしてコンテンツに反映させましょう。
キーワードだけではダメ!コンテンツも意識しよう
今回は「キーワード選定」について詳しく解説しましたが、キーワード選定はあくまでもユーザーがWEB上で自社サイトを見つけられるようにするための施策です。キーワード選定だけ完璧でも、コンテンツの品質が低ければSEOの評価が下がる可能性が高いです。そのため、キーワード選定だけではなく、コンテンツ自体もユーザーにとって有益なものとなるように努力しましょう。
そのほか、WEBサイトの見やすさなどもSEOでは重要なため、「このコンテンツはユーザーにとって有益かつ、使いやすいか」は常に意識しておくとよいでしょう。
まとめ
「キーワード選定」はWEB上においてユーザーにとっては『入り口』です。
ユーザーが検索しない・できないキーワードを設定していると、そのWEBサイトは入り口が塞がっていることと同じになります。そのため、もしSEO対策をはじめて間もないのであれば、キーワード選定は時間をかけておこないましょう。キーワード選定はSEO対策においては基本中の基本です。
慣れてくるとキーワード選定のスピードも早くなり、効率的にに対策が行えるようになります。
今回紹介した方法をぜひ参考にしていただければ幸いです。